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2025年8月21日木曜日

倉見川本流 (沢登り)

 片品川の支流の一つである根利川の本流となる倉見川は、支流の高場沢の沢登り記録をたまに見かけるくらいで、流域で林業が盛んなことと、関東屈指のロングダート林道を走行するマニアを除いては世間から忘れられがちな地域です。

その昔高場沢を遡行した帰り道で、林道の下を流れる本流を見下ろしたときに、この中を行くととどうなっているのだろうと思いながらも三年が経過してしまいました。
忘れかけていた宿題みたいなものを、記憶が消失しないうちに見ておこうと思います。

追貝から栗原川に沿って延びる栗原林道は、かつて皇海山への入山口として多くの百名山ハンターに利用されていましたが、2019年の台風被害を契機に閉鎖となりました。
反対側の入口となる薗原ダム側は、根利集落の2kmほど奥から通行止めとなっています。
手で簡単に開閉できるゲートを抜け、最初の支沢を渡った先にあるカーブミラー付近から、谷への傾斜が緩くなってきた斜面を下って行くと、幅広の滑滝の少し下流に降り立ちました。

オーバーハングした右岸側壁の下にある滝は、ぱっと見手掛かりが乏しそうなのと、取り付くのに泳がなくてはならないことを理由に左岸から巻きました。
これを機に最後まで登攀要素が無い遡行に終始していくことになります。

巻き終わると間もなく、遠くの方に川を跨ぐ橋が見えてきます。

新地林道の橋(新生橋)の下はゴルジュ状となっていましたので、ここから本日の目的である納涼水泳大会を始めることにします。
橋の下を泳いで上流のナメを上がると、断続的に淵が登場してきます。

大きな淵の半分ほどは身長を上回る水深で、猛暑日の今日は際をヘツって進むよりも泳いでしまった方が手っ取り早いものと、横を普通に歩いて巻けるものとが明瞭に分かれています。

そして、川が左折するあたりからは、小さなゴルジュ状となりました。

林道側の右岸から大きく巻くのは簡単ですが、せっかくなので中を泳いでいきます。

序盤で右折してからの長い淵で一旦終わりとなりますが...

一呼吸置いたところで、左側の穴蔵のようなところから水が吐き出されているところが出てきました。

入口の先のプールの奥に何かありそうですが、水流が早くて押し戻されてしまい、入ることができません。

右岸に踏み跡のようなものがついているので登って行くと、淵が見下ろせて、奥にはとても登れない滝が懸かっていました。

飛び込んで様子を見てみたい衝動にかられますが、中途半端な場所から落ちると底に激突しそうで、十分深いところを目指すと相当な高さとなるため、ビビッて止めました。

上から拝むだけで先へと進むことにします。

プールの滝の上では渓の傾斜はほとんどなくなり、標高1060mの右岸枝沢出合付近では一旦平凡な川原が続きますが...

地形図で林道との落差が30mほどに広がる区間では再び長い淵が登場し、3番目の水泳区間となり、

最後は堰堤となります。


この堰堤は林道から巻くのが簡単で、林道との落差を解消した後は、堰堤上の平坦な堆積上を進み、

右カーブの先で右岸から支流の高場沢が滝で合流してきます。
滝の上に架かるのは高場沢の堰堤横にある石楠花橋。

そして、出合には不思議な穴が開いていました。

穴の横の淵を越えて少し行くと、三番目の滝が登場します。

ここは少し戻って林道に上り巻きます。
これで全ての滝の巻きが決定しました。
納涼水泳会の場合は、ここか、一つ下の堰堤で終了しても良いと思います。

その先はどうなっているかというと、

林道の石垣を横目に見ながら行くと、二番目の堰堤が登場。
左岸から巻くのが簡単なので堰堤上に登ると、左岸側にも林道の跡が続いていました。
かつてはこの堰堤の上が林道の渡渉点だったと思われ、右岸の栗原林道から下ってくる明瞭な道が残っており、その先には林業作業の跡地を思われる平地が続きます。
この平地がある区間の川は平凡なチャラ瀬となり、遡行意欲を急速に削いで来ますが、平坦地が無くなった頃に一転してナメとなりました。

ただ、この幅広ナメは、右岸の林道側から落ちてくる瓦礫が一旦埋めてしまいます。

しかし、意地汚く遡行を続けていると再度復活。

一旦巨岩に覆われるものの、その後は見渡す限り続いて行き、最後は堰堤でおしまいとなります。

堰堤の左岸すぐには栗原林道とは別の林道跡が奥へと続いており、少しの間歩いてみましたがすぐに崩落してしまい、一方で渓相は平凡なままなので、今日はこれまでとしました。

オオハンゴンソウが満開の栗原林道を小一時間戻って帰着。

●本日の反省…この川の更に奥は?
 今回倉見川を遡行するにあたり、WEBで検索してみたところ、唯一「山登魂山岳会」が2012年に遡行した記録だけが引っかかったが、そのサイトに掲載されている光景に全く出会わなかった。
 それもそのはず、山登魂は本日の遡行の2倍以上の距離を遡って、何と袈裟丸山まで到達しており、今日の自分は彼らが遡行開始したであろう砂防ダムまですらたどり着かずに途中で帰ってきたみたいだ。
 林道から奥の未開地にしか興味が無いエキスパートと、すぐ横に林道があっていつでも逃げれるのが行く理由である自分との落差をあらためて感じた。

●2025年8月18日(月)
栗原林道ゲート(9:50)→入渓・F1(10:15)
→新地林道ゴルジュ(10:20)
→ミニゴルジュ入口(10:45)→F2(11:10)
→第1堰堤(11:35)→高場沢出合(11:50)
→F3(12:00)→第2堰堤(12:20)
→第3堰堤(12:35)→脱渓(12:45)
→林道歩き→栗原林道ゲート(13:40)


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