前日に引き続き、行動制限のないゴールデンウイークの京都見物の三日目です。
最終日の今日は、タイトルに立ち返り、庭を中心に見て行くということで、東山の名園を多く持つ南禅寺へ行きます。
地下鉄東西線の蹴上(けあげ)駅を出て右側に下って行くと、すぐにレンガ造りのトンネルが出てきます。(何故かは知りませんが、トンネルの名前は「ねじれまんぽ」)
方丈の前に広がるのは、狩野探幽や快慶、長谷川等伯画伯などの数ある名作や重要文化財の茶室「八窓席」にも勝る国の特別名勝、「鶴亀の庭」です。
伝ではなく正真正銘の小堀遠州作の名庭。
いちいち能書きを垂れるのは野暮な空間ですので、方丈の縁側に腰掛けたり、板間に上がったりして、無観客の時間をゆっくりと過ごします。
いやー、これは驚きでした。
受付のおじちゃんを含む職員3名と観客2名に数十秒間会った以外は、誰もいませんでしたので、思わず長居をしてしまいました。
アーチの下には和服姿のカップル(稀に女性同士も)が思い思いにスマホ撮影に余念がありません。
この先は、本日の目的である南禅寺の方丈周辺の庭園を見物することにします。
ここまでは無料ゾーンで誰でもやってくることができました。
入場料を支払い、法堂奥にある本坊から廊下伝いに国宝の方丈へと向かいます。
先ずは建物の東側に広がる、伝小堀遠州作といわれる方丈庭園。
数名の観客が玉砂利を見ながらのんびり座って時を過ごしています。
奥のコーナーを右折した南側にあるのが、小方丈庭園で、ここからは人通りがぱったりと途切れて無人の空間が広がります。
さらに先へと進むと、方丈庭園から見て建物の裏側となる場所には、六道庭が広がります。
これは方丈に接する部分。
そこから西側へとクランク状に廊下が伸びており、不識庵や麝心亭などの茶室が立っています。
規模が大きく、多彩さが際立っており、見飽きることがありません。
六道庭は、このキャラクターが鎮座する回廊の屈曲部を中心に、上を走る廊下でいくつかの小庭園に区切られています。
山門の隣に入口がある天授庵の庭にも行ってみたいと思います。
2つ並んだ門(表門と山門)のうち右側の山門で受付を済ませ、正面の庫裏前を左折して方丈の横を通ると、表門の裏側から広がる枯山水の東庭に到着です。
本日訪れた他の枯山水の庭と比較して面積はかなり小さいですが、滞在者の根の張り具合は最も強固です。
こちらは、方丈の前庭となる東庭と、書院にある南庭という趣の異なる2つの庭で構成されています。
日中の気温が上昇したこの日は、北向きの庭が日陰となり過ごしやすいためか、大勢ではないものの十名ほどの人々が縁側でのんびりしていました。
さて、蹴上駅への道を引き返して帰路につきますが、先ほどくぐったトンネル「ねじれまんぽ」の前に「インクライン」の標識があったので、その方向に向けて登ってみたところ、ねじれまんぽの上は、ケーブルカーのようなレールの跡地でした。
ここでも南禅寺のアーチ橋の下に居たような和服姿のカップル(稀に女性同士)がたむろしてスマホの撮影に余念がありません。
遊覧船の止まっていた橋から15分ほど登って行くと、平安遷都以前からこの地に鎮座する「日向大神宮」が立っていました。