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2025年3月3日月曜日

小布施まちなか 閑散期ウォーク

長野市郊外に位置する小布施町は、20世紀末の上信越道全通以降、近隣を代表する観光地となりましたが、地元では昔から小布施といえば栗。

長野県北部の企業の手土産は、必ず竹風堂か小布施堂、甘精堂のお菓子詰め合わせで、自分も長野県の企業とのお付き合いを通じて小布施の栗を知りました。
栗の収穫期となる9~11月は大変な賑わいとなり、江戸時代のままの狭い街で身動きがとれなくなりますが、シーズンオフはどんな感じなのでしょうか?

管理人もおらず閑散としている、町の中心部にほど近い町営「森の駐車場」にクルマを停めて大日通りを山の方へと歩くと、北信五岳のうち4山を望む畑の道となりました。

浄光寺の石段の上に立つ茅葺の薬師堂は、室町時代に建てられた国の重要文化財ですが、この日は檀家の人々が集まってお掃除をしていました。

浄光寺から田舎道を10分ほど歩くと、岩松院があります。

ここは本堂の天井に描かれた葛飾北斎の絵で有名なところで、¥500を払って拝観します。

天井絵は撮影禁止なので、代わりにパンフレットで。

庭の撮影は制限ありませんでした。

町の中心部に引き返して、おぶせミュージアム・中島千波館へ。
ここも中は撮影禁止なので外観だけ。
同町出身の日本画家、中島千波氏の作品を中心に展示されていますが、代表作の桜の絵以外にも金屏風絵を中心とする多彩な作品が、画材調整や製作過程・筆使いなどが想像できるくらい至近距離で鑑賞でき、迫力が体感できる素晴らしいところでした。

敷地内には祭りの曳屋台を保管する倉庫もあります。
ここは撮影禁止とは書いてなかった気がするので...
屋台はここの5基以外に、ご近所の北斎館にも2基常設展示されており、そちらは超絶技巧の工芸品ですが、撮影禁止。

ミュージアムから町の中心部へは、車道の間を繋ぐ小道が各所にめぐらされています。
タイムスリップしたような感覚に引き込まれる小路の周囲の建物は、全て小奇麗にリフォームされており、中を彷徨っているうちに北斎館の前にたどり着くように町がつくられていました。
インスタ映えという言葉が存在すらしなかった昔から、いったいどうやってこの街並みを作り続けてくることができたのでしょうか。

●閑散期
 人が写っている画像が3枚、6人だけだった。
 一人は上の画像左端の観光客。3名は薬師堂をお掃除する人々。残る二人は子供ですが、どこに?


●2025年3月1日(土)
・市街中心部と浄光寺、岩松院を周回するコースの所要時間は、歩行おおよそ一時間弱+各施設の見学時間です。
 ただし、浄光寺には参拝者用駐車場、岩松院には市営駐車場が整備されており、わざわざ歩いて巡る必要はありません。
・1月~3月の冬季閑散期は多くの町営駐車場が営業を休止しています。
 森の駐車場は係員が不在ですが、解放されており(無料)、トイレも使用できました。
 大日通りをさらに東へ行った松村駐車場は完全閉鎖。
・町内の美術館3つ(北斎館(¥1,000)、おぶせミュージアム中島千波館(¥500)、高井鴻山記念館(¥300))全てに入場できる「三館共通入場券」(使用期限なし)が¥1,300で販売されています。
 これら3館は、飲食店や土産物店が集中する町の中心部に、互いに徒歩5分ほどの距離にあり、北斎館から千波館へ行く途中に鴻山館があります。


2025年2月15日土曜日

自転車で巡る 秩父札所34観音霊場 (ハイキング&ポタリング)

 二月に入って2度目の強烈な寒波が到来した日は、里と街中で安全にウォーキングにします。

秩父の観音霊場を札所23番を除いた3番から27番の24か所回った記録です。
御朱印は取得せずに単に参拝しただけで、スタンプラリーにもなってませんね。

降り立った西武秩父線の横瀬駅から秩父のシンボル武甲山を見上げると、西からの強風で巻き上げられた砂塵が火山の噴火の如く舞い上がっています。


駅から線路沿いの道路を東京方面へと歩いて行くと、ところどころの辻に秩父札所の番号を示す道標が現れ始め、「8番」を目指して歩いて行くと、武甲山御嶽神社里宮の脇にある白谷沢の井戸のそのまたすぐ先に西善寺がありました。

札所8番 清泰山 西善寺
臨済宗南禅寺派・十一面観世音菩薩

引き続き道標に従って国道299号線をくぐり、日向山の裾にある6番札所へ。
札所6番 向陽山 卜雲寺
曹洞宗・聖観世音菩薩

秩父市街に向かって歩くとすぐの、国道脇のセブンの上に7番札所。
札所7番 青苔山 法長寺
曹洞宗・十一面観世音菩薩
今日訪れた24寺の中でも最大級の本堂です。

出発した横瀬駅にほどちかい9番。
札所9番 明星山 明智寺
臨済宗南禅寺派・如意輪観世音菩薩

さらに市街地へと向かうと、国道が交差するショッピングモールが目と鼻の先となってきます。
札所11番 南石山 常楽寺
曹洞宗・十一面観世音菩薩
ここから国道を渡り旧市街の熊木町に入ると、「ちちぶ銘仙館」という、かつてこの地を代表する産業だった絹織物の資料館があります。

銘仙館の建物は国指定有形文化財3棟を主に構成されており、¥210で絹織物の工程が学べたり体験できたりします。
旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場本館(昭和5年)
同工場棟(昭和9年)
同倉庫(昭和5年)

ここまで札所を5つ回るのに、寄り道を含めて2時間近くを要してしまいました。

少しペースを上げるべく、銘仙館の近くにある西武秩父駅で自転車を借りることにします。
駅前のバスロータリーにある秩父観光情報館では予約なし(というか予約は受け付けてくれないみたいです)で自転車を貸してくれます。

それでは、電動チャリを借りて出発。
札所12番 佛道山 野坂寺
臨済宗南禅寺派・聖観世音菩薩
西武線がUターンする場所にある野坂寺の次の慈眼寺からは市街地に入ります。

札所13番 旗下山 慈眼寺
曹洞宗・聖観世音菩薩

札所14番 長岳山 今宮坊
臨済宗南禅寺派・聖観世音菩薩
今宮坊から次の少林寺へと向かう途中で、番場通りを横切る周辺には古い建物が散らばっています。

中央;カフェ・パリー(国指定;昭和2年)
左; 安田屋(国指定;昭和5年頃)

旧大月旅館別館(国指定;大正15年)

小池煙草店(国指定;昭和初期)

秩父鉄道と並行に走る番場通りには、駅舎も含めて国指定の文化財が並びます。
秩父鉄道御花畑駅(国指定;大正6年)

宮前家住宅表門(奥に主屋)(国指定;昭和5年)

薗田家住宅表門(国指定;天保年間)(奥に明治末期の住宅主屋)

番場通りの途中にある参道の入口から入ると、線路の向こう側に15番。
札所15番 母巣山 少林寺
臨済宗建長寺派・十一面観世音菩薩

そして番場通りは神社に突き当たります。
秩父神社社殿(県指定;1967(昭和47)年解体修理)

秩父神社は昭和になってから文化財としてではなく宗教的な都合で改築されたため、築年不詳みたいですが、日光東照宮の先駆けとなったと言われる彫物が近年の修復で鮮やかによみがえっていました。

子宝子育ての虎

つなぎの龍

北辰の梟

お元気三猿

神社南の番場通り西側を並走する黒門通りにも古い建物が並んでいます。

秩父銘仙出張所二・三(国指定;昭和前期)

秩父銘仙出張所一(国指定;昭和前期)

近藤歯科医院(国指定;昭和2年)

こちらはそのまた一本西側の県道73号線の広い通り
左;旧新井商店(国指定) 居宅兼店舗(明治初年)・商品倉庫(明治中期)
右;旧柿原商店店舗及び主屋(国指定;昭和5年)

本町交差点のジョナサン向かい側。
旧柿原商店石塀、土蔵群(国指定;昭和5年)

路地を下った道生町一帯は古いボロボロの建物が密集していました。

本町交差点から国道299号線となる道沿いには古いのか新しいのか微妙な建物が並びます。

その中でひときわ由緒あるのがこのお店。
武甲酒造柳田総本店店舗(国指定;江戸時代後期)

国道に面していない裏側も立派なつくりで、16番は裏手を下って行ったところにあります。

札所16番 無量山 西光寺
真言宗豊山派・千手面観世音菩薩

銅鐘が県指定有形文化財となっている17番。
札所17番 実正山 定林寺
曹洞宗・十一面観世音菩薩

国道140号線を熊谷方面に向かったところにある18番。
札所18番 白道山 神門寺
曹洞宗・聖観世音菩薩
普通はここからは次の19番へと進み、荒川を渡って行くところですが、横瀬町側にもまだ行っていないところがあるので、丘を越え、聖地公園墓地を横切り、横瀬川沿いの4か所に寄ってみます。

何故か墓地の脇に移築されている秩父駅。
旧秩父駅舎(国指定;大正3年/昭和59年移築)

旧駅舎から急坂を下って、
10番 萬松山 大慈寺
曹洞宗・聖観世音菩薩

あとは県道11号(熊谷小川秩父)線に沿って制覇をもくろみますが、葬儀屋の表示に惑わされて語歌堂の場所が少しわかりにくかったです。
横瀬川を渡ってすぐを右折するのですが、自動車学校の方へ行くと間違いで、右折してすぐ左。
札所5番 小川山 語歌堂
臨済宗南禅寺派・准胝観世音菩薩

金昌寺は主要道路から少し離れているのでわかりにくいですが、近くに行くと巨大仁王門が見えてきてすぐにわかります。
札所4番 高谷山 金昌寺
曹洞宗・十一面観世音菩薩

ここは他の札所と異なり千三百体石仏と言われるおびただしい数の石仏が林立しており、一種異様な雰囲気です。

石仏の中を登って行った先の観音堂に、ご本尊の十一面観音よりも有名な子育て観音(慈母観音)がおられます。
お堂の中ではなく、風雨に当たる軒下の手を伸ばせば触れられるところにさりげなく置いてあることに驚きます。

県道に出たところにある織物工場跡から常泉寺に行こうとしますが、新木鉱泉の看板に幻惑されて迷走します。
旧強谷織物工場(国指定;昭和3年竣工/昭和中期改修)

ここに到着するには強谷織物工場から新木鉱泉側ではなく一本秩父側の道で横瀬川を渡ります。(金昌寺を出て左側に道なりに行き、突き当りを右です。)
札所3番 岩本山 常泉寺
曹洞宗・聖観世音菩薩

入口の本堂と左上の観音堂との間に巨大な岩盤が露出しており、何となく特別な場所な感じがします。

横瀬側はこれくらいにして秩父市に戻り、大野原駅の横を過ぎて19番へ。
龍石寺は寺よりも大きな岩盤の上に直接建っていました。
札所19番 飛渕山 龍石寺
曹洞宗千手観世音菩薩
ここから25番の久昌寺までは、次の番号の札所への行き方の概略図がわかりやすく掲示されており、迷うことなく巡って行けます。

橋上が公園化された旧秩父橋を渡り、本日最大の難所となる国道299号線の坂を登って行きます。

札所20番 法王山 岩之上堂
臨済宗南禅寺派・聖観世音菩薩(市指定有形文化財)

しばらくは県道72号(秩父荒川)線をひたすら進んでいきます。
但し、今回パスした23番音楽寺は、高い丘の上にあるので、そうはいきません。
札所21番 要光山 観音寺
真言宗豊山派・聖観世音菩薩

札所22番 華台山 童子堂
真言宗豊山派・聖観世音菩薩
ここから音楽寺へ行こうとミューズパークへの道を登り始めたのですが、たちまちギブアップ。
県道72号は岩之上堂への登りを清算すべく緩やかな下りが続き、自転車は快適に加速しますが、次の法泉寺は吐き出した貯金の分を埋め合わせる階段の上にありました。
階段を登って到着したお寺の前は良い眺め...
札所24番 光智山 法泉寺
臨済宗南禅寺派・聖観世音菩薩

荒川左岸の札所はここでおしまいとなります。
札所25番 岩谷山 久昌寺
曹洞宗・聖観世音菩薩
久那橋を渡って対岸へ。

国道140号線で影森駅に近付くと、丘の上に巨大な観音像らしき建造物が見え始め...
その像を目指して丘の麓に到着。
札所27番 竜河山 大渕寺
曹洞宗・聖観世音菩薩

観音様は月影堂という名前の建物にいらっしゃるそうです。
もしやあの丘の上まで登るのかとの心配はちょっと余計でした。

しかし、次の円融寺ではその逆のことが起きます。
札所26番 万松山 円融寺
臨済宗建長寺派・聖観世音菩薩
市指定有形文化財の勝軍地蔵菩薩立像を有する大規模なお寺ですが、本堂は既に閉まっており、なんだかひっそりとしています。
お賽銭を入れる場所もなく、ちょっと気が抜けた感じで帰路につきましたが、実は観音様はここには居られないことを帰ってから知りました。
26番札所の観音堂は本堂から1.2㎞離れた奥の院・岩井堂で、昭和電工の敷地を通り、長い階段を登って30分くらいかかるとのことです。
そういえば、ハイキングで割と有名な琴平丘陵は、ここから出発して岩井堂を通るって聞いたことがあったっけ。

そうとも知らずに充実感に浸って駅に戻り、レンタサイクルを返却して家路につきました。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●本日の反省
①参拝心得違反
 秩父札所のウェブサイト「参拝心得」https://chichibufudasho.com/about-etiquette/ には、「【参拝心得】基本のキ」 として、「納経所で御朱印を受ける」とあるが、全ての札所で違反した。
 代りと言っては何だが、お賽銭は百円玉を大量に準備しておいて二枚づつ投入していったが、円融寺と大渕寺は賽銭箱を探しても見当たらず、申し訳ないが純粋なフリーライドとなった。
 訪問した全てのお寺は、何らかの形で担当者が常駐しており、日中は御朱印に対応できるようにしてあるので、秩父ならではのこのサービスを維持するためにもなるべく御朱印はいただきたいところだが、それをしていると恐らく一日に10軒も訪問できないのではないだろうか。
 それに、御朱印帳は家に置いておくと嵩張って邪魔だし、安易にゴミとするのもためらわれる。
 誰か、ヤマスタみたいにGPSで参拝に来たことを確かめて、観音堂に貼ってあるQRコードで御朱印代を支払う電子御朱印アプリをつくってくれないだろうか? 
 え?そうしたら納経所で働く職員の方の仕事がなくなる? 大丈夫。スマホを使えない老人はまだ三千万人くらい日本に住んでいるので。 だったらアプリなんていらないか...

②遠い音楽寺、岩井堂。もっと遠い真福寺、観音院、法性寺...
 札所が集中している市街地を狙ったが、それでも体力的に見送らなくてはならない札所があった。
 今日行けなかった残り10ヵ所は、行くだけでも最低今日の2倍くらいの時間と労力を要するに違いない。
 うぅ~ん。どうしよう...
 とりあえず琴平丘陵ハイキングくらいからはじめようか。

●2025年2月13日(木)
横瀬駅(8:25)→御岳神社里宮(8:53)
→西善寺(札所8番;8:58)→卜雲寺(札所6番;9:23)
→法長寺(札所7番;9:33)→明智寺(札所9番;9:46)
→常楽寺(札所11番;10:10)→ちちぶ銘仙館(10:22~10:40)
→西武秩父駅(10:45~10:55)→野坂寺(札所12番;11:00)
→慈眼寺(札所13番;11:20)→今宮坊(札所14番;11:35)
→御花畑駅(11:45)→番町通り→少林寺(札所15番;12:10)
→秩父神社(12:15)→黒門通り(12:20)→本町通り(~12:48)
→西光寺(札所16番;12:55)→定林寺(札所17番;13:05)
→神門寺(札所18番;13:17)→聖地公園墓地(13:31)
→大慈寺(札所10番;13:40)→語歌堂(札所5番;13:55)
→金昌寺(札所4番;14:05)→常泉寺(札所3番;14:30)
→龍石寺(札所19番;14:50)→岩之上堂(札所20番;15:00)
→観音寺(札所21番;15:08)→童子堂(札所22番;15:15)
→法泉寺(札所24番;15:35)→久昌寺(札所25番;15:52)
→大渕寺(札所27番:16:07)→円融寺(札所26番;16:17)
→西武秩父駅(秩父観光情報館;16:50)


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