奥多摩駅から日原方面へと向かい、川苔山登山口の「川乗橋」バス停を過ぎてだいぶ行った先にある「倉沢橋」バス停は、倉沢谷林道への入り口となっています。
バス停脇の林道にある数台分の駐車スペースにクルマを停めて出発です。
先ずは倉沢谷林道を歩きますが、歩き始めて5分と経たないうちに、下を流れる倉沢谷から人の歓声が聞こえてきます。
見下ろすと最初の滝を下ってくるキャニオニングと思われる人々が見えました。
これは、入渓点に気付かず通り越してしまったみたいです。
慌てて林道を引き返し、切通しの脇にあるここの斜面を下ります。
しっかりと踏み固められている沢への踏み跡を下って入渓です。
遡行を開始すると100m足らずですぐに釜を持った最初の滝となります。
キャニオニングの様に釜を泳いで通過したいところですが、流れが速そうなのと、この先に泳ぐところがたくさん出てくるので左岸の立派な巻き径からパスすることとします。
巻く途中には、キャニオニングに好都合と思われる平坦に整地されたところもあります。
上流にも小さな函状の流れと小滝がありますが、こちらも続けてパスします。
小滝の横を通過すると、並走する林道がぐっと近づいて、流れも平坦となります。
キャニオニングの人たちは恐らくこの辺りから入渓してくるのではないでしょうか。
時折小さな釜状の淀みがありますが、騒がしさの余韻が残るためか竿を出しても反応はありません。
そうこうするうちに、練習用の樋に到着しました。
ここは流れの右側から取りついて突っ張り気味に越えます。
ウォーミングアップにちょうど良いところなのですが、今日は水量が多めなためか、ちょっと手こずりました。
キャニオニングの場所からはそれなりに離れたつもりなのですが、相変わらず無反応です。
右岸から小さな八幡沢が入ると、すぐに奥が小滝のトロ場になります。
ここは流れに逆らい泳いで突入することもできますが、それほど暑くない今日は左岸のシュリンゲを使用してへつっていくこととします。
倒木をくぐる先で一旦水線まで下り、
小滝の右横を登ります。
ここにもシュリンゲが完備しています。
通過してきたトロ場を振り返ります。
小滝の上の小さな釜はどちらからでも通過できます。
左岸からこの小沢が入ると、
すぐに反対側の右岸からは、林道の橋の下から鳴瀬沢が入り、本流の倉沢谷は右へと曲がります。
鳴瀬沢の出合を過ぎたあたりから、大きな魚影を見かけるようになりました。
出合からすぐに大岩が登場します。
ここから先は、深い釜や小滝が続く本谷のフィナーレとなります。
先ずは最初の釜です。
猛暑の日であれば流芯を力任せに上っていきたいところですが、寒いので左側の岩から這い上って越えます。
越えると、すぐ上にも釜が続きます。
ここは以前は泳がなくては取りつけませんでしたが、右側は腰くらいの深さしかありませんでした。
なので、水中から這い上がる苦労もなく、あっさり通過です。
続いては、釜の向こうにある3mです。
ここも昔は滝まで泳いで行かなくてはならなかったのですが、釜が土砂で埋まっており、労せずして取り付けてしまいました。
右下の三角形のところの水面にある安定したスタンスに立ち、一歩をフリクションで登ると、落ち口のガバホールドに手が届いて、マントルで登ることができます。
元気がある方は、左の流芯をチムニー登り気味に行くのも可です。
登って見下ろす釜は埋まってしまっており、納涼企画には不向きですが、初心者としてはむしろ歓迎?です。
さらに少し行くと....
樋状の2mが見えてきました。
ここは流れに突入し、右側から取りついたら突っ張り気味に越えたいところですが、何と足が底に届かず、流れに押し戻されてしまいます。
2回トライしてもダメだったので、あっさりあきらめて左岸を巻きました。
巻きは簡単です。
でも、下の釜はみんな埋まってしまったのに、なんでここだけ深くなったのでしょう。
水量が多いので難しく感じるのでしょうか。
それとも実力が低下した?
すぐ上の大岩は左から巻く人が多いそうですが、
右の流れの右沿いに通過することができます。
大岩を超えると、最後の連瀑帯となります。
これは、水量豊富で越えられなさそう?
左岸から近寄ってみると....
ヒョングっていて流れに勢いはありますが、右側にホールドがありそうです。
流れを目の前に見るので圧迫感がありますが、何とか這い上ることができます。
むしろ傾斜が緩くなり始めるところがスリッピーで注意ですが、そこを過ぎれば落ち口までは簡単でした。
落ち口のすぐ先は3つ続く小滝が見えます。
最初は緩傾斜の二条滝です。
どこでも登れますが、今回は真ん中を。
続いての釜は、右岸をへつって滝まで行けますが、泳いで取りつくことにします。
水流の左脇を登りますが、困難なところはありません。
埋まってしまった釜が増えた今となっては貴重な深い釜です。
最後はこれです。
近寄ってみると、水中にホールドはありそうですが、激しい水流で窒息しそうに思えます。
なので、右から簡単に巻きます。
続いた滝もこれで終わりとなりました。
最後の滝を巻いたところには石積の堰堤があり、
2つの穴から本流が流れ出してきます。
以前はこの穴をくぐって魚留橋まで遡行して終了としていたのですが、ここも結構埋まってしまい、通路が細くなってしまっています。
なので、ここで遡行を終了し、すぐ上を走る林道にここから登って帰ることとします。
沢のすぐ横を並走する林道からは、遡上してきた沢が良く見下ろせます。
沢を見物しながらあっという間に倉沢橋の駐車スペースまで戻りました。
●本日の反省
梅雨明けの涼を求めて行ったのですが、いまひとつでした。
まだ暑さ本番とまでは行かず、肌寒い天候だったこともありますが、期待していた上流部で昔と比べて埋まってしまった釜が増え、結果的に下流部で泳ぎを回避してしまったことが悔やまれました。
とは言っても、まだまだその気になれば泳げる場所が多く、ルートを選びさえすれば通過が困難なところもない(実際釣竿を持ちながら遡行できた)ため、夏のレジャーとしては十分に楽しむことができました。
また、水量が豊富な割にはコンパクトで溺れる危険も少ない(たぶん)と感じられ、初心者にも楽しめる良いところです。
着替えてクルマを運転しはじめると、天候が一転して雷雨となりました。
来週から8月ですが、夏空はいつからやってくるのでしょうか。
●2019年7月25日(木)
倉沢谷林道入口(駐車スペース:10:40)→倉沢谷本谷遡行
→堰堤(脱渓:14:00)→林道→倉沢谷林道入口(14:50)