2024年11月24日日曜日

自家用車で登る百名山 ~その40~ 丹沢山(沢登り;キュウハ沢)

 ゴールデンウイーク以来半年以上経過した百名山企画です。

8年以上やっていてもまだ半分も登っていないので、もうそろそろやめたら...
という気がしないわけでもありません(というか、かなり前からそう思っています)が、そこに百名山がある限り挑戦... ?

まあ、とりあえず地元の山で。

ここは県道70号(秦野清川)線にある塩水橋です。
1kmほど下流で中津川が本谷川と名前を変える場所に架かる橋周辺は交通の便が悪く、路肩の駐車スペースも限られていて、平日のこの日でも交差/旋回に必要な駐車禁止の場所以外はほぼ満車の状態ですが、一応丹沢山への最短・最速登山口です。

県道から分岐する林道のゲート脇を通り、400mほどで瀬戸橋で川を渡る塩水林道を右手に見送って本谷川沿いの本谷林道を行くと、20分少々で登山道が分岐する天王寺橋を通過し、さらに20分ちょっとでモノラックの起点がある先にあるキュウハ沢に架かる橋に到着します。
林道から見える堰堤は右岸の踏み跡で巻き、土砂に埋もれた2つ目の堰堤の先で、本日最大の難所である3つ目の堰堤に到着します。

左岸側に立派なハシゴが設置されており、登ること自体は特に難所ではありませんが、11月下旬のこの時期は、そのハシゴの下まで行くのに腰まで水に浸からなくてはなりません。
下半身を濡らしたくないのでハシゴ手前の岩壁をヘツりますが、この岩壁が曲者(傾斜が緩いもののヌメッた逆層気味)で、さっそく滑落。
堰堤の釜に落下して、腰までどころか首から下がずぶ濡れとなりました。
まだ入渓すらしていないんですけれども...トホホ

ここまで濡れてしまったら何をやっても同じなので、ざぶざぶ腰まで浸かってハシゴに取り付きました。

残る2つの堰堤も同様に左岸側のハシゴで越えますが、水に浸かる必要はありません。
本当は最後の堰堤付近にこの沢の名物である古い軍用機のエンジンが落ちているはずですが、全く気付かないままゴルジュの入口に到着しました。

入口の滝を左壁から登ると、

奥には深い釜を持った次の滝が見えます。
この滝は釜の向こう側まで行って奥側から登るのが一般的ですが、それをやるとどのくらい濡れるのだろう?

最初の滝の落口右岸側の壁を登ると巻けないこともなさそうですが、ちょっとスメアっぽいムーブが必要そうです。

巻き(転落)と直登(低体温)のリスクを天秤にかけて、釜を横断して直登することにしました。
どうせ全身濡れてるしね。

釜に入ってみると、見た目ほど深くなく、股くらいまでが濡れる程度で、奥の左岸側から簡単に登ることができました。

滝の上は2m前後のナメと小滝の中間くらいの滝が3つ連続して続きます。

そのすぐ上にある釜を持った4mほどの小滝は右から簡単に巻けます。
画像では奥が白く飛んでしまい良く見えませんが、

日差しが当たるところまで進むと、小滝が連続しているのがわかります。

最後は3mと5mの二段の滝となります。
一番奥に落口の部分だけ見えているのが12m大滝ですね。

ただ、最後の5m滝はほぼ登れないので、下の釜か、手前の3m滝の下から右岸を巻くことになります。

巻いた滝を見下ろすくらい登ると、すぐ先で右岸から四町四反ノ沢が出合い、本流の奥には大滝が見下ろせます。
せっかくなので大滝を見物していきます。

この沢を訪れるほとんどの人は左壁の窪みから登る様ですが、単独で来た初級者は迷わず巻いて行きます。

巻きは右岸からで、四町四反ノ沢との中間尾根についている踏み跡を登ります。
↓大滝の落口を眼下に見下ろすところから懸垂下降するか、もっと登って行って歩いて沢に戻るかの二択だそうですが、前者の懸垂下降をしてみます。
どうせこのあとすぐ懸垂下降する場所があるので...

沢に降りて降りた壁を振り返ります。
↓画像中央上端にある3本の太い木のどれかが支点となります。

大滝の上は、小さな滝が連続する渓流となり、

少し先に行くと、奥に10m弱の滝が見えてきました。

大滝をF1とすると、F2に相当する3m+7mの二段滝です。

二段目は滝修行となりますね。
シャワーを浴びたくない場合は、一段目の落口にむけて落ちてきている左岸のリッジを登るか、手前の左岸枝沢との中間尾根の踏み跡から巻くことになります。

もちろん枝沢との中間尾根の踏み跡から巻きました。
沢が見下ろせるところまで巻いて、懸垂下降で二段滝直上にある2m小滝の上に降り立ちます。
F2を登った場合は、泡立つ↑この滝も越えないといけませんね。

巻き終わったすぐ上にも二段の滝が見えました。

F3に相当するこの滝の最上段は、右壁を登ってトラバース気味にと書いてあるトポもありますが、かつてはそれなりのホールドがありブッシュも多かったその壁はツルツルになってしまったみたいです。

なので、一段下の小滝まで戻り、左岸の緩い土の斜面から小さく巻くことにしました。

登れなかった滝のすぐ上にある浅いルンゼから簡単に沢に戻れます。

F3からは30分ほど単調な川原歩きとなります。
最初のうちは小滝もちらほらありますが、

途中からガレ歩きとなり、

標高1010m付近で二俣(乃至は右岸枝沢)となると、岩の川原の奥に滝が見えてきました。

ここは左壁かな?
でも取り付くまでにまた腰まで濡れてしまわないか?

でも大丈夫。
離れてみると転石の左岸枝沢との間に登ってくださいというようなユルい岩のリッジがあるので、滝を見下ろしながら巻いて行きます。

そして、すぐ先には連瀑が見えてきました。
こちらは先に巻いた滝よりも遥かに直登が難儀そうです。

どうせ巻かなければならないのだから、最初から巻き始めて正解?
と、自己肯定しながらどんどん巻いて行きます。

しかし、ゴルジュの出だし以外は全て巻いてしまっているのではないか?それでいいのか?
という葛藤や課題認識は全くありません。何といっても今日の目的は百名山ハント。

全て巻き終わって沢に戻ります。

そして、巻き終わった上には、水が流れる最後の滝が三段続いています。

一番下の段は流れの右側から登りますが、下が大きな岩小屋となっているヘルメットの様な巨岩が精神的に圧をかけてきます。
なので、巨岩の下に入るのを避けて流れの中を上ったら、またも水浸しとなりました。
そんなことしなくとも、右岸から簡単に巻けそうですね。(たぶん)

二段目以降は階段です。

最後の滝を登ると、突き当りに大きなザレが見えます。

ザレの下が通称大ガラン沢出合と呼ばれる二俣で、本流はゴルジュ状となって左折していきますが、出合すぐのところにチョックストーンが立ちふさがります。
左壁から越えるか巻くかだそうですが、その上に続くガレの急斜面を見てすっかり気力が喪失してしまいました。
そうだ、百名山ハントしに来たんだった。

というわけで、登らず巻きもせず。第三の手段である脱渓を選択することにしました。
遡行した沢の左岸の尾根上を通る天王寺尾根の登山道を目指していきます。
先ずは左岸急斜面に取り付くために、正面のガラン沢の最初の左岸枝沢に入り、

取り付きやすそうな場所から右側の尾根を登って行きます。

さよならキュウハ沢(じゃなくてガラン沢)

最初は急登ですが、尾根上に載ると出てくる何者かの踏み跡を辿って行くと、徐々に傾斜が緩くなって30分ほどで天王寺尾根の登山道(堂平分岐のちょっと上あたり)に到着です。
ここから丹沢山まで30分ちょっと。

素晴らしく整備された登山道で、これまた公園の様に整備された丹沢山に到着です。
さすが百名山。
快適な砂利敷のベンチでお昼ご飯休憩する間にも、塔ノ岳や蛭が岳を目指す人がどんどんやってきます。
平日なのにすごいな。

往路を引き返して堂平経由で塩水林道を通ってクルマに戻りました。
今年の紅葉は本当に少ないなぁ。

●本日の反省…この時期だから濡れないルートを選択したはずだったのだが...
何と入渓以前に砂防堰堤の水たまりに落ちて全身ずぶ濡れになってしまった。
11月下旬にしては気温がとても高く大事には至らなかったが、平年並みだったら結構やばかったかも。
いや、平年並みの気温だったら来なかったな。
それに、遡行中のゴルジュで結局下半身までは水に浸かったので、どっちも一緒か。
逆に堰堤を濡れずにクリアしていたら、濡れたくなくてゴルジュを高巻いたときの失敗の方がやばいかも。

というわけで、最後まで遡行せず、滝を登るか/巻くかも何となく中途半端だったキュウハ沢でしたが、ヒルが居ない時期のハイキングだったとして見ると、とても素敵なところでした。
ガチで遡行すると中級者以上でも楽しめると思います。
天王寺尾根のブナも美しい。

●2024年11月22日(金)
塩水橋(7:20)→天王寺尾根入口(7:45)
→キュウハ沢出合(8:10)→キュウハ沢遡行
→ゴルジュ入口(8:45)→四町四反ノ沢出合(9:10)
→大滝(巻き;~9:45)→F2(巻き;9:55~10:15)
→1010m二俣(10:50)→F4・F5(巻き;11:00~11:15)
→大ガラン沢出合(脱渓;11:30)→出合東尾根
→天王寺尾根登山道標高1330m(12:25)
→丹沢山(13:00~13:30)→塩水林道出合(14:35)
→塩水橋(15:40)


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