2024年8月5日月曜日

タル沢ワル沢~井戸沢 (沢登り)

2024年の東京は、7月の猛暑日が11日。下旬からは6日連続となり、体温よりも暑い日もありました。

涼しい高原の水辺に避暑すべく尾瀬の沢へ。

群馬県片品村の尾瀬戸倉とみなかみ町を結ぶ県道63号線(奥利根湯けむり街道)を、津奈木橋(尾瀬の登山口鳩待峠への分岐T字路)を目指して走り、そこから六峠方面へ1km弱のところにある井戸沢橋近くの広い路肩にクルマを停めて出発します。
奥利根と尾瀬を分ける至仏山の稜線の一角にある笠ヶ岳付近を水源とする片品川の支流、笠科川は、源流部に比較的簡単に楽しめる枝沢がいくつかあり、今回遡行するタル沢とその支流のワル沢は代表的な初心者向けの渓流として紹介されています。
また、小規模ながら稜線へのツメと帰路の井戸沢の下降があり、コンパクトながら変化に富んだ山旅が味わえるとされているみたいです。

5時間後に降りてくるクルマを停めた近くの橋を後に、先ずは舗装道路を10分ほど歩いて茶色い欄干の笠根橋(橋名標記はありません)から沢を歩き始めます。
向こう側の上流方向から簡単に沢に降りることができます。

標高1400mとはいえ、9:00を過ぎた強烈な日差しを浴びて既にかなり暑いですが、水辺を歩くとたちまちクールダウンできました。

緑色の澄んだ水が美しい沢を20分ほど歩くと、ほぼ同水量の二俣となったので右のタル沢に入ります。

先ずは二俣からも見えるタル沢最初の魚留めの滝(スダレ状6m)が登場します。
コントラストが激しすぎて両岸が(滝も)写っていませんが、流れの脇を簡単に登ることができます。

その後も小規模なナメや滑滝、釜が断続的に登場して、飽きることなる登って行きます。

傾斜の強い滝もありますが、左横の明瞭な踏み跡で巻いて行けます。

そして二連の小さなゴルジュとなりました。
どちらも右岸(左側)に桟道の様な岩のテラスを歩い通過します。


画像の奥が白く飛んでしまっていますが、最初のゴルジュは緩い小滝で終わります。

ほぼ間髪入れずに2つ目のゴルジュ。
こちらも同様に右岸の桟道状を歩きますが、先ほどよりもアップダウンがあり、ムーブが要るかもしれません。
今日くらい暑いと最初から中をざぶざぶ行っても良いと思います。

ここも小滝で終わります。

最後の小滝は奥の左側の岩を登りますが、右から打ち付ける水流を浴びていくことになります。(水流中に良いスタンスがありました)

出口の滝のすぐ上からは、小さな釜を持ったナメが続いて行きます。

暑い日にキレイな水の中を歩いて行きます。
癒ししかありません。

正面に木が立つ、同水量の二俣が引上悪沢(左俣)出合いです。
右へ。

水量が半減し、少し藪っぽくなりますが、まだまだナメが続きます。

狭くなったところは突っ張りで。
両足で跨げるくらい狭くなったところからは、滝も含めて足だけで突っ張って通過できます。

その上も同じ感じで...

この斜滝は左のブッシュを掴んで越えますが、多くの人に引っ張られて根元がもげそうなのもありました。

引上悪沢出合からあっという間に次の二俣に到着。

3mナメ滝の右沢へ。

既にコルまでの標高差は200mを切っていますが、まだまだ水流が途切れず、小規模なナメが続いて行きます。
(結果的に水はコルの数十メートル下くらいまで流れていました)

傾斜がかなり緩くなり稜線が見えるかと思うくらいのここは水量の多い右へ。

しかし、1670mの同水量の二俣を1700mだと勘違いしてしまいミス。
左沢を選びますが、北東に向かうと思っていた沢はどんどん北向きとなってしまいました。

戻ろうかとも思いましたが、左岸に草付きがでてきたのでここを登って方向修正することにします。

ブッシュに突入し、右手からチョロチョロと聞こえてくる水音を頼りに源頭に戻りましたが、この溝もちょっと左寄りに詰め上げるものでした。

結果、最低鞍部よりも20mくらいムダに高く登ってしまい、かなり北側を遠回りしてブッシュを漕いで稜線を越えることになりました。
ふぅ。

井戸沢の源頭に降りて下降を開始します。

源頭の細流を下って行くとオレンジ色のナメが目立つようになってきました。

1680m付近で左岸から枝沢を合わせると、本格的なナメ沢となっていきます。

が、このオレンジナメ、石鹸を塗っているのかと思うほど良く滑ります。
漫然と一歩を踏み出したとたん、出足払いを食らったようにスッテンころりん。
尻もちをついた上に、そのまま滑り台を尻滑りで釜にドボンで一本取られました。というよりも大撃沈...
以降は流れ際の笹やブッシュを掴みながら慎重に足を運んでいきます。

でも最初に出足払いを食うのがこの滝の上でなくて本当に良かった。
ここを滑り落ちたら一本では済まされませんね。

面倒くさいですが、両岸に豊富に生える笹は5~6本も握れば体重を支えられる強度なので、ガシガシ掴んで手の力で降りていきます。
人や下り方にもよるのでしょうが、1つを除いてすべての滝が笹懸垂で下降できました。
しかしこの沢、登った方が楽じゃないのか?

そして笹懸垂できない唯一の滝がこちらです。

標高1500m左岸枝沢出合のすぐ上にあるスダレ状8m滝は、左岸流れ際を懸垂下降しました。
30mロープでぴったり。
ここを登れないのが下り用となった理由でしょうか。

徐々にナメ比率が少なくなり、川原が目立ってくると、スダレ滝から20分少々で二連の堰堤となります。

泥っぽい左岸から2つを一気に巻くと、目の前の県道の橋に出る明瞭な踏み跡がありました。

●本日の反省;凡ミス続く
1. 詰めを微妙に間違えて無駄なヤブ漕ぎ
 下手くそではあったものの、途中修正できたので、まあ致し方ないルートミスだったが、奥羽山脈稜線部並みの久々に体験する強力な笹漕ぎだった。
 ノーマルなルートであればこれほどではなかったに違いない。

2. 井戸沢は滑るぞ
 下り始めると共にマンガに描いてあるような尻餅で大転倒した。
 そのとき強打した尾骨上部にタンコブみたいのができて、まだ痛い...
 生活に支障はないんだが、なんか痛い。
 まあ、転んだだけなんで痛いくらいですんでるんだけれども...転落につながらないところで本当によかった。

というわけで、後半はいまいちでしたが、高度な技術・体力がなくとも楽しめる、清廉な水が流れる変化に富んだ美しい沢でした。
個人的にはいまいちだった井戸沢も、帰ってきてから画像を見ると、これが首都圏にあったら大賑わいと思えるほどの、ナメと滝が続く美しい沢ではありませんか。


●2024年8月2日(金)
井戸沢橋(8:50)→県道63号線→笠根橋(9:00)
→タル沢遡行→タル沢・スリバナ沢出合(9:17)
→引上悪沢出合(10:07)→ワル沢(1670m)二俣(10:25)
→右沢遡行→1700m最終二俣(10:55)→左沢(間違い)
→詰め→井戸沢入渓(11:40)→1575m出合(12:00)
→1495m左岸枝沢出合(7mスダレ状滝;13:05~13:20)
→井戸沢橋(13:50)




0 件のコメント:

コメントを投稿

New

乗鞍岳 (ハイキング)

 2024年8月の東京は、気温30℃を超える真夏日が29日、35℃以上の猛暑日が19日…ほぼ毎日真夏日、3日のうち2日は猛暑日か。 9月に入った最初の6日間に猛暑日はなかったものの真夏日が5日続くので、避暑に出かけることにしました。 標高3000mなら東京よりも18℃、長野県の松...

Tips