異様に暖かかった2023年11月の三連休が終わり、天候は一気に冬へと向かっていきそうです。
関東が荒天となる寒い日に、温暖な東海地方に思い切ってお出かけしてみました。
ここは静岡県静岡市葵区岩崎にある静岡県の施設、県民の森です。
新東名の新静岡I.C.から県道27号線を井川方面へと一時間以上走った標高1500mほどの稜線付近にあります。
パブリック施設としては珍しい(といっても静岡県ではよくありがちですが)公共交通とは無縁の土地で、乗用車がすれ違えないような県道を延々走って到着しました。
12月並みの寒気が入った影響で、見下ろす井川湖は雲の中です。
今日は雨は降らないものの、一日中雲に覆われたあいにくの天気の中を歩いて行くことになり、風景も墨絵の様なトーンが続きます。
30年ほど前にあった笹原が消えた山頂をさらに北へと下って行くと、木々の隙間から並走している林道勘行峰線のガードレールが見えてきて、その路側に降り立ちました。
ここが牛首という場所でしょうか。
同様の不法構造物は、このあともう一度登場しますが、ちょうどその二つの間、地名で言うと牛首の頭~猪の段分岐の間に、この地域の特徴的な樹林が広がって行きます。
平原とも丘陵ともつかない微妙な地形に、広葉樹の巨木が倒れ、疎らな二次林が広がって行きます。
新緑や散る前の紅葉の時期に、あらためて来てみたくなりました。
樹林が薄くなってくると再び不法鉄塔が出現して、その先に猪の段分岐がありました。
標識の隣にあったこれが「猪の段」なのでしょうか?
猪の段から先は、地形の凹凸が徐々に細かく、樹相が少し若返っていきます。
百畳平から右折し、緩い斜面を下ること約10分で、林道が通行止めとなる百畳峠の駐車場に降り立ちました。
帰路の林道勘行峰線は全面舗装で、ところどころで上り坂となりますが、自転車を降りて押すほどの急坂はなく、途中の湧き水で装備を洗いながら一時間弱でスタート地点に戻りました。
林道の冬季通行止めを間近に控えた、うらぶれた初冬の山散歩でした。
●本日の反省
ちょっと時期が遅すぎたでしょうか。
紅葉が落ち切ってしまい、彩なしのモノトーンの世界となっていました。
いい雰囲気のはずの古い森が何やら怪しげなものが住む気配となったように感じられたのは、青空が全く見られなかった天気の影響でしょうが、この場所で好天を期待するのはかなり難しい注文のように感じます。
自分は2000年頃に静岡県に5年ちょっと住んでいたことがありますが、海岸沿いに2000m級の山々が連なるオクシズ(これ、当時は無かった単語なのですが、いったいいつから使われ始めたのでしょうか?)の稜線から雲が晴れるのは、よほどドライな気候か、降雨から日数が経過した日でした。
この地域は富士山の展望と共に語られることが多いのですが、それはなかなか...
●2023年11月11日(土・独身の日)
県民の森第4駐車場(8:30)→井川峠(8:45)
→笹山(9:30)→牛首峠(10:00)
→牛首の頭(10:25)→猪の段分岐(11:00)
→百畳平(11:30)→山伏(12:00)
→百畳峠駐車場(12:35)-勘行峰林道(自転車)
→県民の森第4駐車場(13:20)
東名高速がメンテナンス工事で渋滞していたので、少し寄り道して時間調整してみました。
静岡市清水区由比阿僧(旧由比町)にある標高707mの浜石岳は、富士山の展望で有名ですが、海岸沿いの最寄り駅から歩くとモロ標高差の大登山となり、クルマで山頂近くの野外センター付近まで登れるものの、迷路のような石垣の道路は狭くてすれ違いもままなりません。
ですが、混在する時間を避ければ、付近に登山者用駐車場がある野外センターを過ぎて、その先の山頂直下までクルマで行くことができます。
歩行3分で登頂すると感動も少ないのかな。