2017年ゴールデンウイーク前半戦終了後の5月1日は関東に嵐が駆け抜けましたが、翌2日の火曜日からは絶好の好天が続きました。
雪解けが進む越後駒ケ岳へ。
国道352号線大湯手前から奥只見シルバーラインを進み、多くのトンネルを抜けた先。
明神トンネルと白岩トンネルの継ぎ目から銀山平に抜け出て、突き当りを右手に進んだ銀山平森林公園手前の石抱橋が登山口です。
枝折峠への道は除雪作業中で、橋を渡ってすぐに通行止めとなる手前に駐車します。
この小屋からスタート。
新潟からやってきた単独のBCスキーヤーと一緒に、だべりながらスタートです。
・・・この方とは以降抜きつ抜かれつ、結局同じ時刻に戻ってくることになりました。
雪解け水が轟々と流れる北又川の左岸を小一時間くらい進みます。
右から合流する支流の白沢のさらに右股の柳沢右岸の尾根に取りつきます。
柳沢沿いの尾根は何本かありますが、行きは一番手前。帰りは手前から2本目の尾根を使いました。
どちらも似たり寄ったり。地形図から想像した通りの尾根です。
尾根を登り始めて振り返ると、遠くに出発した銀山平が見下ろせます。
先ずは道行山(右上の丸い山)を目指します。左上は途中通過する1,064mの凸。
登るにつれて徐々に雲がとれて、背後に荒沢岳が屛風の様に控えます。
今日はこの山を常に左から後ろに見ながら登ることとなります。
道行山から望む越後駒ケ岳。
距離で半分。疲労度で三分の一(往復だと五分の一)といったところでしょうか。
小倉山の南斜面をトラバースすると、駒ケ岳がぐっと近くに迫ってきます。
雪がない時期だと「百草ノ池」があるあたりでしょうか。
バキバキッという音に驚くと、急斜面を土を削りながら雪のブロックが崩れていきます。
荒沢岳くらいの高さまで登ってきました。
これからぐっと斜度が増します。
1,763mで一瞬平坦になって一息。
小屋までもうひと頑張りです。
数本の割れ目にハマらない様、注意しながら越えると、もうひと登りで肩の小屋です。
小屋前では一緒に出発したのとは別の二人組のBCスキーヤーが、一滑り後の休憩中でした。
あちこちの斜面を登り返して滑っているそうです。
雪庇の下以外はどこでも滑れるバックカントリーにとってはパラダイスです。
「あら、ゴム長靴でこんなとこまで登ってきたの? 慣れてるねえ。地元の人?」
いや、横浜からです。 アックスとクランポンはクルマに置いて、ワカンだけ持ってきたんだけど荷物になっただけでした。
「へえ、今朝そんな遠くから来たんだ。 わざわざ来るんだったらスキーすればいいのに。」
そうなんですけど。。。いろいろ事情もあって。
聞けばハイシーズンは毎週滑ってるそうです。
いいな~。スキーほしいな~。
でも、この時期以外は三国峠越えてやってくるの大変なんですから。ホントに。
小屋から頂上までは10分ほどです。
頂稜の雪庇の先には中ノ岳への稜線。
見下ろすと眼下の小屋の背後には延々と雪を纏った山々が広がります。
頂上からは、今まで視界に入らなかった八海山が見下ろせます。
左先に巻機山。更に奥は苗場山周辺の山々でしょうか。
その左手にはお隣の中ノ岳
そのさらに左は燧ヶ岳と至仏山に左右を挟まれた平ヶ岳。
その奥に小さく見えるのは日光白根山でしょうか。
更に左。八海山と逆の方向には登ってきたルートから望んだ山々が見下ろせます。
その左手に霞んで見える日本海。
海岸沿いと思われるところに微かに見える突起は弥彦山?
360°の展望が満喫できたので、帰ることにします。
スキーを持ってないので、急な斜面をケツ滑りを多用して一気に下ります。
大斜面をどんどん滑り降りるのは楽ちんですが、気付くとケツが冷えて感覚がなくなっています。
ズボンの上からではありますが、アイシングしているのと同じで(というか新鮮な氷が滑る速度で絶え間なく供給されているので余計)どんどん冷えていきます。
やばいな、痔になったらどうしよう。。。
道行山まで戻って振り返ると、午後の日差しを反射して山全体の雪面が銀色に輝いています。
(撮影技術の影響で輝いて見えないかもしれませんが、本当は輝いています)
その輝く大斜面をズタズタに切り裂くシュプールとケツ滑りの跡。
来るときは背にして登った荒沢岳を正面に見ながら、眼下の尾根を下って行きますが、ここからは傾斜が緩くなり、得意の?ケツは使えなくなってしまいました。
北又川出合い手前で振り返る中ノ岳。
登山口に戻る少し手前で、一緒にスタートしたスキーヤーの方が追い付いてきました。
聞けば下山に要した時間は自分の半分だったとか。
やっぱりスキーは早くて便利。
ぼくもほしいなー。でも、奮発して買ってもほとんど使わなくて/置き場所がなくて邪魔者扱いにされて困るんだろなー
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登山口への雪面を行くスキーヤー |
帰ってきた石抱橋の上から登ってきた駒ケ岳を望みます。
●本日の反省
単なる百名山ハントにスキーなんか不要さ。
頂上行って帰ってくるだけなんだから。
一回登れればそれでいいんだから。。。
楽しくスキーしてるのを見ちゃったから、ちょっとうらやましく感じただけさ。
越後三山から奥利根にかけての山々は、この時期スロープが無限に広がっていました。
駒ケ岳山頂付近ばかりでなく、工夫次第で尾根伝いに相当の距離をスキーで移動できそうです。
また、登り返しを厭わなければ、山麓近くまでかなりの長距離ルートも、ちょっと目で追っただけでも相当数散見されました。
いつか許されるなら、この時期の無限にも思える雪稜を旅してみたい。たぶんもう無理だけど。
仕方がないから、スキーで登れない(滑れない/魅力的でない)ところを探すことにしよう。
2017年5月2日(火)
石抱橋(7:30)→道行新道入口(8:10)→道行山(9:30)
→駒ノ小屋(11:45-12:10)→越後駒ケ岳山頂(12:20)
(往路引き返し)→駒ノ小屋(12:30)→道行山(14:00)
→石抱橋(15:30)
小出駅近くの魚野川の橋の上から眺める越後三山。
自分にとっては非日常の雪山も、町の人にとっては通勤、通学、買い物の道で毎日見る日常の風景。