2024年10月7日月曜日

足利市まちなか 歴史的建造物ウォーク

10月になっても残暑とそれに伴うゲリラ豪雨が収まらない2024年は、安全な街中散歩にお出かけすることにします。

先ずは北関東の古都? 足利へ。



東武伊勢崎線の足利市駅は、川崎市の武蔵小杉から各駅停車を利用すると3時間近く、熱海の倍くらいの時間を要しますが、電車賃はほぼ半額の片道¥1,400くらいでした。

北口を出てすぐ前を流れる渡良瀬川を、何故か自動車通行止めとなっている中橋で渡ります。

渋滞しているお隣の橋との間には、平日の朝からのんびり釣りに興じる老人が散見されます。

橋の上から左手前方を見ると、2つのビルの間の山腹に何か建っているみたいなので、先ずはあそこへ行ってみることにします。

中央通り(県道67号線)を織姫交番前信号で曲がり、歩道橋を渡って長い階段を登ると、昭和の鉄筋コンクリート建築なのに何故か国の重要文化財に指定されている織姫神社が建っていました。

社殿の手前にある社務所と神楽殿も国指定重要文化財でした。
他にも手水舎が重文指定されていましたが、あまりに平凡なので気づきませんでした。

そして、社殿前の町を見下ろす場所は恋人の聖地。
ここもか。
でも、宗教施設で恋人を名乗るのはなかなかないかも。

湘南平の展望台とは違って、神社公認のワイヤーに社務所で購入した錠前を掛ける制度です。

社殿の奥には2021年に大規模な山火事が発生した両崖山へと続くハイキングコースの入口がありました。
何故か大山阿夫利神社もあるみたいです。
ただ、今日も30℃超えの暑さとなるのに加えて、この上には大規模な駐車場があったはず。
なので、ここから先はもっと涼しくなってからクルマで来ることにします。

先ほど通った県道の一本北側にある北仲通りを戻ると、堀に囲まれた正方形の敷地があらわれました。

足利学校と並ぶ足利市のシンボル、鑁阿(ばんな)寺(足利氏宅跡)です。

敷地の南側中央にある太鼓橋を渡り、山門をくぐると、正面に国宝の本堂が見えました。
太鼓橋
江戸時代
山門(仁王門)
鎌倉時代

本堂
鎌倉時代
国宝

寺の敷地は分譲マンションの部屋ように「田」の字に区切られており、中央が本堂で、今立っている通路の右が鐘楼。左が多宝塔ですね。
尚、鑁阿寺は8代目尊氏が140年後に室町幕府を開く足利氏の、二代目義兼によって建久7(1196)年に開山されたため、寺内の多くの表示は同年の建立となっていますが、実際に建築物が整備され始めたのが子供の三代目義氏の代からなのと、その後何度も移転・改修されているため、築年がとても曖昧です。

鐘楼
鎌倉時代
国指定重要文化財

心字池

鐘楼側の出入口の東門です。
東門
鎌倉時代;永享4(1432)年再修
県指定文化財


多宝塔は大きな銀杏の木の横に建っています。
多宝塔(二重塔/塔婆)
寛永6(1629)年(江戸時代)再建
県指定文化財

別の角度から。
遠方の建物は経堂。

本堂の左(西)側にも堂宇が並んでいます。

中御堂(不動堂)
元禄元(1592)年再修

一切経堂
応永14(1407)年(室町時代・足利満兼(関東管領)再建)
国指定重要文化財

経堂の並びの先は西門となります。

西門
鎌倉時代

こちらは本堂・経堂の裏に並ぶ建物。

左(西)側から順に、
御霊廟(おたまや)
正和年間(1312)以前 江戸時代
県指定文化財

大酉堂(おとり様)
寛政2年以前(江戸時代?)

校倉(大黒堂)
宝暦2年(江戸時代)再修
市重要文化財

蛭子堂
創建不詳
市重要文化財

北門(薬医門)
弘化2年江戸時代 千住院(現足利幼稚園)門を移転
市重要文化財


一通り見終わったので、お隣にある史跡の足利学校を見物に行きます。
こちらも四角い敷地を堀で囲まれているので、ぐるっと駅側に回って入場。

入徳門
明治42(1909)年移転修復
紀州徳川家徳川斉順書

最初の門を入って参観料¥480を支払うと、教科書で(かどうかは記憶にないが)見たかもしれない「学校」の門をくぐります。

学校門(寛文8(1668)年)

思ってたよりも小さい門をくぐると、その正面は孔子廟の入口で、中に木の像が置いてありました。。

杏檀門(明治33年再建)
ちょうどガイドツアーで賑わっていましたが、その話はまた後で...

孔子廟(聖廟)(寛文8(1668)年)

孔子坐像
室町時代(天文4(1535)年)
県指定文化財

小野篁坐像
江戸時代(延享3(1746)年)
市指定文化財

孔子廟の右側は、方丈、庫裡、書院などが並んでいて、中に入ることができます。

方丈の裏手をぐるっと回って入口に戻ります。

足利学校の入口から、ボロボロの電気機関車が置いてあるJR足利駅までは徒歩10分足らずでした。
往復6時間の電車旅にもかかわらず、見学が二時間くらいで終わってしまったので、県境を越えて桐生に行くことにします。

これから行く桐生のまちなかウォークはこちら

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●本日の反省
足利市では団体を対象に、観光案内人が「教科書には書かれていない魅力」を無料で解説してくれるガイドサービス(要予約)があり、今回足利学校でたまたま案内の団体さんに遭遇した。
風に乗って聞こえてくる解説によると...
かの武田信玄が軍師を募集する際に、面接要綱に「何を足利で学んだか?」との質問があり、合否を分けていた可能性があるとのことである。
東大早慶どれかなら良いのではなく、東大のどのゼミ出身かが合否を分けるということか...
信玄と言えば、昔の社員旅行のバスガイドが言っていた「人は石垣、人は城」という言葉から、漠然と「建物より人を大事にする」良い人なんだなと今まで思い込んでいたが、30年以上漫然とサラリーマンを続けた自分が感じるこの感覚はどうやら微妙に(もしかすると決定的に?)違うらしい。
雇用する側の論理では、「求める能力・スキルを持ってる人にだったら、建物の分の予算を回してもいいよ」くらいの感覚だったのではないか。
言う側の立場を考えずに、自分の都合で勝手に言葉を解釈していると、大きな勘違いが積み重なって残念な人生を歩むことになると反省。

●2024年10月2日(水)
足利市駅(8:50)→織姫神社(9:10~9:30)
→鑁阿寺(9:40~10:20)
→足利学校(10:20~10:45)
→JR足利駅(10:50)



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