2022年5月2日月曜日

鶴川 赤沢 (沢登り)

2022年のゴールデンウイークが始まり、徐々に夏山登山モードに入ってくる時期ですが、今年最初の沢登りにどこか良いところはないかと思っていると、たまたま渓友塾のブログで、3月下旬に遡行したとある場所が、「鶴川水系一押しの渓」と紹介されていたのを目にしました。

宗像さんが一押しというからには絶対に間違いないだろう。 ということで、沢の名前は伏せられていましたが、あたりをつけて鶴川の上流に行ってみました。

ここは上野原から小菅へと向かう県道18号線。地形図には「飯尾」と記載してある(バス停や地元での呼称は「八田」(はった))集落の上野原側の手前です。
県道の左側を流れている川が鶴川で、対岸にあるガードレールの橋の下から鶴川に合流してくる沢が今回遡行する赤沢です。

まずは「はったむかいはし」で鶴川の対岸に渡り、両岸が法面の赤沢沿いに入り、しばらくはロープが張ってある水源整備用の踏み跡を辿って行きます。

踏み跡が消失したところで沢支度をして、送水パイプが引いてある沢を登って行きます。

右岸の岩壁の上に、水を噴き上げる貯水タンクがあり、続く小滝を登ると取水場所と思われるネットが沢に埋まっており、以降少しの区間は石ころの川原となったので、水を汚さない様に流れの無いところを進んでいきます。

標高620mくらいからは滑滝が連続しはじめます。

そして、奥の方に大きな壁が見えて沢が右方向に曲がるところに、最初の大きな滝、10mがあらわれました。
最後の急傾斜の部分は流れの右横を登れそうな気もしますが、濡れそうなので早速巻きます。

左岸になんとなく巻き径がついています。

滝を見下ろしながら巻き終えると、落口のすぐ横から650mの右岸枝沢が合流していました。

出合の上もナメが続きます。
倒木が多少あるものの/ごく短区間は川原があるものの、次の大きな滝まで滑滝が連続していきます。

巻いた滝から15分少々で、上の方にハングしたような滝が見えてきました。

大まかに三段くらいに分かれた一連の滝は、左岸から小さな枝沢が入る場所にあり、ハング気味となっている最上部の岩の手前までは、快適に登ることができました。

最上部の岩も、流れの右側がスタンス豊富そうですが、それは下から見上げる角度で見ているからそう感じていただけで...。

実際に取り付いてみると、ちょっと逆走気味で、スタンス豊富な右壁沿いも落ち葉がヌルヌルしていてちょっと微妙な感じです。

なので、へっぴり腰で敗退し、左岸を巻きました。
落口を5mくらい見下ろす位置から越えると、ロープなしでほぼ歩いて沢に下りることができました。

落口に立って下を見下ろしてみます。

途中で引き返した左岸を見ると、何と、引き返した少し先に安定した支点となりそうな太い木の根がありました。
あの木までたどり着けば、側面を巻き気味に登り切れそうです。

落口のすぐ上は10mほどの快適に登れる滑滝で、そこを登った上には750m三俣がありました。
右俣の水流はごく僅かで、気づかなければ本流と左俣の二俣に見えるかもしれません。

ウォータースライダー状に流れる、中央の本流へと入ります。

岩盤のナメが終わると、780mで右岸から、800mで左岸から枝沢が入り、本流は緩やかに右曲していきます。

水流が細くなってくる830mで二俣状となり迷いますが、沢底が低くて本流っぽい左へ。

ナメは徐々に不明瞭となってきて、東(右)寄りとなってきたところで、(たぶん)最後の二俣となりました。
標高900m付近にあるこの二俣は、見た目どっちもどっちといった風情でこれまた迷いますが、稜線が近そうだということで、支流っぽい左俣に入りました。

この選択が正解かどうかはわかりませんが、沢はすぐにだんだんと急になってきて、標高1000m手前ほどで水が完全に枯れて、見た目の行き詰まり感がでてきます。

左手を見上げると、斜面は急なものの、尾根のスカイラインが結構間近に感じられ、そこを鈴を鳴らしながら歩いて行く登山者の姿が見えました。
というわけで、ここで遡行終了。

のんきに「アオ~、アオ~」と啼くアオバトの声を聞きながら沢装備を解除して、斜面を登り、坪山から西へと続く尾根の登山道へとでました。

ツツジが彩る登山道を標高差100m弱登り、坪山の山頂に到着です。

北の笹尾根と南の尾名手尾根に挟まれた坪山は、西側以外の展望が開けています。

これは笹尾根方面。

反対側の尾名手尾根の向こうに見える高い山は権現山でしょうか。

佐野峠付近から東側に派生する小さな支尾根上に位置する坪山は、渓友塾のサイトで見なければ知ることもなかったであろう山で、来る前は登山道が何本も通っていることを不思議に感じていましたが、山頂も登山道も、列をなすほどではありませんが、結構な賑わいです。

なんだかとても不思議でしたが、下山を始めるとすぐにその理由がわかりました。

この山は花の山で、4月最終日のこの日は、イワカガミが山頂付近の登山道脇のうっかりすると踏んでしまいそうなところにまで咲き誇っていました。
登山道の案内板によれば、ヒカゲツツジやイワウチワのシーズンは終わってしまったみたいですが、4月上旬からの一か月間は春の花が順番に咲き続けるそうです。

飯尾から東西二本ある登山道のうち、東コースが破損しているとのことで、西コースを下ったこともラッキーだったみたいです。
とはいえ、結構な尾根の急登を、自分も含めてたくさんのお年寄りが上り下りするのはご苦労様です。

下山終盤で渡った沢は、日光の大薙沢以上にきれいな黄色のナメでした。
ここ、もっと整備すればさらに楽しめるんじゃないかと感じるのは沢登をしている人だけですかね。

そうこうしているうちに八田の御岳神社前に下りてきました。


●2022年4月30日(土)
飯尾(八田;8:50)→赤沢遡行(9:00)→650m二俣(9:45)
→本流(右俣)→750m三俣(10:20)→本流(中俣)
→900m二俣(10:50)→左沢→脱渓(11:20)
→登山道(11:30)→坪山(11:40~12:00)
→(登山道;坪山西コース)→御岳神社前(13:05)
→(県道18号線)→駐車スペース(13:15)









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