奥日光の柳沢川の沢登りです。
右俣を黒岩滝まで遡行してきた前半の続きとなります。
右俣のクライマックスを経て尾根の向こう側の左俣を下ります。
ただ、ロープはこの後も活躍するので、せっかく持って来たなら使った方が良いと思います。
ちなみに、行ってないので確かではないのですが、巻き径は更に上へと続いており、恐らくこの先の滑落のリスクを回避することができると思う一方で、最後のフィナーレを逃してしまう可能性があります。
このひときわ大きなものはなんだろう?
沢の右岸にある2004m標点西側の平坦なコルを通り抜けて、左俣の源頭に入ります。
コルの最も狭い部分で南側へと入る小さな沢を下りはじめると、すぐに断崖の上で行き止まります。
ほんの少し下ると、先ほど行き詰った小沢が左岸から落ちてきていました。
そのままガレ気味の急傾斜の沢を下って行きます。
容易にクライムダウンできる滑滝をいくつか降りると、右岸から枝沢を合わせます。
行き止まった場所の木には捨て縄が残っていましたが、崖下の沢も傾斜が急なことから、すぐに今居るところと同じ高さになるのではと考えて、樹林内を上流(北西)側にトラバースしてみたら、崖下の沢が急上昇してきて歩いて沢に降り立つことができました。
コルからは沢芯ではなく右手の斜面を下っていったほうが良いかもしれません。
というか、沢床の高さからすると自分が下ってきた方が左岸枝沢ですね。
最初の沢との合流から、左俣の核心部が始まります。
所々にガレが散在するナメを下って行くと...
放り出されるようにナメがスパッと切れました。
たった今そうしなかった心残りからか、よりによってここをクライムダウンしようとして下り始めてしまいました。
滝の左側(上から見ると右)の緩いところを下り、途中から右側へと乗り換えたのですが、ステップが豊富そうな最後の3mくらいを激しいシャワーに潜ることとなりました。
行けないことはないような気もしますが、先ほど積もっていた雪が解けた流れはとても冷たく、水没した途中から手の感覚がなくなってしまい、筋肉が硬直してきました。
動けなくなる直前で思い直して登り返し、右岸から懸垂で降りて来ました。
簡単に降りれるのですが、モロ水流中心を横切らなくてはなりません。
足場は豊富ですが、雪解け水でかじかんだ手ではなかなかスリリングでした。
下の狭くて深い釜にずり落ちなくて本当によかった。
シャワー滝のすぐ下の小滝でまたまた右岸から沢を合わせると、平坦なナメが一気に二俣まで続きます。
3時間半で一周して戻ってきました。
あとは往路を引き返します。
往復アプローチにバスを使用しても間に合うタイミングでしたが、間違って枝沢に入りタイムロスしたためか、かなりカツカツ。
あと1回ヘマっていたら夜の林道歩きでした。
舗装道路を自転車で一気に下り、日没迫る赤沼茶屋に帰り着きました。
前半(アプローチと右俣遡行)はこちら。
●本日の反省
①間違えて枝沢に入ってしまった。
ちゃんと地図を見ていれば間違えようもなかったところで、見た目による完全な思い込みでした。
すぐに気づいて反省し、その後も誘惑する左岸枝沢に騙されなかったという点ではよかったのか? いやダメだな。
②まさか雪とは...
つい10日ほど前まで首都圏は夏日だったのに、雪が積もっていたとは。
詰めと下降開始時には、惰性でザックに入ったままだったチェーンスパイクが活躍しました。これがなかったら途中で日没になっていたかも。
いや、安全面ではむしろ雪中歩行よりも雪解け水の水温の低さの方が問題でした。
そういえば、紅葉を期待してこの時期にしたのに、そんなのあったっけ?
ちなみに、この日の関東平野は25℃近い晴天だったそうですが、道中は時折陽が射すもののずっと霧雨がぱらついていました。
関東平野が好天で上空に寒気が入ると周辺の山はこうなるのね。
●2023年10月7日(土)
赤沼茶屋(6:22)‐(自転車)→弓張峠(6:50)-(徒歩)
→西ノ湖入口バス停(7:25)→林道終点(8:20)
→砂防堰堤渡渉(8:45)→赤岩滝分岐(9:05)
→柳沢川遡行→左岸枝沢迷走(9:50~10:10)
→二俣(10:40)→右俣遡行→スダレ状二段15m滝(10:55)
→黒岩滝(11:15)→スダレ状15m滝(最終滝;11:40)
→2004m標点コル(12:20)→右俣最左沢下降
→1870m二俣(12:45)→1760m二俣(13:45)→二俣(14:00)
→赤岩滝分岐(15:00)→砂防堰堤渡渉(15:15)
→西ノ湖入口バス停(16:15)→弓張峠(17:00)-(自転車)
→赤沼茶屋(17:18)