2017年3月16日木曜日

金城山 (積雪期ハイキング;途中敗退)


冬が終ってしまうのに気付かなっかった反省から、シーズン終わりの雪山へ出かけることにしました。
目指すは、手軽に登れる?六日町の里山。金城山。


道の駅南魚沼より望む金城山(左)。
右側の巻機山と比べて、かなり低い? 雪の白さもかなり少ない??


国道291号線の越後上田郵便局から分岐する県道28号線を、1kmくらい雲洞庵方面進んで、槻岡寺付近にある路肩の待避スペースに車を止めました。
ここには同じく金城山に登ろうとしていた地元の方が登山の準備中で、今日はこのおじさんと前後しながら登ることとなります。

観音山コースの登山口・・・この登山口は非常にわかりやすいT字路にあるが、入口(特に高さ)が狭く見えてうっかり通り過ぎてしまい、指摘されて気づく・・・から登山開始。



観音の石像が経つ丘を登るとすぐにでてくる四阿の少し上からワカンを装着し、右上に見える遠い山頂を目指す。


朝の締まった雪は、ワカンを履くとほとんど埋まることはないくらいに固く、サクサク快適に進み、たちまち眼下に魚沼平野が広がった。



同時に出発したおじさんは、今日は頂上を目指すつもりは無いとのことで、ロケットの様な勢いで登って行く。
地形図の標高632m付近の最初の急斜面の下(写真左の白いドーム状の下にある松の木のあたり)でやっと追いついた。


ここからは先頭を交代して急斜面に取り付く。
が、斜度が増すと同時に今まで硬かった雪面が急にズボズボと埋まりだす。

傾斜が急になり埋まりやすくなったのか、
気温が上昇してきて雪面が脆くなったのか、
それとも高度が高くなり前日までの降雪量が増えたためなのか。。

雪が緩くなったためか、足下の谷の斜面に表層雪崩の痕跡が目立つようになる。


右手に見下ろす高棚川支流の沢の雪も崩れ落ちそうだ (と思う)。


隣に見下ろす坂戸山の南斜面は、恐らく雪崩の痕跡であろう茶色く剥けた地肌でボロボロとなっている。


それでもまずまずのペースで、はあはあ言いながら登り、登山開始から2時間で800mの平坦地に到着。
ここでラッセル交代。

他人のトレースを拝借して登ること更に1時間弱で、920m付近に到着した。
ここは目印が無いので気付かなかったのだが、8合目と呼ばれており、雲洞登山道との分岐点とのことであった。

ここまでは、前半の堅い雪質と、たまたま居合わせた同行者にラッセルいただいたことにより、想定を遥かに超えるスピードでの順調すぎる到着。

前後して登ってきたおじさんはここで休憩してから下山するとのことなので、一人で先へと進むこととし、急斜面に取り付く。

膝上のラッセルをしながら左手から合流してくる滝入コースの尾根を見下ろす頃には、尾根は細くなり、小さな雪庇が左右交互にでうねるようになる。
↓帰路に撮影した写真



9合目の手前であろうか、標高1,100mくらいのところで尾根は細くて急な崖状となり、右手南面の急な雪面を回り込んで登る形となる。

その手前が幅50cm程のプチ雪庇状となっており、上を渡るように歩くと、
歩くショックでポロポロ崩れた雪庇先端の雪がボール状の谷の腐った雪面に落ちて広がり、谷の表層が川のように流れていく。


続く右の雪面を、自分が起こした雪の流れを見下ろしながらトラバースし、崖上目指して登る途中で、帰路にここを通る3時間後には、急斜面の雪はどうなっているのだろうと、ふと考えた。



時刻はまだ正午少し前。
この場所と、頂上直下の急斜面のクリア方法を間違わなければ、ゆっくり歩いても明るい時間に下山できなくはない。

尾根の上に一旦戻り、落ち着いて考えてみることにする。

太い木の根本に腰を下し、魚沼の里の風景を見ながら昼食を摂る。


正面に見下ろすのは茶色く斑に崩れた坂戸山の南面。


そこからこちらに続く尾根の途中には巨大反射板と、それに続く巨大な雪庇が望める。


巨大雪庇から足下に続く斜面をふと見ると、スキーで登行したトレースの様な形跡があるのに気づく。
まさか滝入コース方面からやってくる物好きがいるのかと驚き、目をこらしてよく見ると、カモシカの足跡と、彼(彼女?)が起こした線状の表層雪崩であった。


ちょうど眼下の平野のあちこちから、正午を告げるチャイムや鐘の音が聞こえてくる。
日本海側ではここ一週間ぶりくらいであろう強い日差しは、気温を急速に上昇させ、登っている間は半袖でも寒くないくらいだ。


どうも坂戸山を正面に見るロケーションが良くないのか、
それとも単に止める理由を探していただけだったのか。
今日はここで引き返すことに決めた。

右手に八海山。左手に上越国境の山々を望みながら帰路につく。


下を見ると、先に下山しているおじさんが、里山風景の中をのんびりと下っていく。


今登ってきた山を振り返る。
あそこの斜面で引き返したのね... 全然ダメじゃん。


登った時のトレースを辿ったが、雪が腐っているためズブズブ埋まるのと、尻滑りをしようにもなかなか進まないのとで、3時間ちょっとで急登した道を、2時間半以上かかって駐車した場所まで戻った。



2017年3月12日(日)
南魚沼市(槻岡寺付近:8:30)→観音山コース
→標高1100m前後(9合目手前)で引き返し(12:00)
→登山口(14:30)


●本日の反省
予想通りだったが/着けると思ってはいなかったが、やはり頂上は遠かった。
頂上直下の核心部を見ずの敗退となったのに言うのも恐れ多いが、、
単なる体力・スピードや技術のみではない、天候などの環境を把握・予想し、
対策を立てる総合力が求められる難度の高いルートだった。

この時期に同じ天候で登頂して無事に帰って来るのであれば、8合目泊からのアタックや未明の出発など、頂上直下の核心部を良い状況で通過する工夫が必要だと感じた。
当然時期が少しずれたり、天気が変われば、猛ラッセルや雪崩への対処が必要となると思われる。
来年考え直して、鍛えなおして、準備や条件が万端で臨んだとしても登頂できるかどうか。。。

一方で、周囲を純白の山々に囲まれ、魚沼平野の人里から突然立ち上がる尾根は、眺望が申し分なく、途中敗退でも十分な爽快感と満足感が得られた。

結果は長閑な春の日差しの中の里山ハイキングとなってしまったが、この山が高く評価されている理由の一端を実感できた。

追伸:
登頂できなかった替わり?と言っては何だが、下山後「金城山」に参拝することにした。

登山口にほど近い「雲洞庵」は、肩書きの通り背後に金城山の尾根を望むお寺で、ここなら大人一人\300の拝観料で誰でもOKだ。

拝観チケットのデザインが2009年の大河ドラマの頃から変わっていない様な気もするが。。。

2017年2月25日土曜日

梅ヶ瀬渓谷~石尊山 (ハイキング)

季節風が強くて寒い厳冬期は、晴れててヒルの活動が休止した房総の丘へハイキングへ。

JR東日本の「休日おでかけパス」なら、たった¥2,670で対象区間の普通席が1日乗り放題。
近所にある神奈川県の駅から千葉方面の区間ぎりぎりまでを往復すると楽勝で元がとれます。


※梅ヶ瀬渓谷は2023年9月の台風13号の影響で、同年11月現在閉鎖されています。
 現状を市原市観光協会養老渓谷駅前観光案内所などに確認の上お出かけください。

というわけで、市原市の五井駅まで行って小湊鉄道へと乗り換え、終点から1つ手前の養老渓谷駅に到着。

紅葉の季節は賑わうのでしょうが、季節外れの真冬とあっては人影もまばらで、下車したのは10名足らずで、乗客は観光客(この時期に?)のみ。地元の人らしき方は乗っていませんでした。

ちなみに、五井駅の改札で駅員さんに片道切符を見せたら、怪訝そうに本当に片道だけでいいのかを確認されました。
途中の上総牛久から先は運行本数もまばらで、観光目的の人だけが、それ用の乗車券で利用するみたいです。


この季節にこんなところまでなにしに来るんだろうと思いますが、そこはお互い様。
鄙びた駅前の通りを通って、線路の裏側に回り込み、先ずは梅ヶ瀬渓谷を目指します。


ところどころにある案内標識に従い、舗装された田舎道をてくてく歩きます。


駅から40分程で大福山へと登る舗装道路と別れ、谷沿いの土の道を行くと、駐車スペースの先から川の流れに沿った道になります。

ところどころに蛇行をショートカットするトンネルが掘られていますが、三間川や小櫃川にあるような大規模なものではなく、わざわざ掘る必要性が疑われるようなものばかりです。


この地の名前となった梅の花が咲きますが、花をつけていた木は数本のみで、後で出てくる大福山の四阿のそばにあった石碑の蘊蓄と比べるとずいぶんと貧租でした。


谷は次第に細くなり、ところどころで垂直の岩壁になります。


こんな感じで流れを何度も飛び石で渡りながら進みます。
全体的に、同じエリアにあるキンダン川や梨沢を二回りくらい・・・いや5~6周りチンけにしたようなイメージです。

特別な準備を必要としないハイキングで、沢の雰囲気を感じるには丁度よい場所なのでしょう。


と思っていたら、突然フル装備の沢登りの集団に追いつきました。
このいでたちで今歩いてきた真冬のハイキングコースをじゃぶじゃぶ辿ってきたのでしょうか。
寒い中をご苦労様です。



ブログによく書かれている「旧日高邸」なる場所へ行く道にはロープが張ってあったので、谷を歩くのはやめ、大福山へと登ります。

歩道を登って先ほどの舗装された林道と合流するところには四阿が建っており、横に日高邸の何たるかが書かれた石碑がありました。


大福山の鉄製の展望塔は、この舗道を駅の方へ行ってすぐのところにある登り口を3分くらい上ったところにあります。

※大福山展望塔は2023年11月現在老朽化のため立入禁止となっています。
 現状を市原市観光協会養老渓谷駅前観光案内所などに確認の上お出かけください。

展望塔の上から、いままで通ってきた梅ヶ瀬渓谷を見下ろします。
周囲にはどれがどこだか見分けがつかない房総の丘が続きます。


その中のアンテナの鉄塔が建つ平らな丘が、これから目指す石尊山(せきそんさん)です。


振り返って北側を見ると、、、


東京湾の向こうに東京のビル群が霞んで見えます。
列車を乗り継いでずいぶん遠くまで来たもんだ。


女ヶ倉林道を南西へと進みます。


林道の山側は、脆い岩質の山を削り取ったままのもので、ユンボの爪の跡?が模様の様に続きます。


大福山林道と出会うT字路を左折し、右側に大規模な処理場を見ながらすすみ、この写真の入口の先で坂畑林道を右に分けて左方向へ。


舗装が途切れたり、また舗装されたりする林道をひたすら歩きます。


途中、林道加茂線の合流を左に見送り、この斜めの地層を下ってゆく先で、戸面蔵玉林道のトンネルの上を越えて、Uターンして戸面蔵玉林道のトンネルの間に合流しますが、その手前のUターンの屈曲付近で、右にあるバリケードが設置された古い林道に入ります。


この通行止めの林道は、ほぼ地形図の通り南南東に進み、235m三角点の少し手前にある貯木場の様な広場で終わり、そこから先は普通の山道となる。

↓林道終点からすぐのところにある三角点。


この登山道の様な立派な道は、ところどころにピンクテープのマーキングをつけながら(道標はなし)尾根上を南西へと弓形にカーブして250m凸の南東面をトラバースし、ほぼ尾根沿いに国道465号線のトンネルを目指して南南東に進んでゆくが、トンネル手前の上り坂を避けて右手の黄和田畑の方へ下っていく。
途中何故かトレイルランナーとすれ違う。(一体どこからどこへ向かうどこの人なのか。。。)


トンネルの上を目指して尾根を登って行くと、台地状の植林地となり、南端で視界が開けて目指す石尊山のアンテナが望める。


ここからトンネルの真上へは細くて急なザレ尾根を下って行く。


急坂を下りきったところで、南側から登山道の様な道が合流している。
トンネルの南側出口を起点とする地形図に記載がある道と思われる。


右手から他にも2本ほどの踏み跡が合流し立派な歩道となり、頂上付近の平坦地まで登った後は杉の植林の中を進む。


植林地の左の木立の間からアンテナ施設が見えると、ほどなく石尊山の看板が立っています。
平坦な林の中ですが、「房総の名山」?とのことです。。。


さて、七里川温泉に向けて下ろうと林の中を少し歩くと、石祠がありました。
3つも立っている山頂を見たのは初めてで、特に真ん中の大山阿夫利は大人の背丈を超える巨大なものです。
運んできたものか、この場所で作ったものなのか、いづれにしても相当大きな労力をかけて制作・設置したと思われます。

これが名山の所以か。


ここからは参道の階段をお約束通り滑ったり、踏み外したりしてよろけながら一気に下ります。


山自体も、石の製作物も風化が激しいです。


20分ほどで温泉の脇に下りてきました。


黄和田畑の国道465号線より、下ってきた石尊山を望むと変哲の無い丘で、アンテナの建つ頂上付近は一段低く見えます。


あとはバスも通らない休日の国道を、亀山ダム目指してひたすら歩きます。

ヒトデ状に細い湖面が分岐する亀山湖を橋で何度か渡り・・


亀山ダムに到着です。


湖岸のホテル(右側の白い建物)で温泉に入って、汽車で帰ることにします。



JR久留里線の終点である上総亀山駅は、ダムから徒歩10分少々で、ガラガラのディーゼルカーが木更津まで(途中久留里で乗り換え)通じていました。

※JR久留里線は2023年11月現在廃線協議中です。運行状況を確認の上お出かけください。
 また、同線は全線でSUICA等のプリペイドカードが使用できません。

●2017年2月20日
養老渓谷駅(10:30)→梅が瀬渓谷入口(11:20)→大福山(12:30)
→(女ヶ倉林道分岐12:40)→大福山林道合流(13:00)
→蔵玉林道終点(13:20)→国道465トンネル上(14:10)
→石尊山(14:30)→七里川温泉(14:50)→亀山ダム(16:10)

思い立ったらすぐ行ける。 首都圏近郊のその他のハイキング記録はこちら


●本日の反省

①のりてつ 恐るべし
「休日おでかけパス」をフル活用しようと、あえて遠くに行ってみたが、乗車時間の長さにうんざり/やってみてびっくりだった。
特に久留里線を使用した帰路は、横浜まで4時間近くを要し、切符代より数百円分多く乗ろうとすることそのものが目的化しそうでヤバかった。
木更津で乗った電車が横須賀行きで、2時間近く爆睡できたのが良かったものの、新幹線に乗れば同じ時間で広島くらいまで行けるではないか!
「乗り鉄」と呼ばれる人たちはある程度の頻度でこれをやってるとは。。。

②車道・林道歩きばかりで退屈?
地元の神奈川とは異なり、上り下りが少ない(よって車道も多い)千葉の山?は、思った以上に距離が稼げる。・・・何も考えなくとも短い時間でそれなりの距離をさくさく進むことができる。

が、その代わりほとんどが舗装道路や林道歩きとなってしまった。
出発が遅い時刻だったので短めの距離にしたが、石尊山からそのまま先の山道へと進めば、清澄寺までは余裕で到着できて、もう少し変化があったに違いない。
まあ、フリー切符の範囲外だから行かないけどね。

石尊山以南の麻綿原、清澄山方面の記録はこちら。

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