2016年11月12日土曜日

小草平ノ沢 (沢登り)

首都圏にも本格的な秋が訪れ始めた文化の日の飛び石連休の谷間。
シーズンを締めくくるため、近場の沢登りにでかけました。

表丹沢県民の森の先にある林道ゲートからスタート。



西山林道との合流点を左折すると、ほどなく二俣に着き、登山道がはじまりますが、昔あったはずの堀山の家へ登る登山道の標識がありません。

周囲を見回すと、「危険です」という標識が木にくくってありました。

先に進むのもなんだか気が引け、勘七ノ沢を経由しようかとも思いましたが、既に正午を過ぎており、あまり遅くなってもいけないので、この看板の脇からしばし旧登山道?をすすみます。


ほどなく登山道が小草平ノ沢を渡るところに到着。



いきなり5mの滝から遡行がはじまります。
水の勢いのためか、オーバーハングしているような錯覚を覚えますが、手前側の右壁に猿梯子のようなスタンスが続いており、簡単に登ることができました。



最初の滝を登ると、3連続の滝が見えます。

3つとも全て左側から快適に登れます。


倒木が多い谷の中を少し進むと4mの滝。
流れの左側をどこでも登れます。


谷が狭まる中をどんどん進みます。


この4mは水流で濡れない様に左側の足場が無いところに誰かが木を立てかけておいてくれたみたいです。
2本両方使わせていただきクリア。


4mと3mの二段の滝は左右どちらの壁でも快適に登れます。


現れる滝を次々とぐいぐい登ります。



このチョックストーンを越えようとして左下に潜り込むも、石の天面が外傾しており、しっかりしたホールドもなく断念。
でもチョックストーンのすぐ左側に大きなスタンスがあり、難なく通過できます。


この滝を過ぎると、間もなく標高730mの二股で、右側(左岸)から連続して2本の枝沢が合流します。



2つ目の二股の左股(本流)にあるのが、この沢の最難6mの滝で、流れと交差しながら右側を登りますが、落口手前のハーケンが打ってあるあたりでホールドが細かくなり行き詰ります。


仕方がないので、右側に逃げて滝の上へと抜けます。
ちょうど下の写真の手前にある岩の右を這い上がって来る感じです

が、この場所から上へと抜ける踏み跡が、岩の上に泥やザレが中途半端に付着して滑りやすいです。
ここでスリップしたら、あの浅い滝壺まで転げ落ちて、また一からやり直し。。。

安全な場所までへっぴり腰で泥壁を登ります。
このスリップ壁が本日の核心でした。


二股から上は大きな滝もなく、水流も徐々に細くなります。


両岸が植林となり、沢の水が涸れたら、正面の稜線に大倉尾根を行きかうハイカーの姿が見えてきます。


左上には木立の間に「堀山の家」も見えてきます。


入渓後80分で堀山の家に到着です。
大倉尾根は平日なのに、飛び石連休の狭間のせいか下山していく人が途切れずに通過していきます。


ここからは小草平ノ尾根の”危険な”元登山道をのんびり下ります。
注意喚起の看板はありますが、尾根を素直に辿れば問題ない状態で、途中所々に登山道を逸れない様にロープも張ってありました。

平日なので仕事の電話が何本かかかってきてしまったので、途中休み休みのんびり下山です。
入渓点を通過して帰路を戻りました。


表丹沢県民の森(12:00)→二俣→小草平沢出合い(12:30:入渓)
→(小草平ノ沢遡行)→740m二股(13:00)→堀山の家(13:50)
→(登山道)→二俣(14:45)→県民の森(15:00)

●本日の反省

1.下調べ不足の上、出発が遅かった。
 掃除と洗濯をしてから横浜の家を出たのが午前10時過ぎ。
 秦野の市街地と国道246号線の横断で渋滞に巻き込まれ、歩き始めたのがお昼すぎでした。
 もう少し心にゆとりがあっても良かったか。

 5年ぶりの塔ノ岳周辺登山で、最初は西山林道から行こうとしたところ、ゲートが閉まっており進めず、慌てて試行錯誤の末、県民の森に到着しました。
 帰ってから調べてみると、西山林道はずいぶん前から通行止めだったみたいです。
 小草平尾根の登山道もなくなってるし。。。

 二俣のすぐそばまで車でやってきて、10分ほどで入渓という大昔のイメージのままやってきてしまいました。
 もう少し事前の下調べをしましょう。(調べていたら来なかったと思いますが。)

2.秋も深まる中で水かぶり
 特に水をかぶるところもないので、安易にユニクロのフリースを着て登り始めたが、滝が簡単に登れるので、ついつい調子に乗って直登を繰り返すうちに、シャワーをもろに浴び続け、服がびちゃびちゃに。
 フリースがずっしり重く、冷たく体にのしかかりました。
 好天なので良かったですが。。。

とは言うものの、非常に楽しい沢でした。
全ての滝が登れ、途中で登れなくなってもすぐ横を簡単に登れ、しかも登る場所ごとにお好みで様々なムーブをとれる滝が、途切れることなく続くこと1時間とちょっと。
こんなルートが、アプローチを含めても3時間で楽しめ、神奈川県に住む人なら、家から半日で行って帰って来れる。
ヒルの居なくなったこの時期に、手軽で大満足です。

2016年11月6日日曜日

小中川 ヒライデ沢 (沢登り)

飛び石連休となった11月3日の文化の日。
天気が回復するとの予報だったので、ほぼシーズン最後の沢登りに、足尾にでかけました。
気温、水温とも相当低いはずなので、膝から上は濡れることがないとの目的で、足尾山塊の東側にある初心者向けのヒライデ沢を選定しました。


袈裟丸山の折場登山口が出発点。


舗装された立派な林道を5分ほど小中方面に歩くと、折場橋に到着します。
この橋の下を流れる、砂防ダムが連打されているのがヒライデ沢で、右岸に残っている踏み跡を辿って遡行を開始します。


5つ目の砂防ダムを超えると、すぐに緩やかな滝が連続します。


滝は、水が流れている岩が黒い所は滑りやすく、その上に落ち葉が載っていると、バナナの皮のようにツルツルですが、そこだけ注意していれば全て中を登ることができます。


小さなゴルジュ状の地形も見えてきます。


滝も出てきますが、どれもすぐ脇を簡単に登れるものばかりです。



入渓早々から続いた滝場は、枝沢が滝で合流する1250mの二股で終わります。


その後は、引き続き滑があらわれます。





滑が断続的ながらもしばし続くと、伐採地なのでしょうか、傾斜の緩い左側(右岸)が明るく開けてきます。


明るい沢の中を進むと、1310mの二股に到着します。
双方が急流で釜に注いでおり、左の本流を進みます。


そして、沢のハイライトはこれで終わってしまいました。
以降は、それまでのほぼ2倍の時間を単調な河原歩きに費やすことになります。


ごく稀に急流や滝状の地形がでてきますが、どれもインパクトに欠けており、あまり印象に残りません。
これは1450m二股直下の滝で、ここを右股に入って終了しようかどうかが悩ましいところです。


右股は稜線までまだ150m近い標高差があり、ヤブ漕ぎとなった場合のリスクと、稜線に着いてしまったら(小丸山にすら登らず)そのまま下山してしまいそうなことを考えて、本流を進み続けることとします。

沢は傾斜が緩やかで、広々とした林の中をチョロチョロと流れます。

山々の中を今年最初の木枯が轟々と音を立てて通り過ぎて行きます。
ガサガサと突然草木が揺れる大きな音は、木枯らしが通り過ぎるものなのか、上空を飛ぶ飛行機なのか、沢の脇の藪を自分が揺らす音なのか、それとも笹原を疾走する動物なのか?


標高1600mの微かな二股を右に入り、注意して進むと、すぐに右の稜線方向から踏み跡の様な細い流れが見つかります。
ここで靴を履き替えて、小さな流れを北へと辿っていくと、すぐに林が途切れて、登山道と見紛う様な獣道が交錯し始めます。
笹の背丈が低い所を選びながら、コルに向けて獣道を辿っていくと、袈裟丸山の登山道に到着です。

こちらは獣道とは間違い様のない立派な道。


せっかくなので袈裟丸山(前袈裟丸山)に登って行くこととします。
たぶん次に来る機会は無いしね。

頂上へ向かう途中で、下りてくる二人組の女性に「シャッター押してください。二人で写っている画像が撮れなかってので・・・」と頼まれました。
天気の良い祝日なのに、出会ったのは結局彼女たちだけでした。
鋸山方面?

赤城山

日光方面の山々

上空の雲の色が暗くなると、強風の中に今年初めて見る白い粉が舞い始めます。

風花の散る中を前袈裟丸山の山頂に到着。


寒いのと視界がないのとで、早々に退散。

遠くに関東平野を見ながら帰路につきます。


小丸山より望む袈裟丸山連山

賽の河原
もうすぐ登山口

登山口まであと少しのところにある草原の下に、本日遡行したヒライデ沢(恐らく折場橋で出合う)の支流が望めます。
短くて楽そうだし。 詰めもなさそうだし。。
こちらの方がなんとなく面白そう。
(強風でブレまくりの画像のみ)


もうすぐ夕暮れ。
ここに秋が終わる日がやってくるのも近そうです。



2016年11月3日(木)
折場登山口(9:45)→折場橋(9:55)→ヒライデ沢遡行
→1250m二股(10:30)→1310m二股(11:00)→1450m二俣(11:50)
→1655mコル(登山道:13:00)→前袈裟丸山(13:30)
→小丸山(14:20)→賽の河原(15:00)-弓の手新道
→折場登山口(15:40)

2016年10月16日日曜日

大行沢・樋ノ沢 (沢登り)

体育の日の3連休前半は全国的にあいにくの雨模様でした。
最終日の10月10日からは天気が回復したので、思い切って1泊2日で遠出をし、仙台にある名取川の上流に沢登りにでかけました。



東北自動車道の仙台南インターを下りて秋保温泉のさらに奥へと進み、大東岳登山口に午前11時の遅い到着です。
登山口の駐車場は既に満車であったため、手前にある秋保ビジターセンター付近まで戻り、二口バス停隣接の駐車場からスタート。

登山口まで5分ほど歩き、そこから大東岳の裏登山道を進みます。

登山道はすぐに小行沢を渡り、その昔は車道だったと思われる平坦地の中をすすみます。


途中左側に岩屋のある滝を見下ろします。

👆この写真は登山道から沢に下りて撮影したものです。


ほどなく道幅は狭くなり、登山口から40分ほどが過ぎると白滝沢を渡ります。

ここからは登山道を離れて、大行沢沿いに延びる踏み跡をたどります。

踏跡はすぐに沢のほとりで途絶えるので、ここから沢の中を進むことにします。
ボール状の巨岩がひしめく沢の中を行きます。



見上げると左岸には裏磐司と呼ばれる岸壁がそびえます。
ここに転がる岩は、あそこから角を削られながら落ちてきたのかしら?


それにしても巨岩が多いです。
大岩が転がるというよりも、「ひしめく」といった表現に近く、身長の数倍ある岩をよじ登ったり、飛び移ったり、あるときはサルと遭遇しながら釣り人が作ったと思われるロープ付の巻道を辿ったりと、いきなり体力消耗モードに突入です。


ひいこら言いながら一時間くらい進むと、左岸の支流が大きな滝となって落ちています。
恐らく京渕沢にかかる梯子滝ではないでしょうか。

ビジターセンターに置いてあった案内のチラシには、横を通る登山道は梯子滝もめぐれる様な表現がしてあったので、登山道を期待して滝に近寄ってみますが、それらしきものは見当たりません。


仕方がないので、引き続き巨岩の沢を辿ります。
盛夏ならば水中を泳ぎながら進むのでしょうが、この時期は水が冷たく、そんなことをすると死にそうです。
濡れないために岩を超えて行くと、また疲れます。


梯子滝から15分くらいで、本流に二段の滝がありました。
下の段は、左側を斜上する大きな段差を登り、上段の滝壺へ。


上の滝は激しく水が流れており、水の少ない右側は岩がツルツルです。

ここは低体温症を覚悟しなくてはなりませんが、右の横の方を見ると、草が少し生えた岩壁に水平のクラックが数本入っており、そこを足場とすると、大きな梯子の様に登れてしまいました。


滝の上は両岸が立っている深い水路ですが、左岸の壁のちょうどよいところに、まるで人が削ったような間隔で足場がついており、簡単にへつれます。


それにしても、この沢の売りである滑床がなかなか現れてくれません。

白滝沢から沢を辿ること、おおよそ二時間。
標高640m付近から、ようやくそれらしき地形が見え始めました。


そしてすぐに平坦な川底が延々と続くようになります。




右岸からカケス沢が流れ込みます。


樋ノ沢出合から下流の滑の延長は、約1km弱くらいの距離でしょうか。
ところどころに小滝や渕を織り交ぜながら、言葉による説明が不要の光景が続きます。

明るい橅林の中、舗装道路の様な川床を、踝を濡らしながらのんびり歩きます。





樋ノ沢が右から滝となって流れ込んでいます。
ここは右側の岩の斜上する割れ目から簡単に登れます。


登ったところから、ハダカゾウキ沢と名を変える本流の滝を見ます。

👆この写真を撮ったすぐ後ろの林の中に樋ノ沢避難小屋が建っています。

避難小屋から引き続き樋ノ沢を遡行します。


流量はおおよそ半減しますが、こちらも滑床が続きます。





平滑な川床は避難小屋から1kmちょっと続きます。
そこからは流れもだんだんと細くなり、徐々に普通の河原となります。



標高890m付近で二股が約50m間隔で2つ続きます。
最初は左。次の小滝状となったところは右を行きますが、今日はここで泊まることにします。

一夜を過ごす人がそう多くない橅の森は、薪集めに苦労することはなく、温かい焚火で快適な夜を過ごします。



翌朝は890mの二股を右に進み、左手の稜線と平行に東方向へ進みます。


徐々に流れが細くなり、、


この小さな滝の上のすぐに左側にある踏み跡を登って行くと


5分ほどで南面白山から下ってくる登山道にでるので、この道をしばし東側(面白山高原駅方面)に下ります。


美しい橅の林が差し込む朝日に美しく輝きます。


登山道を30分ほど歩いて権現様峠に到着。
ここから大東岳へと登ります。


大東岳への登山道?は、すぐに穴戸沢源流の沢の中を進むようになります。
時々ピンクテープのマークが現れますが、多くは古くて良く見えず、導かれる踏み跡も微かで、ほとんどが流れる沢の中を歩く道です。


それでも、標高1,060mの二股を左に入ってからは水も消え、涸れた沢をぐんぐん登るようになります。
1,210mくらいから尾根に乗り、急登で一気に頂上へ。

頂上に近づくと、面白山や舟形連を望めるようになります。
遥か遠くに望めるのは栗駒山でしょうか。


こちらは西側にある南面白山と小東岳。
その向こうに天童市方面の山形盆地が広がります。


大東岳山頂に到着です。
ここにだけ秋が訪れていました。






2017年10月10日(月)
二口バス停(秋保ビジターセンター11:20)-(大東岳登山道・裏コース)
→白滝沢出合(12:00)→(大行沢入渓12:15)→樋の沢出合い(15:05) 
→(樋ノ沢遡行)→標高850m付近(15:50泊)
10月11日(火)
→泊地(7:20)→南面白山登山道(遡行終了:8:00)-(登山道)
→権現様峠(8:30)→大東岳(10:30~11:00)-(表登山道)
→秋保ビジターセンター(13:35)





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