今年の夏に秩父札所34観音霊場を巡った時、32番札所の法性寺の観音堂の下に「奥の院」の標識がある岩の隙間がありました。
そのときは、ふ~んくらいでおわりましたが、そこから登ったところに岩船観音があり、登山ガイドでたまに見かける釜ノ沢五峰も隣接していることを後日知りました。法性寺の通称名も「お船観音」であり、観音めぐりをしたのに寺の名前となった観音様を見ていないことがわかったので、是非行かなくては。
釜ノ沢五峰周辺には小鹿野アルプスという呼称もあり、どの呼び方がどこのことを指すかはわかりませんが、ざっと全部登っておけばまあいいか。
西武秩父駅前の4番バス乗り場から小鹿野町営バスに揺られること25分で到着する長若中学校前の前方にある信号を左折して、32番札所を目指して舗装道路を30分歩くと法性寺に到着します。
二階が鐘楼となる仁王門をくぐり、階段を登ったところにある本堂前で観音堂より先への拝観料¥300(納経者は不要)を箱に入れて、奥の階段の上にある観音堂へと向かいます。
早速岩壁の上へとクサリが伸びていますが、登って穴の中を覗くと小さな社が立っていて「龍虎岩」の表示がありました。
クサリを降りて先へと進みます。
月光坂と書いてある坂道を登って行くと、最後は岩屋の中のお堂に続く階段となり、すぐ先に標識がありました。
右側のお船観音の方に行ってみます。
後を振り返るとこんな感じで、途中で止まる手段が全くない観音様に向かって左側には間違っても落ちたくないところです。
先端に立って覗いてみたいところですがやめておきます。
引き返して今度は大日如来へ。
クサリが必要無いくらいにしっかりと切られた足場の上は一等物件となっており、歩いてきた長若の般若川/釜ノ沢沿いの谷と、背後に奥武蔵の山並みが一望できます。
こちらは志賀坂峠で県境を越えてやってくる高圧線が架かる西側。
クサリを降りて釜の沢方面に行くと、鉄塔の前で左折(直進する径は鉄塔の下で行き止まり。)した径は少々荒れ気味にトラバースして次の鉄塔の下へ。
その右側には都県境の長沢背稜の山々が連なります。
それでは、岩盤を下って降りていきましょう。
里がだいぶ近くなってきたと思ったころ、「雨乞岩」の表示が。
中を覗くと...
登山道に戻って下るとすぐに五峰の標識が出てきたので、右にトラバース気味に下ると、ちょうど長若山荘のすぐ上を通る位置から、金精神社・文殊峠へと向けて登り始めます。
岩壁に挟まれた谷から尾根へと登ること約30分で、早速一ノ峯の石碑を発見。
そのすぐ上で展望台の方向へと行くと、三ノ峰と書かれた石碑がある恐らく二ノ峰に到着です。
都県境となる長沢背稜が見晴らせますが、手前から2つ目の尾根にちょっとハゲた個所があります。
クサリがついている短い岩場を下り、植林の尾根を行くと、
三ノ峰へはスラブのフリクションで登らせるのかと思ったら、右脇に登山道がありました。
クサリがついた岩を降りるのも一つ目の三ノ峰と同様です。
小さな凹凸を越えて稜線を行くと、今までずっと視界に入らなかった西側の景色が見晴らせるところに到着。
ここで登山道は左折して南方向に、↓右側の樹林の尾根へと進んでいきます。
五ノ峰から30~40分ほどで、文殊峠と竜神山・中ノ沢方面を分ける分岐に到着するので、右の金精神社に寄って行くことにしました。
すぐに伐採地となり視界が開ける中を眼下の金精神社・文殊峠へと下ります。
樹木が取り払われて南から南東側の展望が広がっています。
引き返して先ほどの分岐を左に進み、竜神山を経て登山口へと下ります。
単なる植林の尾根かとおもっていたら意外と岩稜の上り下りがあり、賽の洞穴の岩屋の下を降りたり小さな岩頭を登り返したりしていると、最後の見せ場が登場しました。
左上の岩は亀ヶ岳かしら?
引き返して今度は大日如来へ。
このあと高圧線とは着きつ離れつ進みます。
鉄塔の下を進むと、次の鉄塔が立つ尾根との間にある沢へと下り、また鉄塔の尾根に登り返します。
鉄塔の先を下って行くと、突如周囲が開けた岩盤の上に到着。
右には名前の通りの形をした亀ヶ岳が聳えます。
顔をよくみるとなかなかシュールな表情です。
正面は武甲山。
その右側には都県境の長沢背稜の山々が連なります。
それでは、岩盤を下って降りていきましょう。
二つ目の三ノ峰からも、一つ目同様尾根のハゲた岩場が見下ろせました。
今度は手摺もはっきり見えますね。クサリがついた岩を降りるのも一つ目の三ノ峰と同様です。
(こちらは巻き径もあります)
次の四ノ峰は樹林の中で展望はありません。
四ノ峰から10分ほど登ると五ノ峯で、その先3分ほどで稜線に到着しますので、左折して尾根上を行くと、一か所見晴らしが効くところがありました。
小さな凹凸を越えて稜線を行くと、今までずっと視界に入らなかった西側の景色が見晴らせるところに到着。
ひときわ目立つ武甲山と周辺の山群の左側に連なるのは、二子山、丸山、大霧山。
建物は施錠されているものの、地権者のご好意で敷地を開放いただいているドームの裏側には絶景が広がっていました。
特徴的な両神山の南側に連なる荒川水源の山々。
白石山から続く観音山の奥は、父不見山を手前に挟んで赤久縄山で、右側へのスカイラインに神流川左岸の山々(オドケ山、西御荷鉾山、東御荷鉾山)が並びます。
武甲山の右から酉谷山へと向かって登って行く長大な尾根と、その右に安谷川を挟んで並行に上る尾根の上端は熊倉山ですかね。
社殿の背後に鳥居がある金精神社の下が、舗装道路が登ってくる文殊峠で、道路の反対側には長若天体観測所との標識があったので、ちょっと登って見物してみます。
両神山と右の二子山・白石山。
白石山から続く観音山の奥は、父不見山を手前に挟んで赤久縄山で、右側へのスカイラインに神流川左岸の山々(オドケ山、西御荷鉾山、東御荷鉾山)が並びます。
引き返して先ほどの分岐を左に進み、竜神山を経て登山口へと下ります。
先ほど三ノ峰から見下ろしていた兎岩は、しっかりと埋め込まれた支柱にクサリが張られており、安全に緊張感が楽しめました。
左上の岩は亀ヶ岳かしら?
いや、五峰のどれかですかね。
安全すぎるのが不満だからといってクサリを乗り越えるのはやめておきましょう。
下から見ると意外と傾斜があって滑り台になりそうですが、乾燥した今日はグリップが良く効いて不安は感じませんでした。
釜ノ沢五峰の登山口がある民宿長若山荘は、思いのほか立派な建物で広い駐車場も完備されていました。
安全すぎるのが不満だからといってクサリを乗り越えるのはやめておきましょう。
10分ほどで林道に降り立ちました。
知っていればここを起点にして、後半の周回だけにしていたかも。
バスの時間調整のため、お隣のバス停にある日本武神社に寄り道しました。
思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら。
●本日の反省…公共交通機関で出かけてみたが...
秩父の山というと平地が極端に少なく自家用車を停める場所がないイメージがあり、法性寺の駐車場も参拝者以外使用禁止とのことなので電車とバスで出かけたが、時間のやり場に困った。
唯一登山に使用できる始発(西武秩父駅8:23発)で出かけると帰りのバスは、走り通しで何とか間に合う/道を間違えたら間に合わない13:36と、コースタイム6時間ちょっとよりも1時間以上長い16:21の二便が対象となり、どちらも中途半端だったので、道中はなるべくゆっくり歩き、休憩も多めにとって寄り道もしたが30分以上余り、日没前の気温が低下する中、バスの到着が待ち遠しかった。
ところが、行ってみると現地は平野も道路も広く、人家の周辺でなければクルマを停めるところは豊富で、唯一の施設である長若山荘も山奥の一軒屋ではなく、民宿としては大変精力的に経営されている物件だった。
コースはとても良く整備されていて、楽しく歩くことができましたが、長若山荘と法性寺奥の院とを結ぶ径の亀ヶ岳展望台より上に少し荒れ気味のところがあるので、そこを通らずに法性寺から大日如来往復か、長若山荘から釜ノ沢五峰の周回どちらかだけでも十分楽しめると思います。
●2025年12月10日(水)
長若中学校バス停(9:20)→法性寺(9:48)
→観音堂(9:54)→龍虎岩(10:05)
→お船観音(10:23)→大日如来(10:34)
→釜野沢分岐(10:45)→雨乞岩洞穴(11:35)
→長若山荘(11:40)→一の峰(12:05)
→三ノ峰(12:20)→四ノ峰(12:30)
→五ノ峯(12:40)→釜ノ沢五峰分岐(12:43)
→中ノ沢ノ頭(13:20)
→金精神社・文殊峠・長若天体観測所(13:32~13:46)
→竜神山(14:00)→賽の洞窟(14:15)
→兎岩(14:37)→文殊峠登山口(14:50)
→長若山荘(15:15)→法性寺分岐(15:23)
→二本武神社(15:49)
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