奥秩父 笛吹川東沢の支流鶏冠谷の右俣を遡行した記録の後半です。
左俣と右俣の出合にある25m滝を高巻いて沢に戻ったところからです。
二俣までの本流を遡った前半の記録はこちらです。
小雨が降り始める中、二俣から右俣の左岸を大きく高巻いてきて降り立った平凡な沢を遡行していきます。
但し、狭い空間を見通せる範囲で一番奥にある4mほどの小滝でちょっと引っかかってしました。
滝の手前に大木が立てかけてありますが、あの木はたしか滝の右側に立てかけてあったものではなかったのでしょうか?
仕方がないので、木が架かっていない左側から登りますが、当然上は巨岩で行く手がふさがっています。
滝に近付いてみると、右側に木が一本立てかけてありますが、落口に届く長さではなく、木を伝って上まで登っても、ツルツルの平たい岩盤のところで終わってしまいます。
どうしようとかと思い周囲を見回すと、滝の流れの中にバンドが横切っているので、思い切って右側へと横断してみたところ、水流は強いもののスタンスが安定しており、無事に横切ることができました。
あとはブロック状になった落口の右側をフリクションで這い上がります。
行き止まりというよりも、そこにはヌメッたドーム状の落口の岩盤があり、一歩のフリクションでしくじると、滝の下からやり直し状態となります。
仕方ない。
踏み跡が始まるあたりにある高さ2mくらいの岩壁の安定しているところを選んでクライミングして這い上がりました。
…下の写真の岩と草の中間あたりから這って登ってきました。 ふぅ~、やれやれ。
すぐ上の左岸枝沢から吐き出された瓦礫を越えるとナメが始まり、滝を交えながら断続していきます。
しかし、このナメはあくまで「断続」で、大雑把な感覚ではナメ2~3に対して残りは川原です。(いや、もう少しナメが多いかしら...ちょっと疲れてきたバイアスがかかっているかしら?)
それよりも、この赤いナメがとても滑ります。
もともと滑りやすいところに加えて、更に潤滑油でも塗ってあるのかというくらい滑るので、迂闊に足を置くと柔道の出足払いを食らったように派手にコケてしまいます。
横の草付きを歩くので、ナメのご利益もありません。
そして、ナメがなくなると、廊下状の沢中を歩けるので体力的には助かります。
このくらいの斜度でも、表面の凹凸の平に近いところに足を置いて行かなくてはいけません。
そして、先ほどからぱらついていた雨は、だんだんと本降りとなってきました。
バケツをひっくり返した豪雨となりました。
眼鏡もカメラのレンズもびしょ濡れで、明瞭に見えないのですが、遡行するにつれて沢の水音は轟々と大きくなり、心なしか水量も多くなってくるように感じます。
標高780mの右岸枝沢出合に着く頃には、視界もあまり効かなくなり、流れる水も黄土色に濁ってきました。
泥水が勢いよく流れる、癒されるにしては少々ゴツゴツ気味のナメは、相変わらず滑るので、脇の岩盤を登るのですが、そこもびしょ濡れになってツルツル化してきます。
なので、もっぱら草の生えているところか、砂利の上を歩いて行きます。
そして、右折する滑滝を越えると...
奥の左岸からちょろちょろ枝沢が流れ込むところで、沢は左折しています。
左に曲がると、奥に40m大滝が登場です。
滝とは全く別のところからもたくさん水が流れ落ちていますね。
この雨、一向に止む気配がないな。
さて、先ほどの右岸のちょろちょろ沢から帰路へと着くことにします。
左曲する枝沢をこの辺りまで(標高差30mほど)登ると、ピンクテープがついているところで踏み跡が横切っています。
ピンクテープに導かれて踏み跡を右手(南東)へと歩いて行くと、シャクナゲの森へと続き...
標高950mほどの登山道に合流しました。
と、思う間もなく、西沢渓谷の遊歩道に降り立った途端に爆弾の様な雨が降ってきました。
前半の記録(駐車場~左右俣出合までの本流遡行)はこちら。
●2022年7月31日(日)
西沢渓谷駐車場(7:30)→登山道
→鶏冠谷出合(入渓;8:10~8:20)
→鶏冠谷遡行→魚留滝(8:40~9:00)
→逆さくの字滝(9:50)
→左俣・右俣出合(10:30~10:45)
→右俣遡行→30m滝上(11:45)
→40m大滝下(13:00)
→1800m左岸枝沢の1860m赤テープ(脱渓;13:15)
→甲武信ヶ岳登山道(13:45)
→徳ちゃん新道→西沢渓谷駐車場(16:05)
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