2019年12月29日日曜日

権現岳 (積雪期ハイキング)

2019年最後の日曜日に、年末恒例の八ヶ岳登山にでかけました。
今年は暖冬小雪でなかなか峰々が白くなりませんでしたが、年末土壇場の寒波で雪雲がかかったので、雪化粧の山を期待して出発。


小淵沢I.C.から県道11号線を登ったところにある観音平口にクルマを停め、冬季間はクローズされているゲートを抜けて観音平への道路(県道618号線)を進みます。
6回のヘアピンカーブを過ぎて到着した富士見平で、東の空が明るくなってきました。


麓の町の灯が残る中を、ここから登山道に入ります。


登山道はすぐに一面の雪に覆われました。
ここ数年間ほぼ同じルートで権現岳に登っていますが、最も雪の量が多いです。


雲海展望台を過ぎるころには朝日が昇って、雪景色が輝くようになります。


押手川周辺でスパッツが必要な雪の量となりました。
これも例年よりかなり手前でのことです。


押手川を過ぎて5分ほどのところにある、樹林内で富士山が望める数少ない場所で休憩します。
空は快晴で、一日中天気がよさそうです。


ここからは、編笠山の東斜面を巻いていく単調な長い登りとなります。
途中1回だけ隣の尾根とその上にある三ツ頭方面の展望がありました。


雪に埋まった、樹高は低いが深い森の中を黙々と歩き続けます。


突如左手の編笠山の展望が開けて、青年小屋に到着しました。



小屋前の広場にあるベンチで、目指すギボシ方面を見ながらまたも休憩です。


青年小屋から先もまだ樹林は続きます。
ギボシ目指して編笠山と青年小屋を背に登っていきます。


樹林限界の上に出ると、ほんのすぐ先にノロシ場があり、これから登っていくニセギボシ(西ギボシ)が目の前に聳えています。


ニセギボシの右肩奥に目標となる権現岳が見えます。
左遠方は阿弥陀岳です。


甲府盆地の雲海上に浮かぶ富士山を見ながらアイゼンを装着します。


富士山ばかりでなく、その右側には南アルプスの山々もくっきりと望めます。


更に右手には西岳(写真右下)が。
写真左の山がハゲた線は富士見パノラマスキー場で、その奥は中央アルプス。
写真中央は御嶽山でしょうか。


そのまた右には、諏訪湖の先に北アルプスが連なります。
良く見えすぎて、ではなくて知識がなくて、どれがどの山なのかよくわかりません。


ノロシ場から一旦少し下って、ニセギボシにとりつきます。


右側の斜面を登っていきます。


ニセギボシの頂上付近でクサリもありますが、特にルートを気にすることもなく、登りやすいところを登っていきます。


ニセギボシに登ると、その先にある本物のギボシ(東ギボシ)が突如現れます。


ここからの標高差はさほどありませんが、両側に阿弥陀岳(左奥)と権現岳(右奥)を従えた堂々たる山容です。


振り返ると諏訪湖周辺の盆地が、さきほどよりも一層下に見下ろせます。


右に富士山を見ながら、ギボシへと向かう尾根を行きます。


山頂がグッと迫ってくると、登山道は右側をトラバースするクサリ場となります。


ここからクサリが始まります。
ここから見える範囲は、まだクサリに頼る必要があるところはないですね。
というか、慎重に行けば基本的にクサリを使わなくとも通過できます。
でも、せっかく誰かが引っ張り出してくれていたみたいなので、なるべく使って行きましょう。


最初の左カーブからはトラバースしていく先がずっと見通せます。


今年は積雪量がそれなりにあるので、雪の下に隠れる岩に引っ掛かることはあまりありませんでした。


ギボシ山頂直下の稜線に出る手前でちょっと岩を這い上がる感じのところがあります。


稜線に出ると、赤岳が目に飛び込んできました。


目指す権現岳はもう目の前です。


ここから権現小屋へは一旦下ります。


最後の登りとなるところでゲンジ梯子の下の方を見ると誰か歩いていますね。


単独の登山者が赤岳方面からやって来たみたいです。



金峰山を左に見ながら山頂へ。


反対側から見ると穏やかな表情の、越えて来たギボシ。


先ほどの見えた赤岳方面からの登山者が気になったので、話を聞いてみようとゲンジ梯子の上まで行ってみることにします。


梯子を登って来た男性は、赤岳天展望荘から5時間かけてやって来たとのことでした。
キレット付近の雪が埋まりやすく、時間と労力を費やしたとのことで、グロッキー気味でした。
お疲れさまでした。


赤岳と阿弥陀岳をここから見る限りでは、一面真っ白でもなく、そんなに雪は深くなさそうですが、積もるところには積もっているみたいです。


権現岳も岩の部分は雪が付着しておらず、厳冬期というよりは晩秋に近い様相にも感じられますが、この周辺の山の見た目は積雪量よりも積雪後の時間の方が影響するのかもしれません。


さて、それでは引き返すことにしましょう。


せっかくなので、すぐそばにあるギボシの山頂に寄っていくことにします。


山頂にある地蔵の様な石碑は雪に埋まってしまったのでしょうか?見当たりませんでした。
何もない山頂からは、これから下っていく/さっき登って来た尾根が見下ろせます。


遮るもののない山頂からぐるっと周囲を見回します。
時計と反対周りに、南アルプス。





北八ヶ岳、車山、北アルプス方面


諏訪湖・北アルプス方面


それでは、往路を引き返していきます。









富士見平からは舗装道路です。


●本日の反省
年々体力が落ちてきているように感じた。
今回は下る途中で激しく足がつり、時間がかかった。
これまでも片足の一部がつることはあったが、両足の何カ所かが相次いでつったのははじめてで、雪の量が多いことだけが原因ではないように感じた。
なんとなくだけど....

多くの人々で賑わう北隣の赤岳と比較して、年末以降GWまでのこの山域、特に青年小屋と権現岳の間は、トレースはあるものの人と会うことが滅多になく、大変静かで良いところだ。
それでも最近急に人が多くなったように感じたので、冷静に振り返ってみたところ、そんなことはなく、単に自分の感じ方の違いだった。
今回も権現岳山頂を後にしてからの稜線は、人の気配が感じられず、日常生活と乖離した光景の中に一人きり、ポカポカ陽気も相まって、いつまでもそこに居たくなるのんびりした気分に浸ることができた。

まだ子供たちが小さかった頃に、夏の家族旅行でゲートが開いている観音平への県道を間違ってクルマで登ってしまい、延々と連なる路上駐車の列を見て、世の中にはこんなにたくさん登山をする人がいるものかと驚き、早々に退散したことがあったが、今日を含めて毎年この時期に歩いているここが、あのときのあそこと同じところだとは、今だに実感できていない。
そういえば、あの路駐の連なる観音平への道は、あれ以来一度も行っていない。

2019年12月29日(日)
観音平口(5:10)→富士見平(6:05)→雲海(7:10)→押手川(7:45)
→編笠山の巻き道経由青年小屋(9:35)→ノロシ場(10:18)
→ギボシ(11:11)→権現岳(11:30)→ギボシ(12:10)
→ノロシ場(12:45)→青年小屋(13:10)→押手川(14:37)
→雲海(15:08)→富士見平(15:36)→観音平口(16:37)




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