2017年9月4日月曜日

水根沢 (沢登り)

天候不順だった8月が終わり、9月最初の週末は概ね好天に恵まれました。
朝方だけ雨だった土曜日は歯の治療と家事で忙しく、日曜の朝も子供を部活の試合に都内某所まで7:30に送ることに。


その後短時間で行けるところは無いかと物色すると、2009年の8月に訪れた奥多摩の水根沢が思い当たりました。

夏休みが終わった日曜日の都内はほとんど渋滞もなく、順調に(とはいってもたっぷりに時間以上かけて)奥多摩に到着。

奥多摩湖を作る小河内ダムのそばに建つ「水と緑のふれあい館」を見上げる駐車場からスタート。


水根バス停を横目に”奥多摩むかしみち”の舗道を登ります。
すぐに出てくる加圧ポンプ場の分岐でむかしみちと別れて左へ直進。


すぐに(むかしみち沿いではないところにある)むかしみちの休憩所があります。


8年前に訪れたときは、この休憩所で沢仕度をし、そのときに同じ水根沢を登るという初老の男性が一人でふらっとやってきた記憶があります。
10年近い時を隔てて、初老になった自分がふらっとやってきました。

当時はこの休憩所の下から入渓し、誰もいない沢を溯りましたが、今はここで入渓するなとのお達しなので素通りし、先にある作業場の奥で仕度します。

人の少ない山の中で”マナーを守りましょう”とは?長い時を隔てるうちに何か変化があったのでしょうか。


入渓してすぐの沢は、昔と変わらぬ風情ですが、とにかく水が冷たく、足の指先にしみます。
もともとこんなに冷たいところなのか、最近の天候の影響なのか、気を抜くとヤケドする温泉沢に行ったばかりの反動なのか。。。


少し行くと、早速最初の小ゴルジュの入口であるF1が見えてきますが、上に先行者が居ます。


ゴルジュの奥にあるF2を巻く仲間をここで待っているところでした。

さらに先行する大所帯がいるので、ゆっくり行くとのことで、先を譲っていただきました。 ありがとうございます。


F2への函は、左をへつると紹介するガイドもあるようですが、水深が腰くらいなので、中を歩いて滝下のテラスにマントルで上がります。
うぅ~っ寒っ。

ここに上がるのにてこずる人と、最初から側壁をあっさりへつってくる人と、様々です。
F2巻きから見下ろしたテラス

F2の少し先で、前方に人影が見えてきました。


追いつくと、全身マムートのフル装備で固めた大勢の団体さんで、ツアーみたいです。
シャワーを全身でもろに浴びながら、一人ずつ小滝に取りついていました。

ちょっと失礼して、誰も登っていない滝の左側から登らせてもらいます。
( ^ω^)・・・左の水流の上にある大きな岩にマントルで登るべく、左側の隙間からトライ!
しますが、手掛かりとなる子供の拳くらいの大きさのチョックストーンが抜けないか?との不安と恐怖で、腰が引けて敗退。


左壁の簡単なリッジから登ります。

小滝に続々と群がる後続パーティーの人々

先ほど最初のゴルジュを一緒に通過したパーティーもすぐに追いついてきて続々とマントルで?上がります。


そして、シャワーの中央を行き詰りながら登っていた子供は震えが止まりません。


すぐに小滝が3つ続く2個目のゴルジュの入口となります。
奥にはまたしても先行するパーティーが見えます。

最初の滝の左岸上に紛らわしいシュリンゲが下がっていますが、ダマシで、行っても何もありませんでした。


ここは基本的に右岸から全て中を行けます。


肝心なところにはお助けシュリンゲが常備されており、あっけなく通過。


振り返ると後続パーティーもやってきます。


この釜を越えて右折すると。。。


初めての泳ぎに遭遇します。
先行パーティーが水泳中

ここから飛び込んで一瞬泳ぎます。


全身ずぶ濡れで這い上がると、すぐに3つ目のゴルジュが狭くて暗い口を開けています。


奥にチョックストーンの滝があるこの門は、8年前は釜全体が土砂で埋まっており、膝くらいの深さでしたが、立派に復活していました。
右岸を巻けそうですが、せっかくなので寒いけど中を行きます。


底に透けて見える岩の上や、左壁の水面下のスタンスをたどりながら近づきますが、最後の泡立つ部分は足が届かず、滝めがけて飛びつき、すかさず突っ張り体勢に。
この一瞬の動作が勝負で、足を突っ張ってしまいさえすれば、後に出てくる半円ノ滝よりも簡単です。
近付いてから最後の瞬発力が。。。。

すぐ上が二段の大滝です。
下の段の右側の緩傾斜の岩を登って


そのまま上段も巻きます。


滝の水は狭いゴルジュへと吸い込まれていきます。


大滝の上は、狭い谷間に小さな釜が続くゆったりとした流れとなります。







途中休憩していた二組の先行パーティーを追い抜きます。




そしてこの上が


半円ノ滝の釜でした。
左側から簡単に巻けそうですが、ここは恒例、樋の中を突っ張りで登ります。


傾斜が緩くなってきたところから振り返る

落ち口まであともう少し

半円ノ滝を越えたら、沢登りは終了です。
ピンクテープの目印から左岸の上部を通る登山道まで登ります。
昔迷った(というよりもこの辺は踏み跡が多すぎる)登山道への踏み跡は明瞭になっていました。


沢靴を脱いでから30分足らずで駐車場に戻ってきました。
出発してから3時間にも満たない、納涼ならぬ体幹まで冷える夏の終わりの締めくくりとなりました。
水根付近から望む秋の?御前山


●本日の反省
帰路にずっと思っていたことだが、なんかコースタイムが妙に短くないか?
半円ノ滝まで行ったつもりが実は勘違いで、手前の全然別のところで切り上げてたりして。。。
いやー、半円っぽく見えたんだけどな~
写真で後からよく見てみると、直線なんじゃない?

あとでネットで検索して本物と形を比べてみよう。

今年は春から何度かロストしているので、自分の認知力に自信がなくなってきた。。。



2017年9月3日(日)
水根駐車場(10:00)→(水根キャンプ場経由作業場10:20)
→水根沢遡行→2段10m滝(11:15)→半円の滝(11:45)
→(水根沢林道)→水根駐車場(12:25)

2017年8月28日月曜日

自家用車で登る百名山 ~その15~草津白根山・毒水沢

お盆前から全く晴天が見られなくなって久しい関東地方。
夏休み最後の週末の土曜日は、北関東から前線が南下して南関東は徐々に天候が渋くなるとの予想とのことなので、思い切って関東の北部に百名山ハントしに出かけてみることにしました。

場所は今年6月半ばに数年来の火山規制が緩和された草津白根山。
これは草津温泉街の湯畑

白根レストハウスから本白根山は片道1時間足らずの簡単百名山なので、長らくの通行止めが解除された白根レストハウスから芳ヶ平への登山道の途中を源流とする毒水沢を遡行とセットで訪れることとしました。

早朝に渋川伊香保I.C.を下りて中之条方面へ向かうと、激しい雨に見舞われますが、北へ進むにつれて天気が回復し、草津に到着する頃には青空も見えてきました。

草津温泉街の上にある天狗山プレイゾーン第4駐車場に自家用車を停めてスタート。
草津高原ゴルフ場方面へ立派な車道を進みます。


矢沢川の橋の上から見る白根山方面。
頂上部の雲はまだ晴れていないみたいです。


この橋を渡るとすぐ左側に登山道の入口があります。


草津高原ゴルフ場の南縁に沿って緩やかな登りが続きます。
積雪期のスキールートを兼ねているのでしょうか、幅が広く、ところどころ木の上に黄色い旗がつけてあります。


矢沢川と本谷川の谷に挟まれた細い”蟻の塔渡り”には、両側に立派なガードレールがついています。


登山口から30分くらいで合流してくる古い林道を進みます。


常布の滝の展望地は、登山道から枝分かれする道を1分で着きます。


登山口から1時間くらいで、最初に水の流れる沢を木橋が渡ります。
ここが毒水沢。


入渓してしばらくは平凡な川原です。


流れが緩い浅瀬を見ると、そこに白い泥が薄く積もっています。


この白い泥と透明な水のせいか、淵は薄い水色をしています。


小さな滝を越えると、川底が岩盤となったナメが多くなります。


茶色いコンクリートスラブのような岩板に黒い岩をはめ込んだような特徴的な岩盤です。
遠く山の中腹くらいに大滝が白く見え始めます。


透き通った水色の水は、流れで泡立つとライムソーダみたいで思わず飲みたくなりますが、エグくてとても飲める味ではありません。
名前の通り毒入りなのでしょうか?




この小滝を突っ張りで越えたら、もうすぐ大滝に到着です。


30分少々の遡行で到着した大滝。


滝の側面には緑色の藻が生えていますが、この場所も滝も、水はまだ温かくありません。


これは登れなそうなので、左岸の巻き道を行きます。
ロープが張ってある立派な巻き道です。


大滝のすぐ上からも滝が続きます。


どんどん登ります。


すぐ上も傾斜の緩い滝が続きますが、滝の右側の岩が緑と白の縞模様となっており、湯気がでているところもあります。
近寄ってみると。。。。


穴の中から煙が上がっています。


その横の壁の岩の隙間からは熱湯が出ています。


こんな感じで滝の脇からあちこちお湯が湧いています。


振り返ると上越方面へと続く山々が望めます。


しばらく滝状の急流が続きますが、登りやすい右側の岩が白っぽい箇所はところどころお湯がしみだしており、迂闊に手をつくと熱いこともあります。
アチッ。



アチチ。
この辺りまで来たら、左岸に注目しながら進みます。


あったあった。
砂利で埋まっていますが、湯舟の痕跡です。


火傷しない様に上流から川の水を引き入れた後、中にたまった石を手足で掻き出して深くします。
が、そこに沈む大きな石を持ち上げると、アチッ。
山側の部分は底からも熱湯が湧いてきます。

5分くらいで、狭いながらも寝そべって全身が埋まるくらいの快適な湯舟(写真左下です)の完成です。


あまりの高温のため、源泉かけ流しには程遠い、沢の水かけ流しです。


上流を見ると、青空の下に滝が。
ロケーションもなかなかです。



それにしてもこのお湯。刺激が強いな。。。。
10分と経たないうちに体が溶けるかと思うくらいふやけてきます。

なので、隣りを流れる沢の深い所に入り、温泉の刺激成分を洗い流そうとしますが、なんか変です。
一向に刺激が弱くならないので不審に思い、川の水を少し舐めてみると、すげー酸っぱくて苦いぞ。
何と、温泉浴をしていたつもりが、温泉で温めた沢の水に入っていた??・・・当たり前だ。そんなの最初からわかってるだろ。
じゃなくて、沢の流れが強烈な温泉成分だった?

これは30分も入れば十分(と自分は感じた)ということで、上流に向けて出発です。

すぐ上に見えていた滝の下にも湯舟(写真右下)がありました。
湯舟はこれで最後だと思います。
この湯舟の滝は直登が難しいので、左岸を巻きます。


その上の滝もまとめて巻きます。


上流に行くにつれ、直登できない滝が増えてきます。
全て左岸を簡単に巻けます。


鉄錆の谷



谷の中だけが荒涼として、別の星みたいです。


チョックストーンの狭い屛風は、中を行けないので巻きます。


巻きの途中から見下ろします。



このあたりから源頭の雰囲気となってきます。


谷の両岸は低くなり、周囲が開けてきますが、谷底は白い岩の間を温泉水(といっても冷たいですが)が流れます。





これは水が染み出した側壁に藻が生えて黒くなった谷。




遠くに登山道を通る人が見えてきます。


振り返ると大平湿原が広がります。


そして、芳ヶ平に続く登山道に到着。
石畳状に整備された登山道の上を、遡行してきた毒水沢の源流がチョロチョロ流れていきます。


靴を履き替えて、白根レストハウスを目指します。


夏の終わりを楽しむ人々で賑わうレストハウス。


すぐ横の弓池は、駐車場の喧騒に比べると静かな雰囲気です。



さて、ここからが今日の本番になります。
気を取り直して、百名山ハントの開始。

弓池の向こうの丘に続く湯釜見物の観光客の列を見ながら、ロープウェイ駅へと続く舗装道路を歩き、営業中のコマクサリフト乗り場の横の登山道を登ります。


リフト終点への分岐を過ぎ、続く木道の道を行くと…


突然視界が開けて、眼下に中央火口(空釜)が広がります。


火口の側面を反時計回りに進みます。



ほとんどの人は火口脇にある展望所と呼ばれる丘を目指しますが、そちらには行かずに万座方面に進みます。
その丘は百名山じゃないからな。


本当の白根山は、火口の先のこの平地を通り抜けた先にあります。
(この写真を撮っているのが頂上手前)


左手に草津の温泉街が見えてきました。


ここからちょっと登ると、遊歩道最高地点なる看板が出てきて、ここをもって登頂したとみなすそうです。
三角点のある本白根山山頂は、向こうに見える丘で、立入禁止だそうです。



振り返ると、先ほど通った中央火口が見渡せます。
本白根山展望所(右端の高い所)の方がここより高く見えないか?


キャベツ畑とゴルフ場の向こうに浅間山が良く見えます。


帰り道に、皆が登っていた展望所に寄ってみます。


白根火山や志賀高原の横手山がよく見えます。
なんかこっちの方が眺めが良くないか?


反対側の軽井沢方面。
榛名山(左)と浅間隠山・鼻曲山。


さっきまで居た”遊歩道最高地点の向こう側に見えるのは四阿山でしょうか。


来た道を引き返して、ロープウェイであっという間に下山。


●本日の反省
ロープウェイを降りたら、利用者専用のシャトルバスで朝クルマを停めた駐車場まで戻る。
時間が余ったので、温泉街でまた温泉に入り、湯畑を見物。
この水も見た目はすっきりおいしそうだが、底に白い泥が溜まっているからそう見えるのか?


・草津は遠かったが、天気の予想が当たって好天に恵まれ、温泉も満喫できた。
 じゃなかった、百名山がハントできた。
・毒水沢の水は名前に違わず強烈だ。
 ちゃんと水は持参し、遡行時間も短かったので問題なかったが、帰宅後は身に着けていた衣類や装備は全て洗った。

いつか機会があれば、白根山とは反対側の芳ヶ平ヒュッテに一泊してのんびり過ごしてみたい。

2017年8月16日(土)
草津天狗山駐車場(8:30)→登山道入口(8:40)→毒水沢横断点(9:40)
→(毒水沢遡行)→大滝(10:20)→温泉(10:50~11:30)
→登山道(12:30~12:50)→白根レストハウス(13:10)
→本白根山(探勝路最高地点:14:10)→本白根山展望所(14:30)
→白根火山ロープウェイ駅(14:50)

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