2023年2月14日火曜日

三本槍岳(BCスキー;マウントジーンズ那須から)

 2023年の建国記念日の週末は、直前(2月10日(金)の朝から翌日早朝にかけて)に南岸低気圧が関東地方に久々の積雪をもたらしましたが、平野部では土曜日朝から溶けてしまいました。

ただ、山地にはそれなりの雪が降ったはずなので、普段はあまり雪が積もらない関東太平洋側の山に様子を見に行ってきました。

先週行った群馬県の鹿俣山で、たんばらスキーパークのリフトを使い、その楽ちんさに味をしめたため、今回もスキー場のトップから登り始めることができることを条件に、那須の最高峰、三本槍岳を選びました。
もともと降雪が少ない那須で、快適な滑走ができるかどうか?

栃木県那須町にある「マウントジーンズ那須」は、抜群のアクセスの良さから大人気のスキー場です。
東北道の那須高原S.A.のスマートI.C.から県道305号線を登ると、あっという間に「どうぶつ王国」の先にあるスキー場に到着です。

夏タイヤで到着した駐車場からは、エスカレーターでチケット売り場に登ります。
ゴンドラ1回券をオーダーすると、本当に片道でよいのか(帰りは乗らないのか?)と念を押されてから、隣のサービスカウンターで登山届の記入を指示されるので、素直に従います。

ゴンドラ山頂駅で降りると、すぐ上には何故かドッグランがあり、そこから圧雪車が固めた道が続いていますので、歩いて行くと、今は使用されていないスキー場跡のリフト終点手前で圧雪が終わります。
そこでキーを装着し、登ってすぐの展望台のある丘が、地形図の1462m標点です。

展望台からはトレースに従って西へと一旦少し下った後に、そのまま「中の大倉尾根」を登って行きます。

背の低い樹林の中をしばらく行くと、やがて視界が開けて周囲の山々が見晴らせてきました。

正面のスダレ山(下の写真左側)に向かって歩く方向の右側には、福島県西郷村にある赤面山の稜線が続きます。

スダレ山の左側は、朝日岳、茶臼岳といった那須を代表する山々です。

赤面山と同じくらいの高さとなる1714m標点付近まで登ってくると、ところどころでうるさかった灌木がほぼ無くなり、雪面バーンが斜度を上げてきます。

左手を振り返ると、鬼面山の先の関東平野には薄い雲海が広がっていました。
雲の上へと登って行きます。

稜線近くまで登ると、視界を遮るものがぐっと少なくなり、周辺が見渡せるようになりました。

右手には真っ白なピラミッド型の旭岳と、その奥に連なる鶴沼川沿いの山並みが見えてきました。
スキー滑走のみが目的であれば、ここから引き返すか、一本北側の尾根にある前岳、赤面山へと滑るのが良いと思います。

目指す三本槍岳は、手前の斜面だけが真っ白でスキーができそうですが、基本的にトレッキングの山です。

先ずは右手に清水平と呼ばれる平地を見ながら、微妙に凹凸がうねる台地を行きますが、ごらんの通りブッシュより上の雪は強風でほとんど飛ばされており、ブッシュを踏みながらのシール歩行となります。(ツボ足だとあちこちで踏み抜いてしまいます)

アリの行列の様に続くハイカーと共に雪面を登って行くと、一気に展望が開けていきます。

振り返ると、これまで歩いてきた平らな台地と那須連山が見下ろせるようになります。


斜面を登りきると、西側の三倉山、大倉山など、大峠の西側の山並みが登場し、奥に山頂の小さな丘が見えます。

この平地を歩いているときはかったるかったけど、見下ろすと、雲海を従えた景色は壮観です。

多くのハイカーで賑わう山頂に到着。

北西側には会津の南側、下郷の盆地が見下ろせます。

それよりも気になるのは、大峠まで下って行く尾根と、その向こう側の流石山付近の純白の斜面です。
標高差は、ここから峠まで400m、そこから流石山までは300m弱ですが、それ以上にダイナミックに感じます。
ちょっと滑ってみたいですね。
どの時期にどうやってアプローチするのが一番よいのでしょうか。

こちらはその左手にある男鹿岳周辺の山々ですかね。
その奥の遠方は日光。そこから右へ尾瀬~会津駒ヶ岳でしょうか。
いや~、天気は最高です。

展望を満喫したので、往路を引き返します。

またブッシュの平原を横切って、、

しかしここ、何とかならないのかな?
まあ、スキーで来るなってことですね。

さて、帰りのスキー滑走ですが、登ってくるときに正面に見えたスダレ山の東斜面のどこを滑るかを物色しながら引き返します。
ブッシュが最も少なくて面ツルなのは下の写真の緑色のライン(いわゆる黒川源頭)なのですが、結果的に赤いラインを滑ることになります。

先ず、緑ラインのドロップポイントに向かって、登山道を外れてブッシュの中を下って行くのですが、たどり着いた急斜面は予想通り3月中旬並みの気温と日差しを受けて、前日朝までに積もった雪がボロボロです。

どこかコンディションの良いところはないかと物色しながら、登山道の少し下側を並走しながらズルズル高度を下げているうちに、結局登山道上のブッシュが途切れるところまで下りてきてしまいました。
景色は最高なんですけどね。

もう面倒なので、ここから登山道沿いに、一番雪の多い部分を滑ってしまうことにします。

見た目は十分。中身は、モナカ雪時々片栗粉。所によりカチカチバーン といった斜面を一気に滑り降ります。
スピードを上げるとバラエティーに富んだ条件が頻繁に入れ替わるので、なかなかエキサイティングです。
横を下っていたハイカーからは、タコ踊りみたいに見えたことでしょう。

それよりも難関だったのは尾根が平坦になってからで、あまりターンすると止まってしまうので、なるべくスピードを維持しながらブッシュを回避するのですが、表面のモナカに引っかかるのと、たまに表面下の雪が空洞状となっているところでバランスを崩すのとで、3回転倒しました。
しかも全て顔面や上半身から雪に突っ込む派手な転びで、全身雪まろけ。

最後の1462m展望台手前でカラダ中の雪を払い、スキーを担いで到着した展望台で大休憩です。
ふぅ。

あとは圧雪されたコースを滑って、チケット売り場で下山の声を掛けて終了です。
スキー場は大賑わいで、ゴンドラ乗り場は長蛇の列でした。
そういえば、前日の土曜日は祝日だったのでその影響かも。

●2022年2月12日(日)
マウントジーンズスキー場・ゴンドラ山頂駅(9:00)
→中の大倉尾根→1856m標点(11:20)→三本槍岳(11:45)
→引き返し→1856m標点(12:10)
→マウントジーンズスキー場・ゴンドラ山頂駅(13:30)
→スキー場内滑走→チケット売り場(下山報告;13:40)











2023年2月6日月曜日

鹿俣山(BCスキー;たんばらスキーパークから)

 2023年の1月下旬からほぼ連続して続いた寒波も、節分を過ぎたころから緩み始めてきました。

だいぶ遅くなってしまいましたが、家から近くてかつあまり混雑していない関東のスキー場で初滑りです。
山スキーの足慣らしとゲレンデでのスキー練習の両方の目的で、スキー場トップから小一時間ほどの登りでツアールートに入ることができる群馬県沼田市のたんばらスキーパークに出かけました。
スキーパークのリフト終点からちょっと先にあるスノーシューハイクでお馴染みの鹿俣山のこれまたちょっと先から、スキー場の隣の谷である夜後沢の源頭部を滑ることにします。

標高1200mにリフト乗り場がある「たんばらスキーパーク」は、スキー場としては十分な約2mの雪が積もっていましたが、リフト運行開始の8:00の時点では曇って雪が降っていたため、天候回復の兆しが見えるまでゲレンデでスキー練習です。

青空が広がり始めたので、リフト2本を乗り継いでスキー場の一番上に9:30に到着し、先行者のトレースを辿ってシールで登り始めます。
ちなみにここまでは、チケット売り場から出発する第1リフトを降りたら3本あるうちの真ん中・正面の第2高速リフトでやってきました。

木々の枝にはさっそく、ゲレンデにはなかった霧氷が白く凍り付いています。

短い急登を登ると一気に視界が開けて、背後には玉原湖が、右手の雪庇の向こうには赤城山や榛名山が見えるようになりました。
平坦な稜線のすぐ先が鹿俣山の山頂です。

鹿俣山からは、右に雪庇が続く尾根をちょこっと下りながら、まだ雲が取れない武尊連峰に向かって行きます。

大展望を見ながら稜線を行くと、山に懸かっていた雲が段々晴れてきました。

左側の樹林が疎らなところでは、雪庇の上を避けるために林の中を歩いて行きます。

さきほど通過した鹿俣山を見下ろすくらいになってくると、滑走起点の目安となる地理院地形図の1686m標点となります。

ただ、景色に気を取られているうちにちょっと通り過ぎてしまったみたいです。
この好展望の丘で滑走準備します。
ちなみに、夜後沢源頭を滑る場合、1686m標点を意識する必要はなく、(最初は片傾斜となる左岸斜面を滑ることになるので)鹿俣山を過ぎた下りが登りに変わってから、進行方向左手の樹林が滑りやすそうだと感じたところから滑り始めた方が、自然に滑れると思います。

それでは、まだ雲が懸かっている谷川連峰の左側の平標山あたりに向かってスタート。

白く凍った樹林内を快適に滑ります。
沢芯がトレンチ状になっているので、左岸斜面を斜って滑りますが、雪質は思った以上に当たりかも。
減速すると止まり気味となるので、スピードを落とさずに一気に滑ります。

するとたちまち、傾斜が緩くなって雪原の様になります。
(止まってしまわないくらいの傾斜は続きます。)

スタートから標高差300mくらい滑ると、右岸の方が滑りやすくなるので乗り移って、少々行くと標高1280mほどで右岸から枝沢が合わさります。

その後は、緩やかに左曲していく沢の水が流れていない場所を選び、沢を横断しながら距離にして600mほど行くと左岸から枝沢が合流します。

↓写真右奥が下って来た夜後沢と枝沢の出合で、左の枝沢は直前で更に枝沢が合流しています。
渡渉が必要ないここで滑走終了。

枝沢同士のこの中間尾根を登って行くべく、切れ込んだ沢の積雪部を一気に滑り抜けて尾根の末端でシールを装着します。

南に向けてブナ平付近の1323m標点に向かう小尾根は、ちょっと混雑気味の針葉樹林ですが、標高差130mくらいを我慢して登って行くと、地形が平坦となるところから一気にブナの森に変貌します。

平坦な雪原を彷徨い、たぶん1323m標点であろうところで休憩。

あとはゲレンデに戻るべく、歩きやすそうなところを東南東方向にテキトーに歩いて行きます。

1432m標点に向けて登りの傾斜が増したなと感じる間もなく、右方向にスキーコースを滑るボーダーの姿が見えてくるので、素直にコースに合流して終了です。

●本日の反省
遅ればせながらのシーズン開始にあたって、ちょうど良い足慣らしができました。
と思ったところが、帰りの車中で足が攣りまくった。
リフト終点から標高差100mくらい登っただけなのに...
いや、その後に1日券料金を取り返そうと意地汚く営業終了まで滑った影響か?
そういえば、わざわざコブができているところを選んで滑っような気がするが、あれが良くなかったのか。
まあ、全部の影響かな。

リフト1日券¥5,000(シニア¥4,200)、1回券だと¥550
うぅ~ん。微妙だ。
まあ、ここまでの往復でそれ以上かかっているので、たくさん滑っておいた方がよいのだろうが。

●2023年2月5日(日)
たんばらスキーパークトップ (9:35)→鹿俣山(10:00)
→1685mピーク (10:35)→夜後沢滑走
→1170m二俣 (11:40)→1323m標点(12:40)
→たんばらスキーパークコース内(第4リフト乗り場の少し上;13:25)







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