2021年4月25日日曜日

金時山・明神ヶ岳 (ハイキング)

首都圏の日帰りハイキングのド定番、箱根の「金時山」です。

時期もゴールデンウイークを一週間後に控えた4月下旬です。

ど真ん中・直球のハイキングに行ってきます。


小田原と御殿場を結ぶ国道138号線沿いにある公時神社に隣接するゴルフ練習場の駐車場からスタートです。
午前8時すぎに到着したときは、練習場前の駐車場は既に満車で、あわてて残り数台分の空きとなっていた国道向かい側に停めます。
料金はどちらも¥500です。
老若男女、家族連れ。様々な人々が登山道に向かっていきます。
追記;本稿記載直後の2021年4月28日に、県道731号線(矢倉沢仙石原)通称「はこね金太郎ライン」が開通し、同ライン矢倉沢峠トンネル足柄側出口にある駐車場から約一時間(標高差340mくらい)で金時山へ登れるようになった模様です。
金時山のみを目的とされる方は計画前にルート確認をお勧めします。


登山道に向かう人達ばかりではなく、降りてくる人も結構います。
スタートしてすぐの神社の脇を通る時点で、早くも数組とすれ違い、以降山頂までは頻繁にすれ違いと抜きつ抜かれつを繰り返すことになります。

ゴールデンウイーク前後はスミレの季節でもあります。
日当たりの良い登山道の脇には薄紫のスミレが点々と咲き続けています。

標高1000mに近付くと、スミレに混じってキンバイのような黄色い花も増えてきます。

神社を出発してから、花を見ながら登ること約一時間20分ほどで金時山の山頂に到着です。

ほんの少し煙っているものの、北の富士山から南の大涌谷・神山までキレイに見渡せました。

散りかけている山頂のマメザクラを横に、お隣の明神ヶ岳へと向かうべく、先ずは登って来た径を引き返します。

明神ヶ岳へは、神社からの径が稜線にでる分岐(登山地図の「公時神社分岐」)を直進して下っていき、金時山よりも標高330mほど低いところにある矢倉坂峠まで、さらにどんどん下っていきます。
あまりに一気に下り続けるため、麓の仙石原に着いてしまいそうに感じるくらいで、実際、神社から山頂までの標高差の6割近くを失います。

2つの山の最低鞍部となる矢倉沢峠の少し手前から、明神ヶ岳(左後方の平坦な部分)方面を望むと、スズタケの斜面の中にこれから進む道が登っていくのが見えます。

休業中の「うぐいす茶屋」が立つ矢倉沢峠では、金時登山口バス停へと下る径が分かれます。
というか、金時山の登山道から明神ヶ岳方面への径が分かれるというのが実態に近く、茶屋の裏から明神ヶ岳へと向かう径に入ると、登山者の数がぐっと(10分の1よりも)少なくなりました。

登り返すスズタケの径から金時山を振り返ると、あちらも山裾は一面の笹原です。

見晴らしの良い道をグングン登っていくと、金時山全体が見えるようになり、その左側にある長尾山の右肩から富士山がニョッキリ頭をだしてきます。

登るにつれて、富士山はだんだん背が伸びてきて、以降だんだん小さくかつ雄大という相反する要素の両方を強くしていきます。

だんだん背丈が高くなるスズタケの中の径からは、時折箱根の中央火口丘と大涌谷の噴煙が見え、時折振り返ると富士山が見えることがあったりします。

登山道が凸を通過するところには、展望が切り開かれた場所があり、仙石原や芦ノ湖などがあるカルデラの底が見渡せます。
天空というにはかなり低いですが、山麓の様子が手に取るようにわかる高さからの眺めは、平凡な言い方ですが、自分がガリバーになった気分です。

深い笹の間を進む苅川峠から、登山道は正面の平坦な火打石岳の左(北)側を巻くように続き、笹原は林へと変わっていきます。

火打石岳を巻いた後、登山道は明神ヶ岳山頂に向けて、標高差250mほどを登り続けます。
平坦な山頂部に乗る少し手前にある展望が開ける場所から、先ほど出発した金時山を振り返ります。
富士山は本当に大きく成長しました。

山頂付近の平坦な径沿いには、ドウダンツツジの仲間がたわわに花をつける木が散在しています。

ところどころにあるマメザクラ(ハコネザクラ?)は最後の花期のようです。

明神ヶ岳の山頂は多くの人々で賑わっていました。
部活かなにかかと思うような若者の集団もあり、それまで歩いてきた径の、たまにトレランの集団とすれ違う程度だった静けさとの違いに驚きます。

小休止したら、宮城野へと最短ルートで下りましょう。
平坦な山頂の尾根を500mほど歩くと、登山道は宮城野めがけて一気に下っていきます。

明神ヶ岳は金時山よりも40mほど低いですが、降りる宮城野はスタートした公時神社よりも200mほど低いところにあるので、登った以上に下ることが実感できます。

自然林の中を下った後にでてくる、別荘地脇に続く暗い階段の径が更に長さを助長します。

宮城野の集落の外れに降り立ってからも、標識が要所に設置されていて迷うことはありません。
また、本日のコースは全体に道標が完備されており、字を読み間違えなければ迷うことはありません。

最後は、箱根登山バスの営業所前に出ます。
セブンイレブンと中華料理店の向かい側にあるこの建物の前がバス停で、御殿場プレミアムアウトレット行きに乗ると、公時神社の前で降りることができます。
ただ、御殿場行きのバスは本数が少ないので、あらかじめ時刻を調べておくか、桃源台行きのバスで「仙石」で下車し、国道を乙女トンネル方向へ1㎞弱歩いて神社に停めたクルマに戻ることになります。

思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら


●2021年4月24日(日)
公時神社(8:20)→金時山(9:35~9:45)
→うぐいす茶屋(10:30)→明神ヶ岳(12:45~13:00)
→宮城野(14:45)




●本日の反省
人が多かった。
まあ、春の良い日に定番かつ人気のハイキングコースを選んだので当たり前だが。。
ちなみに、金時山は季節や条件の良し悪しにかかわらず、毎日登る人も相当居るそうなので、休日ならいつ訪れても密傾向となることは避けられないと思う。
2つの山どちらも、ガイドからは外せない定番だけあって、視界が開けてさえいれば期待を裏切らない展望得られるので、行くか行かないかは人の多さ(と、茶屋が必要な人は金時山)の好み次第だと思う。

2020年の山の日に撮影

個人的には2つの山の中間にある矢倉沢峠と明神ヶ岳の区間が、展望がよく変化に富んでいて、とても気に入っている。

金時山のピークハントに拘らなければ、明神ヶ岳側からスタートして富士山を見ながら矢倉沢峠へと徐々に下っていくのもおススメだ。

但し、もしかすると登山道の混雑によるバイアスがかかった感想かもしれないので注意してください。

2021年4月12日月曜日

会津駒ヶ岳(BCスキー)

 シーズン突入時は記録的な大雪に見舞われた2020~2021年の冬ですが、2月下旬からは季節が前倒しとなり、桜の開花も平年より2週間近く早くなり、4月に入るころには関東の山々から雪がほとんど消えてしまいました。

仕方がないので少し遠出をして、関東に一番近い東北の会津を久しぶりに訪れることにします。


ここは福島県檜枝岐村にある会津駒ヶ岳の登山口への入口です。
国道に架かる滝沢橋脇のバス停が登山口への林道の分岐となっていますが、この時期の林道は車両通行止めでバス停周辺にも駐車場がないため、国道を歩いて5分ほど下ったところにある村営グラウンドにクルマを停めて歩いてやってきました。

バス停から見えたトイレの建物のすぐ先から林道は雪で覆われています。

ところどころで路面が顔をだす林道を、トイレから300mほど登ると、道路は橋を渡って右にカーブしていきますが、正面の沢は雪が残っていて林道をショートカットできそうなので、行ってみることにします。

目論見通り林道下部の屈曲をショートカットし、登山口の階段のすぐ下にあるヘアピンカーブに到着しましたが、この最下部のショートカットをスキーで滑るのは困難なくらいの積雪量でした。

さて、このヘアピンカーブどん詰まりの沢状の地形には雪がたくさん残っていましたので、シートラで歩いて登る登山道を敬遠して写真左側の残雪の沢型を登っていくことにします。
登り始めた沢は、最初の標高差100mくらいは順調だったものの、上部の尾根に近付くにつれて傾斜が急となり、ブッシュも顔を出すようになり、さらに尾根沿いを登るようになると、ところどころで雪が途切れてブッシュの中を歩くようになりました。

そんなこんなで思いのほか時間を要してしまい、アンテナ跡で登山道に戻るまでに、コースタイムの倍近い1時間近くかかりました。
展望の良いアンテナ跡で一息入れながら反省です。

登山道を進む方が圧倒的に早くて確実、それに何より楽な状態でしたが、帰り道で何も知らずにブッシュの尾根に突っ込んではいけないことを学習しただけでもよしとするか....

さて、アンテナ跡からは、固く締まった雪の上を歩いてゆきます。

微妙に緩急が変化し、時折細くなったりする尾根の上を、春の固い雪を踏みながら登っていきます。
お昼前ですが早くもスキーヤーが下ってきました。

高度を上げるにつれて、それまでのブナ林は徐々にシラビソへと変化し、右隣に見えている大戸沢岳の南西尾根も白く変わってきました。

ここまで来れば樹林限界を抜けるのはもうすぐです。
徐々にすれ違う下りの登山者が増えてきました。

そして、駒ノ小屋が近づいてくる標高2000m少し下くらいから、視界が一気に広がりました。
右手の大戸沢岳方面に向かう尾根が真っ白です。
あそこの手のついていないところを滑ってみたいなあ。

駒ノ小屋からたくさんの登山者が引き揚げてきます。

あと少しで山頂です。

小屋を背に下山ラッシュとすれ違いながら最後の登りへと向かいます。

お昼をかなり回った時間にようやく登頂しました。

登って来た方向を振り返ると、正面に尾瀬の山々。
その左は日光、右は越後の山並みが一望できます。

中央の燧ケ岳(左)と至仏山(右)をアップ。

山頂の北には中門岳へと続く稜線が続きます。

雪庇が続く平坦な尾根の先にある中門岳から右の御神楽沢源頭に下りていく尾根に一本のシュプールが見えます。(写真にはよく写っていませんが、肉眼ではよく見えました)
…このときの印象に影響を受けて、今から二年後の2023年の春にここの尾根を滑ることになります。

そして、これが登って来たのとは反対方向、真北の坪入山方面の眺めです。

山頂に来るまでにすれ違ったスキーヤーからは、気温上昇とともに雪質が重くなり「滑るのが苦行」とのコメントをもらっていたので、少々時間稼ぎを兼ねて日当たりの少ない北斜面を試してみたいと思います。

山頂北側の雪庇の脇から滑り降りたボーダーが登って来たので、同じところをここから滑ってみることにします。

お。雪煙は立たないものの、なかなかいいぞ。

ボーダーが飛び降りた雪庇を横目に見ながら滑っていきます。

登り返してきたボーダーに挨拶して、更に下の疎林へと降りていきます。

北斜面の樹林の密度はざっとこんな感じで、ところどころに開けている樹木の無い斜面を選んで滑ります。

木々の間からは御神楽沢左岸の真っ白い斜面が垣間見れます。

少々の時間、快調に滑り降りたのですが、ちょっと気がかりが生じたので、この辺で一旦やめにして登り返してみましょう。

おお。やはりスキーが雪の棒になってしまいますね。
滑っているときは、時折ストップ雪の気配を感じるくらいで、あまり違和感はなかったのですが、急速に湿雪化がすすんでいました。

もう少し雪が軽いかザラメのどちらかならば、そして、朝の登り始めでもたつかなければ、あの東斜面のどこかを滑る素晴らしい体験ができたかもしれませんが、本日はお預けみたいです。

湿雪で膨れ上がったスキーを引きずりながら駒ヶ岳の稜線の一番低いところを目指して登り返します。

間登り返すこと30分少々で、駒ヶ岳東側にある2098m凸とのコルに到着しました。

ここからは、帰路に向かって無樹木(時折疎林)の緩斜面を一気に滑走していきます。

3時間ほど前のスキーヤーのコメントとは異なり、日照で表面が適度に溶けた雪の上を快適に滑ることができました。
登山道の尾根上に滑って到達できそうな高さからトラバース滑走に入ります。

登って来た登山道の尾根は、下るにつれて雪面が細くなるところが増えてきますが、標高1500m付近までは尾根の左下(北側)の斜面に入ると楽に滑走することができました。(但し、下りすぎて尾根に戻れなくならないように注意しましょう)

アンテナ跡からも登山道の上を滑りますが、尾根が細くなるのと雪が少なくなるので、両側の沢に落ちないように標高差100mくらいの距離を小回りターンで強引に下ります。

そして、登山道が尾根から南斜面に移るこの看板のところで、滑走もおしまいとなりました。

スキー装備一式を担いで時折泥だらけとなる登山道を下ります。

林道にでたら、夏山登山と同じ要領で国道まで下ります。

出発するときは満車だった村営グラウンドの駐車場は、グランドで遊ぶ人の地元ナンバーのクルマだけが停まっていました。
みんなずいぶん早いのね。自分が遅いのか??


●2021年4月11日(日)

桧枝岐村営グラウンド駐車場(8:10)

→駒ヶ岳滝沢登山口手前林道カーブ(9:00)

→アンテナ(ヘリポート)跡(9:50)

→会津駒ヶ岳(12:50)→山頂北側滑走→山頂東側コル(13:50)

→滑走(往路引き返し・アンテナ跡からは登山道)

→駒ヶ岳滝沢登山口 (15:20)→村営グラウンド駐車場(16:10)




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