2018年1月9日火曜日

赤岳→硫黄岳 (積雪期ハイキング)


12月初頭の寒波襲来以降、しばらく暖かい日が続いた2017年の12月。
ライブカメラで見る八ヶ岳の稜線も徐々に黒い色が目立ってきたとおもいきや、クリスマス前後から始まった冬の寒波で本当の冬入りとなるか。
高層天気図の等高度線が一瞬緩んだ年末の1日に再度八ヶ岳へ。


諏訪南I.C.から美濃戸口へと向かう道路は、期待に反してドライ状態で、夏タイヤのままで美濃戸口に到着。
このまま美濃戸まで行けるのでは?と一瞬思うくらいのあっけなさだったが、そこまで甘くはないだろうと思いなおして、美濃戸山荘の駐車場(コーヒーサービス付き1日¥
500)にクルマを停め、明け方の空が白み始めるころにスタート。


カチカチに凍結した林道を歩いて美濃戸に着く頃には、周囲はすっかり明るくなり、阿弥陀岳は期待通りの白さだった。


南沢沿いの登山道を1時間少々進むと、視界が開けてお馴染みの景色が登場した。

一旦林の中を進み、再度視界が開けたら、赤岳が目の前に。
もうすぐ行者小屋だ。


美濃戸口から2時間40分で行者小屋に到着。


すぐ上には、これから行こうとする稜線。


こんもりと雪をかぶった森の上には阿弥陀岳が聳える。


一番右(南)奥には赤岳。


先ずは地蔵尾根を登って行く。
樹林内の登坂をしばらく行くと、ハシゴの急登のところで樹林限界を抜け出し、一気に視界が広がる。


つい先ほどまで見上げていた大同心の岩峰群もぐっと近づいた。


稜線までもう少し。


地蔵の頭に到着。
行き交う人は地蔵の撮影にご執心だ。
ところでこの地蔵様、こんなに綺麗で新しかったっけ?


中岳、阿弥陀岳とも肩を並べそうな高さまで来た。


今日の主目的は横岳を通って硫黄岳へ行くことだが、ここまで順調に来れたので赤岳に登頂していくことにしよう。


展望荘の横を通って赤岳山頂へ向かう道は石ころのだらけ。雪が積もらなかったのか、強風で飛ばされてしまったのか。。。


山頂が近付くと少し雪が増える。
それでも例年と比べると岩だらけといった感じ。


さっき前を通った展望荘がだいぶ下になってきた。
あともう少し。


赤岳頂上山荘に到着。


すぐ隣にある山頂へと進む。


山頂に到着。
素晴らしい天気で、360°遮るものの無い見晴らし。


北東方向から一周見渡そう。
頂上山荘右側には西上州の山々。


その右は奥秩父の山々で中央が金峰山。(手振れでボケてます)


そして甲府盆地の先に富士山。


お隣の権現岳の先に南アルプス。


阿弥陀岳の左奥に中央アルプスの山々。右に御嶽、乗鞍岳。


北アルプスの山々


そして北にはこれから行く南八ヶ岳の稜線。


展望を満喫した後は、一旦地蔵の頭に戻って稜線を北へと進む。


二十三夜峰へと登る途中で振り返る。



それにしても雪がほとんどない。
ハシゴも全部露出し(結局コース上のハシゴは全て埋まっていなかった)、難所と言われる中央上部の雪のルンゼも簡単に取り付くことができ、登山道のチェーンも見えていた。


鉾岳の手前くらいからようやく登山道が雪で埋まるようになる。
しっかりしたトレースが峰を左右に縫って進む。


北側の斜面は雪が多い(様に見える)


稜線西側のすぐ下を進んで行く。



このあたりから稜線を東側に越えて、


石尊峰へ向けて岩の間を登っていく。


振り返ると、眼下に先ほど通ってきた登山道のトレースが見下ろせる。


石尊峰に到着。
奥ノ院がだいぶ近付いてきた。


あれ?こっちの凸が石尊峰だったっけ?


少し行くと三叉峰で東側から杣添尾根が合流して来る。
あちらからも登ってきた数名分のトレースがついていた。


反対側には平らな霧ヶ峰の向こうにアルプスの山々が。


三叉峰から少し登り、越えてきた稜線を振り返る


先にある短いハシゴを登ると奥ノ院だ。


到着。


眼下には岩峰群が見下ろせる。



そして、先には硫黄岳のなだらかな山容が広がった。


さて、ここからはルートの難所と言われる稜線を下る。
先ずは登山道のチェーンに沿って少し降り、、、


行き詰まりで右(東)側のハシゴを下る。
(稜線自身の影で見難いが、この真下に降りていく)


ハシゴの先を少し進むと、稜線の反対側(西側)のクサリを下る。


見上げると、先ほど通った稜線のクサリが見える。
(ちょうど後続の人が通ったので撮影したが、見えなくなってしまった)


硫黄岳を見ながら右側のクサリをちょっとトラバース。


また東側に戻ってここをトラバースして終了。
クサリは使えるところは全て露出していた。


越えてきた奥ノ院を振り返る。


ここから先にはもう細い稜線は無い。
ずーっと見え隠れしていた富士山とはここでお別れ。


石ころだらけの広い斜面を下って行く


あまりに雪が少ない石ころ道なので、硫黄岳山荘の風下にある駒草神社の前でアイゼン・ピッケルを外して、壺足とストックの林道歩き装備に変える。
越えてきた台座ノ頭は見た目真っ白だが、実際は雪の上を歩ける感じではなかった。


ほぼ夏山登山みたいな装備で硫黄岳へと登る。


最後のピークに到着。


歩いてきた稜線が一望できる。


先には北八ヶ岳の山々。


爆裂火口を覗いてみる。


ベタなコースだが、はるばる来たもんだ


さあ、それでは右下の赤岩の頭手前のコルに向けて下山しよう。


下ってきた硫黄岳


ここからは樹林に入る。


森の中に入ると、石ころだらけの稜線とは打って変わって、雪がたくさん積もっていた。



モコモコの森の中を下る。


賑わう赤岳鉱泉。


日没前に戻ってきました。


●本日の反省
特になし。
底の堅い登山靴でたくさん歩いたので足が痛くなった。

このルートは近くて便利、雪が少なくて簡単。最高の景色で2017年を締めくくることができました。


2017年12月30日(土)
美濃戸口(6:30)→美濃戸(7:10)→行者小屋(南沢経由9:10~9:40)
→(地蔵尾根)→地蔵ノ頭(10:40)⇔赤岳(11:20往復)
→横岳・奥の院(13:10)→硫黄岳(14:10)→赤岩ノ頭(14:30)→
赤岳鉱泉(15:00)→(北沢経由)→美濃戸(15:55)→美濃戸口(16:45)

2017年12月17日日曜日

権現岳 (積雪期ハイキング)

この冬一番の冷え込みが日々更新され続ける12月の初旬。
金曜夜の首都圏に冷たい雨が降った後の一瞬の寒気の緩みを狙って、新雪が積もっているはずの八ヶ岳へ。

チェーン規制開始となる中央自動車の小淵沢I.C.で一般道に降り、県道11号線の上り坂の途中でチェーンをつけて観音平口のゲートまで。


前夜うっすらと積もった雪の上には二人の先行者の足跡が。
しかもこの二人は道の駅の方から歩いてやってきたみたいです。


舗装された林道を行く足跡と別れて自然歩道ハイキングコースの方へと右折すると日が登ってきました。


左折してハイキングコースの防火帯を、南アルプスの山々を背に登ります。


正面には目指す権現岳が朝日に輝きます。


防火帯は途中から登山道に変わり、ヒカリゴケの岩屋の前を通って観音平に到着。
ここからは登山道を行きます。


観音平から一時間弱でベンチのある「雲海」に。
ここで先行者の方一名が休憩していました。
二人組かと思っていたら、別々で先頭の方とは顔を合わせてはいないとのことでした。


以降はこの方と前後しつつ進みます。
雲海から一時間弱で押手川の先にある展望スペースに。


さらに一時間半で静まりかえる青年小屋に到着です。
ここに至る途中の、編笠山の山腹をトラバースする登山道の途中で、先頭の方のトレースが消えてなくなりましたが、なぜか小屋で復活していました。


トレースを使用させていただきながら最後の樹林帯を登り、標柱の立つノロシ場に到着です。


ノロシ場から見上げるニセギボシ(西ギボシ)と、奥に見える阿弥陀岳。


ニセギボシの右奥には権現岳の山頂部も見えます。


そして、これまで閉ざされていた下界の視界が一気に広がりました。


ニセギボシの岩壁に見守られながらアックスとクランポンを装着し、南面(右側)を回り込む登山道を歩いて山頂のすぐ裏手に出ると、


目の前にギボシ(東ギボシ)が登場します。
背後の権現小屋も間近に見えます。



振り返るとニセギボシの先には諏訪湖が。


登山道は稜線上を進んだ後、ギボシの南側を巻いて登って行きます。


山腹を登ると、だんだん岩の露出が多くなります。


振り返ると、南アルプスの山々がほぼ同じくらいの高さとなってきました。


コーナーを曲がると、傾斜が急となりクサリ場が始まります。
雪が横一線に付いているところが登山道で、鎖はほとんど見えていました。


クサリ場を通過して稜線に出ると権現岳は指呼の間です。
ここからギボシのピークまでは50メートル足らずですが、細い稜線に新雪が中途半端に貼り付いておりちょっといやらしいので、そのまま権現岳に進もうとすると、向こうから人がやってきました。


もしやトレースをお借りしていた本日最初の先行者の方かと思い声をかけると、ギボシを目指して天女山から来られた方でした。(後にSNSでsprout氏であることがわかりました)
ここで会ったのも何かの縁なので、やはりギボシに登って行くことにします。

リッジの新雪をかき分けてギボシの山頂に到着。


先へと続く尾根は立場川本谷へと落ちていきます。


そして眼下には登ってきたトレースのついた尾根が。


遮るもののない山頂からは、周囲が全て見渡せます。



雲がかかる赤岳を左に見ながら権現岳を目指します。
だんだん空が暗くなってきました。




山頂からは、引きつづき南側の景色が良く見えます。
三ツ頭の先に甲府盆地。


こちらはさっきまで居たギボシ。


さて、来た道を引き返すことにします。
雲海から一緒に登ってきた方はキレット小屋まで進んで泊まるとのことなので、権現小屋で別れを告げます。

下山するにつれて、一段と風が強くなって雲は暗くなり、八ヶ岳の山々も徐々に雲に覆われてきました。


ノロシ場の少し上で立場川の谷を見下ろします。


青年小屋を見下ろす陽だまりで装備を解除。
あとは長い下山のハイキングです。


 針葉樹の暗い森をひたすら下ります。


雲海からは登路とは異なる富士見平への登山道を下り、


富士見平からは舗装道路を歩いて、夕暮れのゲートまで戻りました。


●本日の反省
体力の低下を痛感した。
あわよくば赤岳まで行けるかもしれないと、かすかな期待をしていたものの、自宅の出発と小淵沢でのチェーン装着にもたつき、アプローチでも遅々として進まず、あっという間に時間を食いつぶして、青年小屋の遥か手前で期待は粉砕された。
まあ、その分山頂付近でゆっくり過ごせたからいいか。

帰ってきてヤマレコに記入し終えると、「最近の登山で会ったかも?」の項目に、最初のトレースを刻まれた方の投稿が。
自分よりも年長のsandyouさんは、終電を使用して午前一時に小淵沢の駅を出発し、暗闇の編笠山巻き道でのロストをリカバーして、夕方までにな・なんとオーレン小屋まで到達したとのことです。恐るべし。
素晴らしい熱意と体力に思わず拍手!!!


2017年12月9日(土)
観音平口(6:45)-(自然歩道ハイキングコース)→観音平(7:45)
→雲海(8:35)→押手川(9:20)→編笠山巻き道経由青年小屋(10:55)
→ノロシ場(11:30)→ギボシ(12:35)→権現岳(13:00)
→ギボシ(13:00)→青年小屋(14:10)→押手川(15:15)
→雲海(15:50)→富士見平(16:35)→(舗装道路経由)観音平口(17:15)

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