2022年の暮れも押し迫った平日に、房総半島・鹿野山にある九十九谷にお出かけしました。
きっかけは、書店で立ち読みしていたYとK社の山の雑誌(11月号)の季節の山歩きコーナーに紹介されていたからです。
確かここはもともと荒れていたところに数年前の台風で廃道同然になっていたと思ったのですが、全国区で紹介されるからにはきっと安心・安全に整備されなおしたのだろう、と思い立ちました。
記事のサブタイトルが「静寂に浸る晩秋の山」となっていたのが、今から考えるとちょっと引っかかるのですが...
ここは君津市の九十九谷展望公園の駐車場です。
マザー牧場がある鹿野山上の平坦地の東端にある公園では日の出前からなのか、日の出前だからなのか熱心に人が集います。
重なる山襞の間を埋める朝霧に陽が差し込む幻想的な風景がここの売りですが、師走の冷え込んだ時期にもかかわらず、この日の霧はいまいちでした。
今日の目的は、展望台の名前にもなっている足下に広がる黒い谷の中です。
朝日が差し込み周囲が明るくなると、下の谷間は一層暗く、そこに闇夜が止まっているかのように感じられます。
上から見下ろすと真っ暗だった谷の中から見上げる山上は輝いて見えます。
踏み跡はインゼルの様な湿ったところへと入って行くため、最初は登山道とは思えずに20分くらい周囲を捜索しましたが、間違いなく右岸の湿地の踏み跡が正解です。
白いテープ(何故かプラスチックが溶けかかっているのですが、)のマーキング沿いに進んでいきます。
もう一度右岸へと渡り、この踏み跡を登ります。
トラロープを頼りに斜面を登り稜線に出ると、踏み跡は一旦比較的明瞭となり、間もなくウバメガシ二本と腐った道標がある160m標点に着きます。
160m標点から先は踏み跡は少し荒れてきて、小さな稜線の右(北)側をトラバース気味に進んだ後で、倒木の根本から右隣の稜線に乗り換えます。
乗り換えた先の稜線は、倒木はあるものの径は明瞭となりますが、2つ目の160m凸(最初の160m標点を数えると3つ目の凸)を北で巻くところが崩れています。
今日の目標は白鳥神社がある展望公園なので、ここからは林道跡は行かずに正面の尾根を北西に向けて登って行きます。
崩れたトラバースの踏み跡は通れなくもなさそうですが、一旦スリップするとストンとどこまで落ちていくのかがわからない房総特有のコワさがあるので、160m凸から見下ろしながら回避して行きます。
この凸を越えたところから径は太くなり、最初に尾根に当たるところからは明瞭な林道跡となって西(左)側へとトラバースしていきます。(ガイドブックなどでは、この尾根に取付く場所を「林道合流点」と呼んでいる様です)
踏み跡がある尾根を標高80~90mほど登ると、南から北上してくる尾根と合流します。
この尾根の分岐は、逆方向から下ってくると気付かないだろうなあ。
合流した尾根を更に標高差50mほど登ると、傾斜が急になだらかとなり、鹿野山ゴルフクラブの東端にでます。
ティーグラウンドの位置と向き、ティーやグリーン上のプレイヤーの有無などから、ボールが飛んでくるタイミングの危険予知をしながら、展望公園に到着です。
ゴルフコースの境界フェンスは、ゴルファーのコースアウトを防ぐだけの目的で設置されたもので、その低さと目の粗さは飛来するボールの防御が全く期待できず、ここから展望公園までの間が今回最も危険な区間となりました。
足下には九十九谷が横たわります。
日の出を見た駐車場に戻って、デポしていた自転車に乗ります。
クルマを回収する前に山上の寺社見物をしていきます。
先ずはお隣にある白鳥神社。
鳥居の先を横切るゴルフカートの通路の奥が社殿で、そのまた奥を登って行くと日本武尊草薙の石碑がありました。
だとすると、千葉県で標高379mのここより高いところは408mの愛宕山レーダードーム周辺だけという場所です。
次は県道を700mほどマザー牧場側に行った神野寺に参拝です。
関東最古のお寺とのことですが、我々の世代には70年代終わりにあったトラ脱走事件の方が記憶に残るところです。
…虎が脱走したことよりも、それがきっかでで中止となったマザー牧場のコンサートに出演するはずだった忌野清志郎が、代わりに渋谷で実施した「トラ追悼コンサート」によってトラ事件を知りました。
最後に、そのまた先にあるはずの春日峰を参拝しようとしたら、国土交通省のゲートが閉まっていました。
この後で訪れた請雨山と烏場山の記録はこちら。
思い立ったらすぐ行ける。 その他の首都圏近郊ハイキングの記録はこちら。
●本日の反省
①春日峰、春日神社はどこだ?
帰ってきてから確かめてみると、明らかな下調べ不足でした。
神社は春日峰の国交省のゲートの近くにあるみたいです。
しかし、白鳥神社/白鳥峰と春日神社/春日峰を勘違いしてSNSに書いている人の方が多いような気がする。
もしかして、勘違いしているのは自分の方か?
②またしても、登山道で道迷い
同じ千葉で今月2回目の道迷い。
まあ、今回は「迷った」というよりも、「探した」に近いからいいか。
九十九谷の登山道は、千葉県標準仕様のワンダーランドでした。
奥多摩や丹沢の登山道をイメージして行かないようにしましょう。
径の状態はむしろ、丹沢などで登山道から木の棒などで通せんぼして分岐している作業径に近いです。その作業径からはさらに別の作業径が分岐していて...
●2022年12月29日(木)
秋元城址駐車場(7:20)→林道入口(7:35)
→林道終点(7:55)→迷走~尾根取付(~8:25)
→160m標点(8:40)→林道合流点(9:10)
→ゴルフコース敷地横(9:25)→九十九谷展望(9:30)
→白鳥神社・379m標点(日本武尊草薙剱;9:50))
以降自転車
神野寺(10:00~10:20)→春日峰入口(10:25)
秋元城址駐車場(11:00)
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