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2024年9月9日月曜日

乗鞍岳 (ハイキング)

 2024年8月の東京は、気温30℃を超える真夏日が29日、35℃以上の猛暑日が19日…ほぼ毎日真夏日、3日のうち2日は猛暑日か。

9月に入った最初の6日間に猛暑日はなかったものの真夏日が5日続くので、避暑に出かけることにしました。

標高3000mなら東京よりも18℃、長野県の松本からでも14℃ほど計算上は気温が低いので、20℃は越えないはず。
ということで、最も簡単に登れる3000m峰、乗鞍岳を目標とします。


ここは長野県乗鞍高原の観光センターからアルピコ交通のバスに乗り、終点の畳平の一つ手前にある降車専用のバス停「標高2716m」です。

鶴ヶ池という水たまりの向こうに見えるのが終点の畳平バスターミナルで、あそこから山頂の剣ヶ峰へと向かうグラベルロードがここでヘアピンカーブしていきます。


大型ダンプカーが通行できる、一般車両乗り入れ禁止の立派な砂利道をゆるゆると登って行くと、不消ノ池がある摩利支天岳のクレーターを右に見ながら、

眼下に位ヶ原山荘を望む富士見沢の上部を通過して、

剣ヶ峰を見ながら肩ノ小屋へと緩やかに下り、

小屋からはガレっぽい登山道を一気に登って行きます。

出発から一時間ちょい。肩ノ小屋から30分ほどで到着する朝日岳と蚕玉岳のコルからは、あと一息で山頂です。

権現池のクレーターを右に見ながら登ると、山頂付近は神社と自分を撮影しようと粘る人たちで長蛇の列でした。
頂上小屋付近から山頂までは登山道が2本あるのですが、片側通行などの指示はなく、左ルートを通る多数派は大渋滞。
山頂写真が不要なので登山道のロープをはみ出してパスする人や、それをマナー違反だと怒る人、狭い山頂を占拠するアマチュア・ハム男も居て悲喜こもごもです。
右ルートを行く人は、下りとのすれ違いが多くうっとうしいものの難なく登頂していました。
まさに百名山あるある。

帰りは来た道を引き返しますが、往路で裾を巻いた富士見岳に立ち寄って行くことにします。
ここ富士見岳以外にも、畳平周辺には大黒岳や魔王岳という名前の簡単に登れる丘がありますが、晴れ間が無くなって来たのでパスしてバスに乗ります。

雪が無い時期にはじめて来ましたが、やはり人が多いですね。
GW前後の春山バス運行時も大勢人が繰り出しますが、その比ではないな。

期待通りとても涼しかったので、できればどこかでデイキャンプしてゆっくりしたいところですが、ダメだろうな。

●2024年9月7日(土)
標高2716mバス停(9:45)→肩の小屋(10:20)
→剣ヶ峰(11:25~11:40)→肩の小屋(12:25)
→富士見岳(13:00)→畳平バスターミナル(13:30)



2024年9月8日日曜日

南秋川 小坂志川本流 (沢登り)

 2024年の夏に日本列島を連打した台風9号・10号は、関東地方への甚大な影響は無かったのものの、降雨が続いた川の水量はなかなか減りません。

普段はあまり水が流れていない小さな川に釣りにでもお出かけしましょう。

武蔵五日市駅から数馬行きのバスに揺られて到着した都道33号線(檜原街道)の笹平バス停の小屋の裏側に入る舗装道路は、坂を下ったすぐ先で南秋川を渡り、支流の小坂志川に沿って続いて行きます。
橋の下流で右岸から出合うのがこれから遡行していく小坂志川です。

舗装道路はやがて砂利道の林道となり、施錠されていない車止めの先で左手に臼杵山の登山道(ヨメトリ坂)が金属製の階段で川へと下って行きます。

アルミ橋の下で入渓準備して、両岸に林業施設が点在する幅広い川を遡って行きます。

ここからの方がもっと楽に入渓出来たな...

こっちもか...

標高340mこの橋を過ぎると、川原とチャラ瀬が減って淵が現れ始めますが、視覚的にも竿を入れても特に何も感じられません。

単調な渓相が続くことに加えて収穫もなく、すぐ脇が並走する林道の法面となってきたので、湯場ノ沢少し手前の崩落個所(林道は通行可能)から林道を歩くことにします。

湯場ノ沢出合から6~700mほどでウルシガ谷沢の出合となります。

入山禁止のバリケードが立つ(但し、一方で伐採作業を実施しているかの表示もありました)ウルシガ谷沢林道を左に見送り、300mほど進むと広場のある橋に到着します。
橋の先を万六尾根方面に登って行く新し気な林道にはロープが張られており、橋から見下ろす小坂志川の上にもなにやら張られています。
距離的にはキットウ谷沢流域あたりで作業しているとのことですが、その気配は全くありませんので、ここから造林作業の跡が散見される沢を遡行していくことにします。

林道が離れていくと川原が無くなり、いい雰囲気の沢になってきたと思う間もなく3mのナメ滝が登場しました。

右岸から巻きます。(ロープが無くとも巻ける巻き径に、トラバースするとにき足に絡むようにロープが張ってあります)

すぐに右岸からトウノ木沢、左岸からキットウ谷沢を合わせ、左岸の尾根の末端にある都の標柱の先からゴルジュに入りました。

ゴルジュと呼ぶには両岸が低くて傾斜も緩いので、何と呼ぶのが良いか迷うようなゴルジュです。
難しいところは全くなく、水深は意識して深いところに入らない限りは腿くらいまででした。

倒木で塞がったところを越えると、短いナメと浅い釜が組み合わさった渓相となり、その先でまた次のミニゴルジュに入ります。
ごらんの通り、登ったりヘツったりするような箇所は無く、「沢登り」の価値観ではかなり退屈な感じですが、ハイキングと考えるとキレイな水辺をのんびり歩く、今日の様な暑い日にはとても爽快なところです。

ここも「一跨ぎ」の感覚で進んでいきます。(ドボンと落ちても水深はせいぜい太ももくらいです)

そしてまた、小さなナメと淵を進んでいきます。
カーブを曲がった先もまだまだ同様の光景が続きます。

この感覚はゴルジュ=函というよりは、京都の町家にある坪庭に近いですね。
画像を見ていると同じような景色の連打で、もういいよといったところですが、実際に歩いていると、お散歩している感覚です。

標高530mほどで右岸から小沢が急流で出合うと、3つ目のミニゴルジュとなります。

この洞穴のような2m滝を釜から通過すると、ナメは徐々に減って行き、やがて苔の川原となって行きます。

標高580m右岸枝沢の前後2~300mほどは、何もない河原の不安定な石の上を歩く単調な区間が続きます。

標高610mの二俣を右へと行くと、しばらく単調な川原の先に6mトイ状滝が現れました。

水流の右脇を簡単に登ることができました。

6mトイ状滝のすぐ上には6m多段滝が見えます。

こちらは流れの中をノーハンで。

少し先に、この沢で最後の滝となる3mがあり、流れの右を直登できます。
右岸に小さく巻く踏み跡もあります。

3m滝のすぐ上にあるこのナメ滝から先は詰めの様相となりました。

徐々に水流は減って行き、水が枯れた先の870m二俣で沢装備を解除。

少し水音が聞こえる左俣を見送って連行山へと向かう右俣を登り、900m付近から等高線の間隔が広くなる右側の尾根へと登ります。

それでも結構な傾斜の尾根をヤブ漕ぎなしで一気に詰めて、万六尾根の登山道に出、5分ほどで連行山に到着です。

よく整備された首都圏自然歩道で和田バス停へと下山します。

ここから和田へ。

バスの始発はこの階段を登ったところで待っています。

●本日の反省
・小坂志川の下流は単調で魚影なし。
 特に標高350m付近から上流の地形図左岸にガケマークがるあたりからは、林道のコンクリート壁がモロに川に接するところが多数あり興冷めかもしれません。
 上流部に入渓し直してから、結構魚影が見られるなと気付いたときには既に小型化していて遅すぎました。

小坂志川は詰めの急斜面以外に困難なところはなく、一般的な「沢登り」の対象となる沢ではないため長らく訪れる機会がありませんでしたが、人生の終盤を迎えるにあたり実際に行ってみた感想は、暑い夏の日に渓流を通して自然の美しさとやさしさが肌で感じられる素晴らしいところでした。
アプローチと中盤以降がちょっと冗長ですが。

●2024年9月6日(金)
笹平バス停(8:00)→臼杵山登山口(入渓;8:10~8:25)
→湯場ノ沢出合(脱渓;9:40)
→標高420m林道橋(再入渓;9:55)→小坂志側遡行
→キットウ谷沢出合(10:25)→530m右岸枝沢出合(11:15)
→610m二俣(11:50)→右俣遡行→6mトイ状滝(12:00)
→3mスダレ状滝(12:20)
→870m右岸枯沢出合(脱渓;12:50)
→万六尾根(13:20)→連行山(13:25)
→山ノ神(13:45)→和田バス停(14:50)


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