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2017年8月13日日曜日

竜喰谷 (沢登り)

関東以北では全日悪天候の予報となった2017年のお盆休み。
唯一雨が少なそうな8月12日(土)に、近郊の山に沢登りに出かけました。

早朝に横浜の家を出るときは結構な雨脚でしたが、西へと進むにつれて徐々に天気が回復し、青梅のあたりですっかり雨が上がり、奥多摩に入る頃には青空も見え始めました。
一之瀬林道下部から見た柳沢峠方面
青梅街道から全線舗装された一之瀬林道に入り、多摩川源流近くにある二ノ瀬手前にの石楠花橋にクルマを停めます。
釣り師も誰も入ってないみたいで、幸先の良いスタート。(と思ったのはこの時だけでした)
下流側から見る石楠花橋
林道に沿って流れる一ノ瀬川本流の滝の中にに対岸から流れ込む竜喰谷に行くのですが...
最初に渡らなくてはいけない一之瀬川は、台風5号以来降り続く雨のために、増水して濁流となっています。
正面奥から流れ込んでくるのが竜喰谷
出合い下流の滝下に降りる明瞭な踏み跡を下り、本流を渡渉できる場所を探しますが、迂闊に踏み込むと、あっという間に持っていかれそうな場所しかありません。
今度は場所を変えて上流の石楠花橋の平瀬が続く場所を物色します。
但しこちらは渡った後の左岸が壁状になっており、とても出合いまで下れそうにないため、斜面に取りついて登れそうな対岸の地形とセットで物色。
やっと良い所を見つけて川を渡り、山の斜面を登って竜喰谷に降りれる場所を探しながら前進します。
結局この渡渉と最初の滝までの道のりが今日最大の核心でした。
一ノ瀬川本流の浅瀬を選んで渡る
森の斜面の踏み跡をところどころ辿って、出合いからすぐのところにある5m滝の下に降りてきました。
竜喰谷は、一ノ瀬川本流の様に水は濁っておらず、水量も極端に多いわけではありませんが、それでも平水時と比べるとかなりの水量で、滝は全面真っ白です。
普段なら真ん中から右側をどこでも登れるはずなので、試しに取りついてみると、下の低い段を登りきる以前に全身を容赦ない水流が襲い、息ができないばかりか口と鼻から逆流してきます。
オエ"ェ~ッ、たまらずゲホゲホ咽せながらあっという間に退散です。

しかたなく降りてきた右岸を登り返して巻きます。
こんなことなら、そのまま前進していればよかった。。。
これじゃ釣りしに来るやつなんかいないな。

少し先にある急流も、普段は中を登れるはずなのですが、漏斗の口の様に水流が押し寄せなかなかの迫力です。
迷わず右岸から巻きます。


精錬場ノ滝までの川原は、普段はナメなのか、普通の川原なのかよくわからないところですが、水が多いためかナメと釜が交互するように美しく見えます。
但し、実際に歩くと単なる川原なのでそんなに快適ではありません。

竜喰谷に入って30分ほどで精錬場ノ滝に到着。
この滝も普段は右側の方で水流が二つに分かれていますが、今日は全面が白い滝です。


どんどん巻いて行きます。
巻き道は小川になっていました。


普段は釣り糸を垂らしながら通過する渕は、全て沸騰しています。


精錬場ノ滝から20分くらいで、左側から勢いよく水が吹き上がっているところが。。。

この谷の最大落差12mを誇る下駄小屋ノ滝でした。

左側の窪地を登りますが、滝の流れが頭上~背面へと乱れ飛び、何か変な感じ。

上部から見下ろすと、途中で水が跳ね上がるつくりになっていました。

落ち口を巻いて、釣り師の古いロープにつかまり沢に戻ります。


すぐに末広がりの美しい簾状の滝です。
このころから日差しが強くなり、谷底にも差し込むようになってきました。


ここも、とても水流の中は登れない。(と思う)
登ったとしてもふとしたはずみで、、、

大人のウォータースライダーの餌食になってしまうと、いったいどこまで流れていくのか?
まあ、下駄小屋の滝壺で止まるだろうけどね。。



ここは普段は、滝なのか岩の間を水が落ちるだけなのか、よくわからないところなのですが、今日は一気に水が落下してきます。

んー、なかなかの迫力。


滝上のゴルジュをすすむとすぐに、最難関の曲り滝です。
ぜんぜん曲がってない。。。


難しいのは直登したときの話で、巻いてしまえば、右岸に立派な巻き道がついています。

10分足らずでここに降りてきます。

豊富な水が余計なものを押し流してくれたのか、平坦な岩盤の上を歩けます。



整った形で堰堤みたいなこの滝でゴルジュは終わり、すぐ上で最大の枝沢の中の平沢が右岸から流入してきます。

明るく開けた緩やかな谷の中はコケの森でもあります。

ここは中央右側の水の無いところを登ります。
(結局ここが今日最初に直登した滝となりました)

次の簾状の滝は、真ん中の水流が途切れるところを登るのですが、今日は全面を牛乳が流れているみたいです。
登ろうとすると、すごい水圧ではがされてしまうので、あっさりあきらめてズブ濡れで左岸を巻きました。


右側本流の滝は、流れのすぐ左横の細かいフレークを登ります。
ボルダー8級。
寄りかかっている木は、以前逆さY字形で滝に立てかかっていたのですが、最近落ちてきたみたいです。


この滝の上にはナメ滝と釜が続きます。



大小屋沢が流入する手前にある10m級の最後の滝。
左側の木を頼りに登ったはずなのですが、

左側のルート上に、家庭用シャワーを全開にしたくらいの水が流れており、面倒なので左岸の巻き道からパス。

標高1480mで左岸から、奥に滝の見える大小屋沢が合流。

そこから200mくらいで、同じく左岸から長嵐沢が堰堤で合流。
そろそろ終了点が近付いてきました。

まだまだ滝がぽつぽつと登場してきます。
いづれも簡単で、巻くこともできます。

気温が上がってきて、冷たい川の水が霧になります。

標高1500mで右岸の白ザレがでてきた直後の二俣を、右の井戸沢に進むと、

あっという間に大常木林道の木橋にでます。
(「63|丹波山50」の林班境界標があります。)
ここで、沢装備解除。
ちなみに最後の二俣を左の楯ノ沢に入ると、この林道と並走した後に、同様の木橋と出会います。

大常木林道を西へ進むと、シナノキノタルを越え、会所小屋跡で大常木沢を渡ってハシガキノタルで岩岳尾根へとでるそうですが、通行禁止の表示がありました。

下山は将監峠への登山道を目指して反対側(東側)へ、立派な作業道を行きます。

15分ほどで道が二手に分かれるので、今回は右上の方に。
左下に行っても、山道歩きが長いですが、二ノ瀬の集落に出れるそうです。

分岐から10分ほどで、登山道の通称ムジナの巣と呼ばれる?あたりにでました。

この登山道は、三ノ瀬から将監小屋へ車両での荷揚げができる立派な道ですが、三ノ瀬に近いところで、路肩が崩れてしまっていました。

沢を終了してから1時間ちょっとで三ノ瀬の登山口に到着。
あとは舗装道路を歩いてクルマを回収します。

●本日の反省
①実は出かけてはいけなかった?
 悪天候が予想されていたためか、山の日とお盆の連休にもかかわらず、釣り師にも登山者にも会わず、静かな山旅を満喫できた。森が瑞々しく、沢も大水量で豪快だった。
 が、そもそもこんな日に沢登りを企画すべきだったのだろうか?

②回収用自転車忘れた
 このエリアで一之瀬川の支流に入るときは、三ノ瀬に回収用の自転車をデポしておくと楽だといつも思っていて、今回も自転車を持ってくるのを忘れた。
 三ノ瀬から石楠花橋まで、歩いても30~40分程度の距離に対して、予め車で往復したり、家で自転車積み込んだりしていると微妙な手間と労力になるのが原因か?

2017年8月12日(土)
石楠花橋(8:10)→一之瀬川渡渉(8:30)→(竜喰谷遡行)
→精錬場ノ滝(9:00)→下駄小屋ノ滝(9:20)→曲り滝(9:45)
→中ノ平沢出合(10:05)→大小屋沢出合(10:45)
→林道出会(遡行終了;11:30)→(大常木歩道)
→ムジナの巣(12:00)→(登山道)→三ノ瀬(12:45)
→二ノ瀬→石楠花橋(13:10)

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