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2019年12月21日土曜日

桑ノ木沢 (沢登り)

クリスマスも近い2019年の暮れに、冬が本格シーズンとなる房総半島の沢に、シーズン最後の沢登りにでかけました。
2週間ほど前に、同じ房総のキンダン川に行き、台風被害と思われる淵にはまって寒い思いをしたので、今度こそ、のんびりハイキングをしようと、同水系でより短くて簡単な近所の桑ノ木沢を選びました。


国道465号線の亀山大橋から500mほど鴨川寄りを南へと曲がり、「おりきさわボート」のボートハウス少し手前にある駐車場にクルマを停めてスタート。
天気予報は一日中晴れですが、この時期の房総内陸部の特徴である霧に煙る中を出発です。


ボートハウスから”折木沢橋”で亀山湖の対岸へと渡ります。


橋の上から亀山湖の白い壁とボート停泊場を振り返ります。


橋から道なりに続く林道は、いつの間にか猪ノ川と並走し、橋から10分も歩くと、桑ノ木沢(写真右側)の合流となります。
それぞれの川に橋が架かっています。


この橋で猪ノ川を渡り、続く桑ノ木沢の橋の手前にある踏み跡を使って沢に降ります。


出だしはほとんど水の流れない石ころの川原です。


蛇行する平凡な川原を、この界隈特有の枝沢の滝をみながら少々進みます。


入渓してから15分ほどで一の滝に到着です。


一の滝は、流れの右側に薄っすらと切ってあるステップで登ります。
沢が林業関係の通路にもなっているのでしょうか、岩盤にピンクテープも打ってあります。


滝の上からナメがはじまりました。



ナメの板には大きいものから小さいものまで数個のポットホールがあります。


水量は多くなく、そんなに長くもないですが、典型的なナメ床です。



ナメは意外と長く続きます。



ナメが終わると、次の滝までゴーロの川原が続きます。
このゴーロは通過に20分も要しませんでしたが、それ以前のナメが平坦だったためか、非常に長く感じました。


途中1カ所、沢が倒木で塞がるところがありました。
前回のキンダン川で泥沼を作っていた倒木と雰囲気が似ているため、少しイヤな予感がしますが、、


越えてみると平凡な川原が続いていたので、先ずは安心。


すぐ先の二の滝手前も倒木で塞がっています。


二の滝の釜は倒木が塞いで大きなプールとなっていました。
プールの上に倒木の橋が3本架かっていますが、水には得体の知れないネバネバ状(に見える)ものが多数浮遊しており、バランスを崩して落ちたくないところです。


なので、倒木の向こうにある釜の左岸側を巻いていくことにします。


プールに落ちないよう気を付けて、ここをへつっていきます


この滝にはさっきのようなステップはありませんね。
フリクションで登ることになります。


滝上のナメは傾斜がユルく、ヌメリもそれほでではありませんが、岩盤上の腐った落ち葉が微妙にスベるのと、何と言ってもこの水洗トイレの様な視覚効果が絶妙で、うっかり滑り落ちて行ってしまわないかと不安になります。


微妙かつ結構な長さのナメを登ります。


ここまで来たら安心。


さて、ナメはまだまだ続きます。






二の滝上のナメは一の滝のものよりも長く、途中から平坦な舗装道路の様な整地されたものとなります。




自転車でも走っていけそうですね。



川底の岩盤は、房総っぽいイメージは共通しているものの、それぞれの川で特有の意匠があります。


でも、滝で落ちてくる枝沢は、地域全体で何だか似たような感じですね。


おや、先の方になんだか倒木が詰まっているみたいですね。


ここも見た目は激しいです。


越えてみようと思って登ったら、距離も結構ありますね。


そして、最後の上流側で沢に戻るところには、やはり泥が堆積していました。
埋まるのではないかと警戒して飛び越えたら、案の定、泥田でした。
泥に一か所空いている穴が左足の跡です。
瞬間で駆け抜けてセーフ。
のちほど、左足のちょうどこの泥に埋まった部分が被害にあう話が出てきますが、この場所と関係あるのかはわかりません。


次のここは、右側の丸太の橋をヨロヨロ渡ってクリア。
でも、すぐ先が倒木で塞がっているのが見えますね。
先に進むことばかり考えている場合でもなかったかも知れません。


その倒木を越えて....


次の倒木もくぐり抜けると、、、


またすぐ先にも倒木が続きます。


木が落ちてきているであろう左岸の上の方を見ると、杉林がまばらとなっており、立っている木もススキや実ったイネのように首を垂れています。
千葉の杉はこのような生え方をするのでしょうか。


そうこうしているうちに、その先の沢はすっかり倒木と土砂で埋まってしまいました。
水が残っている淀みの部分も深くなり、両側が歩けなくなっています。

仕方がない、ここが年貢の納め時でしょうか。
急な両岸の中に、ちょうどこの写真の右側にある斜上する平らなところだけが取り付けそうだったので、ここから脱出することにします。


岸を登ると、ちょうどそこには境界標のような石柱が立っていました。
きっと造林の方が来るルートがあるはずです。....


下を見ると、遡行してきた桑ノ木沢がこんな感じでした。


意を決してぐいぐい登っていくと、どんどん視界が開けてきて、上流側の左岸が大規模に地滑りしていたことがわかりました。


斜面全体が表土もろとも落ちて行ったみたいです。
恐らく上についていたであろう作業道も....


地滑りからなるべく離れるように、尾根を目指してブッシュを漕いで登っていきます。
藪を漕ぐというよりは、空中に張り出す倒木の上を渡っていく感じです。


だいぶ登ってきました。
もうそろそろ地滑りに巻き込まれることもなさそうです。


ただ、登りついた尾根の上も植林が根こそぎ破壊されていました。
倒木が交錯する尾根の上を、林道脇の294m標点目指して西へと登っていきます。


一か所露岩をボルダームーブで越えたところで、尾根が緩くなる標高260m付近に到着。


あとは明瞭な踏み跡をほんの少し辿ると、、、


林道片倉三石線を見下ろす場所に到着しました。


ここはちょうど、三石山の一番下(トイレがある駐車場の一個下)の駐車場の脇です。
コンクリートの階段を下り、下の駐車場で装備を解除します。


駐車場の路面に座り、沢靴を外すと、左足の靴下の上に何やら怪しく蠢く物体が数個ついているではありませんか....
しかも、そのうちの1個は丸く膨らんで....

ぎょえ。
お前ら、こんな冬にも出てくるのか....
慌ててザックから、片付け忘れたまま残っていた虫よけスプレーを取り出して撃退しましたが、既に一か所やられていました。

気温が15℃を下回る中、すっかり油断して無防備のところをやられてしまいました。
しかし、こんな環境でも出てくるのなら、一年中ダメじゃないのか?

しょぼくれて、展望台にでも行ってみようとすると、そこも倒木で立ち入り禁止となっていました。
仕方なく通行止めのそばにあるトイレの脇から平凡な山林を撮影します。


帰路は舗装された林道を折木沢に向けて歩きます。


林道の272m点付近から、山林内を桑ノ木沢出合へと降りるルートもあるそうなのですが、これ以上献血したくないので、ひたすら舗装道路を歩いて亀山大橋へと向かいます。


房総の長閑な山里と亀山湖を見ながら、、、


大橋を渡って出発点へ。


●本日の反省
①台風被害を甘く見ていた
・今夏の台風連打を受けて房総半島が大きな被害にあっていることは十分承知していたものの、自分の行くところに限っては問題ないだろうと、いつも通り根拠のない判断で安易にでかけてしまった。
 帰って来てからWEBサイトを注意して検索してみると、既に11月に入渓された方の記録があり、事前に気づくことができたのであるが....
②ヒルにやられた
・何と、クリスマスも近い12月下旬に、生まれて初めての吸血被害にあってしまった。
 とにかくヒルが嫌いで、近くて便利な丹沢にも、冬季以外は行かないように努めていたのだが、その甲斐もなく、あっけなくやられてしまった。
 これはまさに想定外。

2019年12月20日(金)
折木沢橋駐車場(8:15)→折木沢橋(8:18)
→桑ノ木沢出合鉄橋渡る(8:30)
→桑ノ木沢遡行一の滝(8:45)→二の滝(9:10)
→遡行中断(標高145m付近・9:45)
→294m標点・三石山駐車場(10:25)
林道片倉三石線→折木沢橋駐車場(12:00)






さて、2019年シーズンのあっけない幕切れの腹いせ?に、近くの観光地に行ってみた。
この界隈随一の景勝地「粟又の滝」は、滝というよりナメに近いが、思っていた以上の見ごたえのあるスケールだった。


滝から下流の2kmくらいの区間には、川沿いに立派な遊歩道が整備されている。


左岸側の枝沢からは、ところどころで滝も落ちる。


おまけに、立派なコンクリートスラブの遊歩道で安全。


大きな川なので流量も多くて、しょぼい感じがしない。
ここに来るだけでよかったかも。



最後は流れを渡って県道まで登っていくが、狭い車道を歩いて戻るのが危ないので、来た道を引き返すことに。


粟又の滝まで戻って来たので、観光ガイドの写真にはないアングルにも行ってみる。


先ずは滝壺へのレーザービーム。


続いて滝の上から。
滝を正面に臨む場所に自分探し用の広いスペースがあり、この日も黄色い男性がぼつんとセンチメンタルしていました。


その上流では流れの中に降りていけるようになっている。
夜になったら点灯されるであろう照明設備も完備。


普通の靴で歩けるのはここでおしまい。






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