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2019年10月6日日曜日

鷹ノ巣谷(沢登り)

奥多摩の初級者向けの沢登り、日原川支流の鷹ノ巣谷に行ってきました。

奥多摩駅からバスに乗り、休日ダイヤの終点「東日原」で下車。
舗装道路を鍾乳洞方面へと進み、ここから鷹ノ巣山への登山道に入ります。

登山道は一旦日原川へと下っていきます。

歩道橋で日原川を渡るとすぐに登山道は右手へと登り始めますが、登らずにまっすぐ続く踏み跡を右岸沿いに行くと、すぐに鷹ノ巣谷が流入してきます。

鷹ノ巣谷の左岸の踏み跡がすぐに消滅するここから入渓しました。

入渓してしばらくは、人工構造物の跡が多い、人臭い沢の中を登っていきます。

水が湧いてきている不思議な穴もあります。

石垣の残骸などを見ながら進むと,,,

最初の淵となります。
右側から楽勝のところですが、何とここで足を滑らせて釜へドボン。
ちょうど写真の白泡があるあたりで、背は立たず冷たい水を泳いで這い上がります。
そして、完全無防備状態だったデジカメがオシャカとなってしまいました。

うぅ~ ガックシ。
開始早々出鼻をくじかれ、ずぶ濡れの体で意気消沈しながら遡行をつづけます。

というわけで、ここからは安い中華スマホで撮った写真となりますよ。

渓は時折、簡単な小滝が登場しながら緩やかに高度を上げていきます。


一時間くらい遡行を続けると小さなゴルジュ状の地形へと入ります。


このヒョングリ滝は水流右側のリッジを登ります。
残置ハーケンとシュリンゲがありますが、ヌメリに気を付けさえすれば、フリーでも問題なく登れます。


登って下を見下ろします。
中央の凸部を登ってきました。


急流はもうちょっと続きます。

この小滝も右から。
2カ所くらい足場の豊富なルートがあります。

そして最後に、見た目よりちょっと小難しい滝で終わります。
この小滝は左側からなら楽勝そうですが、モロに水をかぶるので、流れの右端の手がかりの少ない壁を無理やり這い上るのですが....

おや、
長らく来ないうちにシュリンゲが連打されています。
これは過保護が過ぎるのではないでしょうか....

と、一瞬思ったのですが、すぐに前言撤回。
ありがたく使用させていただくことにします。

おかげさまをもちまして、この沢の最大の難所? を苦も無く越えることができました。

小さなゴルジュを抜けた少し先の標高850mくらの右岸から小沢が入るコーナーを右に曲がると、

奥に大滝が見えてきます。


二段18mの落差を誇る、この沢のランドマークです。


そのインパクトの大きさのためか、他の細かい魅力が薄れてしまうのでしょうか。
”大滝のみの沢”との評価を耳にすることもあります。


この滝はこちらの右壁を登っていきます。
全体の高さの3分の1くらいあるガレを登って取りつき、ブッシュ周辺の細かいけれどしっかりしたスタンスを利用しながら、木の根まで到達したらそれを使って中段のテラスに到達します。

それではスタート。
ガレを登って少し取りついたところから見た大滝です。

こんな感じの高さですね。

さらに2~3手登ると、木の根に手が届きます。

木の根を利用して10畳くらい(もっと広いか?)の広さの、トリカブトが咲く平らなテラスに到着です。

テラスから先は5.6くらいのグレードのホールド豊富な壁を登って終了です。

それなりの高さはありますが、ホールドが広範囲に豊富なことと、すぐ下に広いテラスがあるので、見た目よりも安心して登れました。

落ち口から振り返ります。
難所はこれで終了で、あとは体力のみの勝負となります。


大滝の少し上で金左小屋窪と水の戸沢の出合となります。
登山道が近いという理由で、水量がしょぼい右俣の水ノ戸沢へ入ります。


水ノ戸沢は急流と平易な小滝を繰り返しながらぐんぐん高度を上げていきます。

時折古いワサビ田の跡がかなり上まで現れます。


難しいところが全くないので、休む間もなく登り続けて息が上がります。

標高1300mで二俣となります。
左沢の方が圧倒的に水量が多いですが、ここは右沢へ。


右沢は地形図で見るよりも標高差20mほど手前で2つに分かれます。
1300m二俣のほんの先です。
少し入り口が狭くて曲がっている右俣へ入り、あとはひたすら登山道目指して詰めていきます。


地形図の標高1562m点すぐ横のコル状地形で稲村岩からの登山道に到着。
ここで装備解除としましたが、奥二俣で普通の靴に履き替えた方が良かったかもしれません。


さて、ここからはそのまま登山道を東日原バス停まで下るのが最速の下山方法ですが、時間的に少々余裕があるので、まだ行ったことのない石尾根経由で帰ることとします。

登山道を20分くらい登ると鷹ノ巣山の頂上に到着しました。
ちょうど団体さんが記念写真の撮影中でした。


山頂の南側は大きく開けており、イメージしていた以上の大展望です。


そして、いちどこちら側から見てみたかった御前山と大岳が見下ろせました。


初めて歩く石尾根は、明るく開けた歩きやすい傾斜の尾根で、しかも下り方向のため、思わず鼻歌でも歌いだしたくなるような気分で歩いていきます。






一時間くらい優雅に歩いて六ッ石山までやってきました。
ここからは、これも初めて歩く「奥多摩むかしみち」に行くべく、水根方面へと下ることにします。


少しの間防火帯の様な切り開かれた尾根を下ります。

トウノクボまで下った後は緩いハンノキ尾根を南へ外れて、水根まで急降下します。
水根集落の最上部にある社まで一気に降りてきました。

眼下には奥多摩湖、多摩川の対岸には御前山を望む水根の集落です。

集落の中の小径を通って奥多摩駅方面へと向かいます。

奥多摩むかしみちは、青梅街道の上部の荒れた斜面をトラバースしつつ、途中家々の間の小径も通ったりしながら、小河内ダムの下部で舗装道路に出た後は多摩川と並走していきます。


奥多摩むかしみちをそのまま歩いて駅まで行ければよかったのですが、途中サルが多く、上空(木の上)からの挑発も受けたので、日没以降の歩行は自粛して境橋バス停から帰路に着きました。

このトンネルのすぐ上を道路が横切っているのを今回歩いて初めて気づきました。


●本日の反省
 出だし早々、不注意からなんでもないところで足を滑らせ、カメラを(自分も)ドボンした。
 もっと丁寧にスタンスを拾わなくては。


日没が迫ったので慌てて乗ったバスが奥多摩駅に近づくと、鷹ノ巣山から石尾根を前後しながら下った、比較的健脚なグループが、青梅街道を駅に向かって歩いている姿が車窓から見えた。
長い石尾根の下山は、どのルートを使っても駅までに要する時間はだいたい似たようなものになるのだろうか。
ただ、鷹ノ巣山に大勢いたあの中高年のグループの姿は見られず、帰りの電車にも乗ってこなかったように思う。
自分たちより早く歩くようには見えなかった彼らは、その後も山頂でずいぶんのんびりしそうな風情であったが、いったいどこへ行ったのだろうか。


2019年10月5日(土)
東日原(8:55)→巳の戸橋(9:10)→(鷹ノ巣谷遡行)
→大滝(10:50)-(水の戸沢)→奥二俣(12:10)
→稲村岩登山道(12:55)→鷹ノ巣山(13:35)
→水根山→六ッ石山(14:45)→水根(16:00)
→境橋バス停(17:20)






今はもう使用禁止となってしまったが、石尾根下部の三ノ木戸山の下にクライミングのゲレンデがあった。
奥多摩駅から城(じょう)集落へと登る林道の終点付近から植林の中を少し登ったところにある岩場で、多摩川対岸の山々の連なりを北側から眺めることができた。
登っている合間に眺めていたそこからの展望をもう一度見てみたくなり、かなりの遠回りとなったがこの機会に石尾根を下ってみることとした。
日原川側から登りついた鷹ノ巣山からは大岳や御前山の端正な姿が見下ろせたが、実際に石尾根を下ってみると、登山道周辺は開けているものの周囲の山々の展望はなく、登山道を少し外れると藪も多そうだったため、この調子でいくと地形図では平坦に見えて登山道からも外れる三ノ木戸山からの展望は期待できそうにないと考え、途中の六ッ石山から下山してしまった。
そのため、当時と同じ高さと角度からの大岳は見ることができなかったが、果たして実際に訪れていたら、展望はどうであったのだろうか。
そして、もう立ち入ることのできないあの岩場は、登る人もなく草に埋もれ始めているのだろうか。

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