雨の中をでかけるのも億劫だし、人が流されるくらいの水量も怖いので、半日以上天気が持ちそうな日を選んで、水量が少なめの沢を選んででかけることにします。
シダクラ沢は奥多摩の惣岳山の北面を水源とする多摩川の枝沢で、難所が全くないことから、初めて沢登をする人が行く沢の様です。
自分は数年前に足を手術し、しばらく上手く歩けない日々が続いた後の復帰初回に来て、多少足を引きずりながら歩いた思い出の場所で、全ての人を優しく迎えてくれる印象があります。
奥多摩駅から奥多摩湖方面へと向かうバスに乗り、15分ほど走った境橋の2つ先(梅久保の次)の「惣岳」バス停で下車します。
この日は通常ダイヤの10分前に発車する臨時便に乗りましたが、通路までびっしり乗客で埋まりましたが、ここで降りたのは自分一人でした。
走り去るバスを見送り、バス停後方から下っていく歩道に入ります。

歩道はすぐに、不動神社の前で青梅街道の下を並走する舗装された車道の「奥多摩むかしみち」にでます。
そこから多摩川の上流側へ歩くと、対岸にこれから向かう惣岳山方面の稜線が望めますが、雲がかかっています。
不動神社から5分ほどで二人以上は同時に乗るなと書かれた「しだくら橋」があるので、対岸へと渡ります。
微妙にゆらゆら揺れる高いところを渡るのはあまり怖くないのですが、足元の木の板を見ると、これに全体重をかけても大丈夫かと感じるものもあり、この橋の板が今回一番怖かったです。
橋を渡った先に続く踏み跡を少し行くと取水施設があり、その少し先から踏み跡が怪しくなってきたので、入渓することとします。
植林の中の小さな流れを辿っていきます。
時折小滝のような流れが現れますが、どれも簡単に越えていくことができます。
取水施設から先は薄くなったように感じられた踏み跡ですが、ところどころで沢沿いに登場しては消えていきます。
何を意味するかはよくわからないですが、時折赤テープも下がっています。
小さなゴルジュ状の地形の奥に滝のようなものが見えます。
近寄ってみると、4mほどの、この沢で最初の滝らしい滝がありました。
手前のミニゴルジュを含めて、問題なく通過できます。
初夏の濃い緑の中を、雨を集めた沢が流れていきます。
谷は急でなく、深くもないので、どこでも簡単・自由に歩いていくことができます。
そのかわり、単調といえば単調ですが、、、
途中左岸にどこからともなく現れた作業道が並走し、どこへともなく消えていきました。
沢の中に大きな岩が鎮座する少し先から小滝が続くようになります。
3つほど連続する小滝は、写真でご覧の通り、どれもすぐ横を簡単に通過できます。
少し先には大岩の横を流れる滝があります。
この大岩は、ボルダリングすると面白そうですが、フェルト底の渓流シューズしかないのでやめておきましょう。
そして、すぐに5m滝に到着しました。
この滝はガイドブック(「東京起点沢登ルート120」山と渓谷社刊)にも写真が載っていますが、水量が多いためか、見え方多少が異なります。
ここで先行する6名の学生パーティーに追いつきました。
初心者が居るのでロープで確保するからと先を譲られたので、お先に失礼させていただくこととしました。
この5m滝のすぐ上からは、すぐ先にある735m二股を見ることができます。
この二股はどちらに行くか迷う(どちらに行っても大差ない?)ところですが、
見た目の印象のみで右俣に行くこととします。
右俣は、出合の急流を登ると、すぐに左岸から枯れた枝沢が入り、その枯沢との中間の尾根の植林の中から踏み跡が降りてきています。
なので、ここで沢装備を解除して、左岸の植林の尾根を登ることとします。
尾根はそれなりに急ですが、危険を感じるほどではなく、植林と自然林が交差しながら続きます。
途中大きな岩が2回でてきますが、どちらも右横を通って通過できます。
これは2回目に登場する大岩(というか岩壁に近い岩)です。
下手に中央突破を考えるよりも、右端へと行くのが無難と思われます。
稜線が近くなり、傾斜が緩んでくると、周囲はガスに覆われてきました。
脱渓してからゆっくり45分ほどの登りで大ブナ尾根の登山道に到着です。
緑豊かな緩傾斜の登山道を惣岳山目指して登っていきます。
ベンチが置かれた惣岳山の頂上で大休止とします。
惣岳山からは、藤倉バス停を目指して、小河内峠方面へと西へ進みます。
御前山と三頭山を結ぶこの登山道は、人が少なくとても静かな尾根です。
細い尾根を下っていくと、だんだん広々とした雰囲気となり、
標高が下がるに従い植林へと変化していきます。
植林の中になる小河内峠。
ここを左折して藤倉バス停へと下っていきます。
途中唯一開けたところからは、御前山が見晴らせました。
藤倉に近づくと、山腹の家屋の間はコンクリートで固められた歩道(というよりもキャタビラ・キャリアの通路?)で結ばれます。
雨続きで路面が湿りコケ蒸した歩道は、バランスを崩すとスッテン転びそうで怖いです。
この公民館で長い歩道も終わり、舗装された車道となります。
車道を延々下って、北秋川沿いの都道まで下りてきました。
下って来た分岐点のすぐ上流側にある、このカーブミラーのヘアピンカーブのすぐ下は、支流であるシンナソーの出合となっています。
左側のポールの脇に以前は防災倉庫が建っていたような気がするのですが、消滅してしまったのでしょうか。
計画では、シンナソーも遡行することにしていましたが、入渓しようとすると急に雨足が強くなったため、ここで終了として帰ることとしました。
都道を2分ほど下ったところにある藤倉バス停の小屋でバスを待ちます。
待っている間に、すぐ横を流れる川が惣岳沢であることに気づきました。
●本日の反省
天気が続かなかった。
今年は6月上旬以来ずっと、日を選んでも天候に恵まれることがなかったと思う。
増水の危険が少ないところを選ぶと、必然的に雨天でも魅力を持つ場所が少なくなり、結果的に消化不良気味とならないではないが、まあこういう年もあるだろう。
無理はせずに気長に構える夏となるのだろうか。
●2019年7月13日(土)
惣岳バス停(8:45)→入渓(9:10)→シダクラ沢遡行
→735m二俣(10:35)→脱渓(10:45)
→大ブナ尾根登山道(11:30)→惣岳山(12:10)
→小河内峠(13:00)→陣馬尾根→藤倉(14:15)
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