2月9日に関東平野にも小雪を降らせた寒波は、その後も日本上空に居座わり、建国記念日の週末になっても晴れているのは、関東くらい。
ということで、数少ない晴天の百名山ハントをもくろみ、丹沢山を目指しました。
自家用車の性能をフルに生かして最短距離を狙うべく、標高700m超まで車道が通る早戸川林道を通行しようとしますが、早速林道入り口にあたる国際マス釣場先のゲートが閉まっています。
このゲートは積雪のため去年の11月中旬から閉鎖されていたそうです。
林道も十数センチの雪が積もっていました。
仕方がないので、雪の林道を歩いていくことにします。
寝坊で出発が遅れたため、既に時刻は9時近くとなっており、先が思いやられます。
3日前に横浜市内でも降った雪は、街中では道路や芝生に積もることはなかったのですが、ここに来る途中の鳥屋あたりでは今なお路肩に雪が残っており、早戸川沿いもフカフカに?積もっていました。
見上げる丹沢稜線も、この冬で最も白く染まっています。
一時間少々歩いて魚止め森の家(旧丹沢観光センター)につきました。
人気がなく、ひっそりとしています。
この施設は、十数年前まで釣場やキャンプ場などを営業していたらしいのですが、今は誰が何に使っているのでしょうか。。。
さらに林道を行きます。
早戸川を渡る橋の付近から、車両も通れなくなり、ハンターの車の轍も途絶えて、先行者数名の足跡だけが残ります。
丹沢の奥深く、稜線の一番高い所に囲まれた場所に入ってきました。
森の家から30分ほど林道を歩き、林道終点の近い「伝道」につきます。
ひっそりとした周囲とはちょっと場違いな案内板が立っています。
早戸大滝までは厳しい道のりだそうです。
ここからは山道を行きます。
造林の仕事径のような歩道が雪で埋もれており、すぐに見失ってしまいました。
適当に林の中を登って行きます。
南側の尾根を越えると、今にも倒れそうな小屋が建っており、道は小屋の前を通り過ぎて早戸川の左岸の高い位置を進みます。
小屋の前の小さな看板に「←雷平15分」と書いてあります。(ウソつき。。。)
15分ほど歩いた後に、雪にすっぽりと埋まった早戸川の河原に下りて、渡渉しながら進みます。
林道のゲートを出発して2時間と少しで、原小屋沢が合流する「雷平」に着きました。
ここは左股の本流を行きます。
沢はだんだんと細く・狭く、そして転がる石はだんだん大きなものになってくるような気がします。
時折、雪に埋まる大岩の隙間にすっぽりとはまったりしながら、雷平から進むこと約1時間。
左側から合流する小さな沢の奥を見上げると、半ば凍り付いた大滝がありました。
積雪のせいなのか、年をとって体力が落ちたからなのか、雷平からは、昔雪のないときに来た時の倍くらいの時間がかかりました。
計画では滝の右岸の巻き道を登って、そのまま稜線まで登る予定でしたが、この先雪が一層深くなるであろうことと、寝坊と林道閉鎖のため正午となってしまったことで、この先はあきらめ、引き返すことにします。
滝の下で湯を沸かして昼食を摂っていた単独行の男性も、私と同じく稜線を通って本間の頭から早戸川林道へ下る予定だったそうですが、ここまで時間がかかりすぎたので、引き返すとのことでした。
この日大滝までたどり着いたのは我々二人だけだったみたいです。
単に引き返すのも癪なので、原小屋沢にある雷滝を見物して帰ることにします。
こちらは早戸川本流よりも雪の量が少なく、赤ペンキのマーキングもところどころよく見えて、順調に進みます。
左から合流する本谷沢を見送り、巨岩の流れを右から巻くと。。。
すぐに雷滝が見えてきました。
冬季のためか水量は少ないですが、美しい簾状のいかにも滝らしい滝です。
水を飲みに来る動物たちの足跡をたどり、滝壺まで行ってみます。
水量が少ないとはいえ、間近で見ると落ち口から水を吹き上げ、結構な迫力です。
雪のない時期は、滝と沢の轟々という音が谷に響き木々を揺らしていましたが、雪が山を覆う今は、積もった雪が音を吸い取り、誰も訪れる人の居ない静けさの中で、直接話しかけてくるようです。
今度こそ、来たコースを帰ることにします。
●本日の反省
計画が甘かった。というより、まるで及びじゃない。
①雪が多くて疲れた
雪があることはある程度予想はしていたものの、想像以上の積雪量で、沢沿いの整備されていない道を長時間歩くのは大変だった。
②林道が通行止めだった
これはあらかじめ知っていたことではあるが、知ったのが前日の夜では...
③寝坊した
この日の朝に目覚まし時計の電池が切れた?
平日の会社に行く日じゃなくてよかったのか悪かったのか。
2017年2月12日(日)
早戸川林道ゲート(8:46)→本間橋(9:50)→伝道(10:15)
→雷平(11:00)→早戸大滝(11:55)→雷平(12:35)
→雷滝(13:00)→雷平(13:25)→本間橋(14:30)→林道ゲート(15:15)
ページ
▼
2017年2月12日日曜日
ページ
▼
Tips
-
今回遡行する墓場尻川は、霧積温泉の奥にある十六曲峠付近を水源として坂本宿の近くで碓氷川と合流する霧積川の右岸最大支流で、霧積ダムのバック・ウォーターに注いでいます。 古くは雄滝と雌滝という名瀑があることで知られていたそうですが、2010年に沢登りのガイドブックに掲載されて以降は、...
-
伊豆山稜線の近くにある大滝川(仁科川水系)の支流にある”三階滝”は、踊子歩道の旧天城トンネル付近にある”二階滝”と名前の響きが似ているため、今まで天城にあるものだと錯覚していましたが、天城山脈の西側、西伊豆町の猫越岳の南側にありました。 ちなみに、安達太良山を流れる湯川にも同名...
-
梅雨も明けて夏本番となったと思う間もなく8月。 うかうかしていたら夏も終わってしまいます。 そこで、少し遠出をして信越地方の百名山 妙高山へ遠征です。 本サイトは極力自動車を用いて登山する趣旨でタイトルを設定していますが、ここに記載されているのはスカイケーブルから一般登山道を...
-
塩原温泉を流れて那珂川町馬頭で那珂川に合流する箒川。その支流赤川は、途中で流入する冷泉の青色とその泉質が赤く染める岩肌が有名ですが、WEBで検索してもあまり遡行記録が出てこないのと、たまにある記録も結構な強者によるものばかりだったので、興味はあれども長らく敬遠していましたが、思...
-
2019年の梅雨は海の日が近づいても全く明ける気配がありません。 雨の中をでかけるのも億劫だし、人が流されるくらいの水量も怖いので、半日以上天気が持ちそうな日を選んで、水量が少なめの沢を選んででかけることにします。 シダクラ沢は奥多摩の惣岳山の北面を水源とする多摩川の枝沢で...
-
9月に入っても首都圏の猛暑日が続く2023年の夏。 もう一度くらいどこかに泳ぎに行こうかと思っていた矢先、木曜の朝に目が覚めたら腰痛になっていました。 たまには短距離で高低差のない場所へ、のんびり釣りにでも行くことにします。 セブンイレブンあきる野戸倉店で日釣り券を購入。 東京は...
-
秋も本格化してきた10月の最終週に、大菩薩沢の源流に行ってきました。 大菩薩峠付近の石丸峠を水源として、長峰(ながね)を挟んで土室川と並流しながらその南側を流れる大菩薩沢は、葛野川の最源流で、葛野川地下発電所付近でマミエ沢(マシュ沢)と合流してからは小金沢と呼ばれて、2005年...
-
2021年の山の日は、東京2020開催の影響で8月第2週末に移動して3連休となりましたが、台風が接近してきました。 連休初日の土曜日の午前中までは天気が持ちそうなので、半日で終了できる短いコースに行くことにします。 山梨県北杜市のサントリー工場敷地の南際を流れる釜無川の支流神宮川...
-
西伊豆町、仁科川源流にある大滝川の中ノ沢を遡行した記録です。 お隣の三階滝沢を下降した直後に引き続き遡行しました。 ここに来る前に三階滝沢を下降した記録は こちら です。 三階滝沢右岸に沿って続く径跡が登っていく中ノ沢の標高420mくらいの左岸には、その中ノ沢沿いにも歩道の跡と...
-
日本列島に長らく前線が滞留していた2022年の夏も、シルバーウイーク前の週末についに高気圧がやってきました。 湿気が去った高原の爽やかさを体感しに、奥日光へハイキング。 …戦場ヶ原が木道補修中で通り抜けできなかったため、竜頭の滝、小田代ヶ原、戦場ヶ原、湯滝&湯ノ湖の変則行程です。...
0 件のコメント:
コメントを投稿