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2021年10月30日土曜日

オロオソロシノ滝 (沢登り)

 栃木県鬼怒川の最上流にある奥鬼怒温泉郷や鬼怒沼への旅行を検討したり、実際に訪れた方ならば、オロオソロシノ滝とヒナタオソロシノ滝というインパクトのある名前を記憶されていることと思います。

自分も2007年に奥鬼怒から鬼怒沼を訪れた際に、登山道上にあるオロオソロシノ滝展望台からその一方の滝を眺めたことがありますが、木々に覆われていてあまりよく見えず、ずっと気になっていました。

紅葉がピークを迎えるであろう10月下旬に的を絞り、今回改めて両方の滝を間近で見にいくこととしました。

先ずはオロオソロシノ滝からです。

その後に遡行したヒナタオソロシノ滝の記録はこちら。

尚、今回は序盤の滝を通過したのみで、オロオソロシ沢全体を根名草山の稜線まで詰めてはいませんので、丸沼への登山道が横切る場所から上の情報は記載されていません。


ここは川治温泉から川俣温泉へと向かう県道23号線のどん詰まり、女夫渕の駐車場です。
天気予報は晴れですが、小雨がぱらつき、高い山々の稜線が白く染まる中を出発します。
鬼怒川を渡る橋の手前から奥鬼怒スーパー林道の一般車両通行止め遮断機を潜り、先ずは5km先にある日光澤温泉を目指して奥鬼怒歩道を行きます。

群馬県の大清水まで続くこの林道は、宿泊施設関係者以外の車両は通行止めで、自転車すら通らせてくれなかったのですが、2021年の10月より11月7日までの期間限定で、鬼怒川沿いの自転車の走行が可能となったみたいです。(年明けのGWからも走行できるみたいです)

自転車を使わない人は橋を渡ってすぐ右側の階段を登り、歩道を進みます。
この先9枚の写真はアプローチの歩道の模様ですので、行ったことがある方は飛ばしてください。

尾根を越えて吊り橋で鬼怒川を渡り返し...

しばらくしてから川をもう一往復渡った少し先に流れ込むコザ池沢を渡ると、3分の1くらいの道程です。

歩道沿いの紅葉は例年同様、10月の最終週末にピークを迎えたみたいです。

八丁湯のすぐ先でスーパー林道の橋の向こうに加仁湯が見えてくると、日光澤温泉はあと一息です。

左岸から流れ込む日光沢滝の向かい側に日光澤温泉はあり、登山届ポストがある建物の中をくぐり抜けると根名草山と鬼怒沼への登山道が分岐するので、鬼怒沼方面へと進み、筬音(おさおと?)橋を渡ります。

左岸を10分ほど登ると左側にヒナタオソロシノ滝の展望台へと向かう吊り橋が分岐します(登山地図上で「丸沼分岐」というところです)のでこれを渡り、対岸の登山道が川沿いを離れて登り始めるところからロープをまたいで川沿いの林道跡を行くと、奥鬼怒第5砂防ダムがあります。

踏み跡で砂防ダムの肩に乗ると、対岸にヒナタオソロシノ滝の最下段が見えるので、ここで遡行の準備をします。

ヒナタオソロシノ滝とそのすぐ上流にもう一本の小沢の滝が並んでいる対岸に、3段の滝が見えるオロオソロシ沢が流れ込んでいるので、ここに入ります。

入口のガレを過ぎるといきなり滝が連なります。
もうすでにオロオソロシノ滝の最下部なんでしょうか。

3mの小滝の上は恐らくこの沢最難であろう10m滝です。
ホールドとスタンスは豊富ですが、水流を少し外れると岩に張り付いた、腐敗した落ち葉がとても滑ります。
なので水流を登りますが、落ち葉は無いもののそこそこ滑り、かつ寒修行状態です。

あまりの冷たさにたまらずギブアップ。
恐る恐るクライムダウンし、左岸の植林脇から巻きました。

すぐ上にある4mを登ると、12m滝が見えます。

この12mが一番落差が大きな滝でしょうか。

この時期さすがに水流中は登れませんが、右壁が階段状です。
但し、この階段も落ち葉で油を塗った様に滑ったので、またまた左岸から巻いてしまいました。(下の写真の右上にある土の斜面を登りました)
10m以上の滝2つを巻いてしまったところで、この沢の核心部は終わりとなります。
試行錯誤の時間ばかり掛かってしまいましたが、結果は滝を見物しただけとなりました。

さて、ここから先はしばらくの間、ナメと滑滝が続く癒し系の沢となります。

最初の2mのギャップは意外と難しいですが、核心部を登れなかった手前、意地になってボルダームーブで越えます。

次は美しい15mナメです。

ちょっと逆層気味でスリップがコワいですが、そもそも傾斜が緩いので、直登していけました。
ふう。
ちなみに、これらのナメ滝は写真でご覧いただいた通り、(実際には巻いてないのですが、たぶん)全て巻くことができると思います。

お次は全部で8mくらいの3段のナメです。

そして、5mくらいのナメを経て、滝はだんだん小さくなり、連瀑帯は終了となります。
どこまでがオロオソロシノ滝なのかはわかりませんが、後半部は楽しく登ることができました。

流れが緩くなり倒木が覆う(倒木は簡単に通過できます)場所を過ぎると、すぐに丸沼への登山道が横切ります。
標高1595mくらいで横切る登山道は、右岸側に段差があるのと、両岸に古いですが赤テープがあるので、注意していれば気付くことができます。

さて、登山道を通り過ぎてなおも遡行を続けますが、沢は一転平凡 というよりも土砂で荒れ気味となり、浮石に足を取られるようになります。

記録ではこの先に10m級の滝がいくつか登場するはずですが、標高差30m少々登ってみた範囲では、特に変化の兆しが感じられません。
一方で、このまま真面目に遡行して稜線まで詰めた場合は、あと標高差700m近く登らなくてはならなそうです。
その場合、入渓してから登山道が横切るところまでの標高差は120mほどなので、この何もない沢を今までの5~6倍の高さ登ることになります。
うぅ~ん。

というわけで、ここ(1630mくらい)で引き返し、登山道を下ることとします。

引き返して登山道を下ります。

丸沼分岐へは、倒木などで踏み跡が不明瞭となる場所が若干あるものの、一定間隔で赤いマーキングがつけられており、迷うことはありません。

そして、先ほどまで遡行していた沢を何度か見下ろしていきます。

途中にあるこの展望台から、対岸のヒナタオソロシノ滝を見渡すことができます。

先ほど前を通過した一番下の二条滝から、ここと同じくらいの高さの一番上の滝まで、落差110mほどでしょうか。
水流が白く見えるところは4段か5段くらいですかね。
一番上の水流の右の松の葉に隠れたあたりにも何か見えるみたいです。
それでは、消化不良だった前半戦の埋め合わせもかねて、対岸に行ってみましょう。

登山道を100m少々下り、ロープをまたいで...

先ほどと同じところから砂防ダムを越え、またここに戻ってきました。
今度はヒナタオソロシノ滝に行きます。

後半のヒナタオソロシノ滝遡行はこちら。


●2021年10月29日(金)
女夫淵駐車場(7:28)→奥鬼怒歩道
→日光澤温泉(9:00)→オロオソロシ沢遡行開始(9:45)
→引き返し(10:55;標高1630m)
→丸沼への登山道(11:05)
→ヒナタオソロシ沢遡行(開始;11:40)
→水源の滝(12:45)→鬼怒沼登山道(標高1745m;13:20)
→日光澤温泉(14:05~15:10)→女夫淵駐車場(16:45)



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