ページ

2018年5月27日日曜日

自家用車で登る百名山 ~その19~富士山(BCスキー)

消雪が早い2018年。各地の春スキーエリアが続々と滑走適期を終える中、残る期待は最後の大物。身近な日本最高峰の富士山へ。
WEBサイトの各種情報ではやはり雪はかなり少ないらしいが、例年なら6月中旬まで滑走できるとのことなので、なにはともあれ行ってみよう。


富士スバルラインの終点、5合目から望む山頂。
この山はどんなに工夫しても自家用車の出る幕はここまでですね。

うぅ~む。白い部分がほんのちょっとしかないが、本当に滑れるのだろうか。
土産物屋のおじさんに「おい、気をつけてけよ!」と声をかけられ、思わず「ハイ」と気を新たに出発。


先ずは眼下に富士吉田・山中湖方面を見下ろしながら、幅広いトラバース道を行きます。
往復合わせると2時間弱で、このトラバース道が結構長いです。


シェルターを潜り抜けた少し先に今は閉まっている登山指導センターがあり、そこから本格的な登りが始まります。


ここまで来ると、本日のお目当ての吉田大沢が頭上に見えます。
上部は一面の大雪面。
そして、登山道と平行に細長い残雪がかなり下まで伸びていそうです。
これはもしかすると、、、


ひたすら夏径と同じコンディションの登山道を登って行きます。
シーズンに備えてでしょうか、ブルドーザー道を整備していると思われる重機が標高3,000メートル付近まで活動していました。


予想していたことではありますが、頂上が近付く気配は一向にありません。
むしろ先ほどより遠のいた?


いろいろ考えても疲れるだけなので、何を考えても/どうやっても5時間かかるんだとあきらめ、心を無にしてひたすら登ります。
よって、今何合目に居るかも、ここがどこなのかもわかりません。


気のせいか徐々に下界に雲が増えてきたように見えます。
天気予報は関東全域で「曇り」ですがこのことでしょうか。


いくら登っても変わらない風景が続きます。


7合目を過ぎたあたりからでしょうか。
吉田大沢が眼前に広がるところがあります。


そして、ときたま下界の雲が大沢を這い登って視界を覆うようになりました。




登山道の斜面に建つ最後の山小屋。上江戸屋でしょうか。
ここまで来ると完全に雲の上となりました。
多くの人が7合目以降漸次ブーツやスキーに履き替える中をだましだましアップシューズで登ってきましたが、ここでブーツを装着します。


他の登山者に従い、雪が厚く積もった須走側のブルドーザー道上周辺を登ります。


あともう少し。


先ずは吉田側の頂上、久須志岳に到着です。


順調に来れたので、噴火口の周りを辿って一番高い剣ヶ峰へ行ってみることにします。


河口湖方面を見ながら、反時計回りに鉢めぐりをします。
半周しかしないのでめぐりとわ言わないかもしれませんが、


剣ヶ峰側の山頂は雪がたっぷりです。
剣ヶ峰直下の雪面を斜上して、、、


日本の最高地点に着きました。


せっかくはるばる登ってきたので、記念にお釜を滑ります。
山頂石柱の20メートルくらい下にある物置小屋の様な建物の横でスキーを装着し、登山道上の雪をちょっとの区間滑り、一気にお釜の中へ。


山頂方向から入るお釜は適度な急斜面で、エッジをガシガシ効かせて一気に滑り降ります。


途中ところどころに雪に隠れた小さな裂け目がありますが、ここにスキーが平行にハマらないように注意。


あっという間にお釜の底に到着です。
ちなみに中央右下に居る不自然な逆さUの字は、たまたま頂上で一緒になったスキーヤーです。(クマではありません)
彼はスキーをゴツゴツ言わせながら底まで滑ったのですが、自分はもったいないので、ここで滑るのをやめて歩きました。


剣ヶ峰以外の噴火口周囲は崖に囲まれていました。


ところどころにアイスフォールもかかっています。


想像以上に巨大で、コンパクトカメラでは魚眼モードでも周囲を一度に撮影することはできませんでした。
なので、分解して撮影。
これは滑降してきた剣ヶ峰の方角。


以降時計回りで、


白山岳方向。


こっちは久須志岳です。


これは浅間岳?


さて、下ってきた7倍の時間をかけて登り返します。
富士宮側の下界はすっかり雲に覆われました。


剣ヶ峰からは、吉田大沢を滑るべく、白山岳と久須志岳の中間目指して一気に滑走します。
下降周囲のこの部分は残雪が多く、コルまでとは言わないものの、近くまで一気に滑って行けます。
滑り終わって振り返るとこんな感じ。
ここから登り返し5分足らずで滑走開始点です。


さて、いよいよ本日目的の吉田大沢です。


スピードに乗って10回くらいターンすると、滑り出したところ(中央部の稜線の低い所の奥)は瞬く間に遠ざかり、見えなくなります。


傾斜に従い右方向に行くと、往路に通ってきた山小屋の列が目に飛び込んできます。


山小屋の列を右に見ながら真下の雲海に突っ込むみたいに滑って行きます。


が、雲に突っ込むはるか手前で、雪が少なく、雪上に砂礫がみるみる増えてきました。


標高3100m付近で、まだまだ滑れるとは思っていたものの、雪面下の石を何度か踏みつけて、結構な衝撃を食らいました。
だんだんスキーがもったいなくなってきて、”もうやめよう”と思ったところで、雪渓の右端に5人のスキーヤーが装備を外しているのを発見。
自分もご一緒させていただくことにしました。

たまたま居合わせた人に釣られて到着した終了点ですが、撤収作業の合間によくよく観察すると、ここより下ってしまうと50メートルほど下で石間みれの雪が一旦途切れ、その先は右岸の登山道との間に崖が連なっていて登山道に戻るのに苦労しそうです。
非常によく考えられた絶妙の終了ポイントであることがわかりました。
もしスキーを外す人が目に入らなければ(いなければ)、帰るのが相当遅れたと思われます。
皆さんありがとうございました。

さて、そうは言っても、登山道との間には脆くて急なスコリアの斜面が続きます。
登山道へとスキーを背負ってガレの斜面をトラバースする間が本日の核心部となりました。

雲の上を折り返して下る登山道を、スキーヤーたちが重りを背負ってトボトボ下って行きます。


お疲れさまでした。


●本日の反省
 覚悟していたことではあったが、予想通り滑走区間が短かった。
 そうはいっても、この時期600mを超える標高差を一気に滑ることができる場所は多くないが、その直後に800mの山登りをした感覚は適切なのだろうか。
 しかも10㎏近い追加の重りをつけて。。。。
 あ、あとお釜の分もそれに足さなきゃ、、、
 オマケが多すぎやしないか?
 毎年来ている人の話によると、年によっては、あと高度差700m近く滑り降りてくることもできるとのことなので、かなりのアルバイトとなった。
 あくまでコンディションが良いときとの比較ではあるが。

 最後に、あれだけ大きな噴火口の中をボウルの底まで滑り降りたのは長い人生で初めての経験だったし、たぶんもう無いだろう。
 でも、できればもう一度くらい行ってみたいな。
 もっと下まで滑れて、アイスバーンでないときに。


2018年5月26日(土)
スバルライン五合目(7:30)→久須志神社(12:40)→剣ヶ峯(13:35)
→お釜滑降(底;13:55)→剣ヶ峯(14:30)→白山岳/久須志岳コル(15:15)
→滑降・吉田大沢→滑走終了(標高3100m付近:15:35)
→登山道下山→スバルライン駐車場(17:55)

0 件のコメント:

コメントを投稿

ページ

Tips