小金沢本谷の遡行記録、前半からの続きです。
発電所の脇にある大樺沢の出合から、不動滝までの区間を記載します。
前半の小金沢公園から大樺沢出合までの記録はこちらです。
大樺沢の滝を左手に見上げながら進むと、右岸から林道に戻る用と思われるロープが垂れており、さらにしばらく行くと、淵の奥に大きな流木が突き刺さった滝が見えてきました。
せっかくなので、深い淵の先に突き出した岩まで泳いで行ってみましょう。
引き返した先の目の前にあるこの茶色い土の斜面から巻いて行きます。
ここでちょうど正午を迎えましたが、激しい雷鳴が鳴り響き始めます。
降り立った場所の上流は岩壁に挟まれた廊下状となっており、左右の岩にロープが垂れていて、本来は流れに逆らって中を突破するのが困難なところだと思われますが、今日は中をじゃぶじゃぶ歩いて行きます。
その奥にある3メートルの滝は右側の岩を簡単に登れます。
3メートル釜滝から先は、水面が廊下状に続くこの谷らしい特徴が凝縮された区間ですが、雨が激しくなってきます。
しかもこの雨、時折水滴ではなく固体となって落ちてきます。
登る気は完全に失せて、即座に巻いて行きます。
4m滝から上流は、徐々に巨岩や転石が増えて、大味な渓相へと変わって行きます。
標高840m付近の左Uターンで左岸から枝沢の高い滝が落ちてからは、少しの間ナメと瀞の流れに戻ります。
そして、その先にあらわれる倒木と石組みの3m滝は、不動滝手前では最後となる大きな滝です。
流れが緩やかで水深があるところでは、水中で腰を低くし、首から上だけを出して直撃を避けながら進んだりしますが、一方で、先ほどまでの真夏の日差しもなくなり、あまり長時間それをやってると寒くなってきます。
左壁をⅢ+で登れるという4m滝で降雨はピークを迎えます。
直登もできなくはないようですが、左岸すぐ脇にあるルンゼに立派なトラロープが完備されているので、すぐ上にある樋状の二条滝と一緒に巻いて行きます。
巻き終わって少しの区間は、釜とナメが断続的に続く中の滔々とした流れとなります。
晴れていれば美しいのでしょうが、今は雨に濡れて滑りやすくなった岩盤をヨロヨロと登って行きます。
短いインゼルを過ぎると、岩盤主体の渓相はじょじょに巨岩と倒木が散乱するアバウトな渓相となって行きます。
大きな障害物が増えてきて、沢筋を直進しにくくなってきたところで、前方を塞ぐ形で8mの直瀑が出現します。
降る雨なのか、自身が巻き上げているのか、水煙の中に霞む堂々とした姿は、一段の高さとしてはこの沢最大のものです。
見た目からも直登は無理で、巻きも簡単ではないないため、多くの人がこの滝で遡行を終了しているみたいです。
脱渓するにも、巻いて上流を目指すにも、滝の背後の右岸に流れ込む塩地沢から林道まで登ることになります。
自分は、ここまで来れただけで十分満足なので、ここで終了とします。
充実感に浸りながら沢装備を解除し、塩地沢を右に見下ろしながら支尾根を登って行きます。
さよなら小金沢。
林道沿いには、電源開発の施設や、その工事に使われた(今も使われている?)トンネルがいくつかありますが、林道自身が通過する唯一の「大樺隧道」を抜けたところで、土砂崩れの復旧作業をしていました。
そこには、落石があったところの上で聞こえたあの音が...前半(大樺沢出合まで)の記録はこちらです。
※この記録は稀な渇水条件に遡行したときのもので、通常の水量では危険や著しい困難を伴う箇所が記載されていません。
極めて難度が低い条件下での表現であることを認識いただき、実際に入渓される十分な装備で臨み、自己責任で進退を判断してください。
また、事故に遭われた場合の責任は負いかねますので、ご了承願います。
●2022年7月2日(土)
小金沢公園(8:00)→真木小金沢林道
→スバノ沢手前の小沢下降(8:30)
→小金沢本谷遡行(入渓;8:50)→鶏淵(9:25)
→二連堰堤(10:10)→大樺沢出合(11:25)
→お茶ノ水ノ滝(11:40~12:05)
→不動滝(塩地沢出合・脱渓;13:15)
→真木小金沢林道(13:35)→小金沢公園(15:00)
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